エスディーケー(松永弘一社長)は梅里物流サービス(本社・茨城県坂東市)のグループ会社だ。古くはSDKという社名だったが、当時のオーナーが経営から撤退。それに伴って、SDKで働いていた松永氏が「取引先や従業員、車両などを引き継いで経営することにしたが、新たにエスディーケーという別法人を設立した」(松永社長)。そして、「ほぼ同時に梅里物流サービスのグループに入った」(同)。2009年8月のことである。
梅里物流サービスは倉庫業なども行っており、「茨城県内の共同配送、関東~九州でパレット単位の積合せ輸送などを行っている」(木村良太主任)。それに対してエスディーケーは浦和や加須から雑貨などを東京都内、群馬、千葉県などに配送している。
エスディーケーの配送車は「車両の稼働効率を上げるために梅里物流サービスと連携し、九州向けのパレット単位の積合せ輸送の荷物を集荷して帰ったりしている」(松永社長)。このようにグループで車両を効率的にオペレーションしているようだ。グループの連携を密にするため、最初は岩槻で会社を設立したが、その後、梅里物流サービスの埼玉営業所と同じ現所在地に本社を移した。
エスディーケーの保有車両数は23台で、うちわけは大型車(10t車)1台、4t車16台、2t車6台である。取り扱っている荷物の関係で全車両がウイングのパワーゲート車である。
主な取扱荷物は食品以外の総合雑貨で、大手事業者の浦和のセンターと加須のセンターからの配送業務である。たとえば浦和からは都内などに配送。午前1時に出発して7時ごろには帰社する。加須からは成東(千葉県)、高崎(群馬県)、日の出(都下)などに配送しているが、朝3時に出発して昼ぐらいには帰社している。
大型車の場合には杉戸から出発してディスカウントショップに配送している。また杉戸のセンターから伊勢崎(群馬県)、市川(千葉県)などにも配送する。いずれも距離的には近いので、車両は1日2回転しているという。
これら雑貨の配送の仕事はエスディーケーが取引している荷主の仕事だが、「店舗配送の車両で梅里物流サービスの九州便の荷物を集荷してくる」(松永社長)。これは関東から九州へ、九州から関東への中ロット荷物の積合せ便で、「上りも下りも1パレ、2パレ、3パレなどの単位の荷物を積合せて運ぶサービス」(木村主任)。貸切輸送ではコスト的に割高になり、路線便では大きすぎて敬遠されるロットの荷物を対象にした積合せ輸送である。
「朝の早い時間に梅里の本社に集荷のオーダーが入ってくる」(木村主任)。それを配送が終わった車両で集荷してくるというもので、車両の稼働効率を高めて収益性を向上している。さらにエスディーケーでは「九州便とは別の集荷もしている」(松永社長)という。
エスディーケーの事務所を訪ねると目に入るのがマッサージ室である。これは梅里物流サービスがグループの従業員のための福利厚生の一環として、無料でマッサージを受けられるようにしているもの。マッサージ師を社員として雇用しており、マッサージを受けたい従業員は事前予約(あるいは飛込も可)で、エスディーケーの場合は毎週水曜日と木曜日にマッサージ師が巡回してくる。その他にもグループではキャンピングカーやポルシェを所有していて従業員に貸し出している。面白いのは「田植え休暇」があること。
今後の展開については、「ドライバーが集まらないことには何も展開できない。仕事はあるので、ドライバーが確保できれば車両は増やせる」(松永社長)という。