キャリアカーによる自動車輸送をメインに展開


ミツギロジスティクス(佐々木俊彦社長)の設立は1995年だが、それ以前にミツギ産業の運送部としてスタートしている。

ミツギ産業は、ホンダ・エクスプレス(現ホンダロジスティクス)に勤めていた佐々木惇朗会長が30代半ばで興した会社で、ホンダの仕事を中心に行っていた。バイクショップを3店舗展開していた時期もあった。

運送事業に参入したのは1992年ごろで、ミツギ産業の運送部としてスタートした。最初は川越地区の地場輸送から始まり、その後に運送部が独立して設立されたのがミツギロジスティクスである。

このような経緯から当初は自動車輸送のほぼ100%がホンダの車だった。だが、現在ではトヨタ、日産、マツダ、BMWなど多数のメーカーの自動車を運んでいる。

保有車両数はトレーラから4t車まで120台で、ドライバー数は94人。事業内容は自動車の輸送が主体だが、自動車の管理、登録手続き業務、輸出業補助などとなっている。自動車の輸送では新車は約40%、一般車(中古車、レンタカーの回収など)が60%の割合である。一部は2輪車の輸送もあるという。

出発地は地元からで、北は盛岡、西は大阪、神戸などまで輸送している。だが、エリア的には関西と関東が多いという。新車の納品先は各メーカーのモータープールが多く、関東圏ではディーラーへの納品もある。それに対して中古車は、たとえば関東のオークション会場から関西のオークション会場などへの拠点間輸送が多い。また輸出向けの自動車では港に運ぶことが多い。

長距離輸送では、たとえば新車を運んで、帰りにはレンタカーを積んで帰るなど、いろいろな組み合わせによって基本的には往復輸送にして輸送効率を高めるようにしている。だが、近場では片荷輸送もあるようだ。

ミツギロジスティクスには本社の他に千葉営業所(山武市)、仙台営業所(宮城野区)、鈴鹿営業所(三重県)がある。このうち本社、鈴鹿、仙台ではモータープールを持っている。モータープールを備えているのは、仮置き場として活用し、自動車を集荷しておいてまとめて持ち帰るなどの効率化を図るためである。そのため「モータープールも含めて当社の売りになっている」(佐々木社長)という。

また、千葉営業所ではBMWのモータープールの管理・運営を行っている。BMWは千葉港に陸揚げされるが、それをモータープールまで横持ちし、そこから各地に輸送するという仕組みである。

このように同社では「自動車輸送を基本にしているがモータープールの運営や、今後は物流倉庫の賃貸なども含めて事業展開していく」(佐々木社長)予定だ。少子高齢化の進行など、将来の国内市場の変化に対応するためである。

このようなことから、2年前の2016年からは食品輸送の分野にも進出した。将来を展望した事業展開で、いずれも冷凍車でトレーラ4セットと大型車6台の計10台がすでに食品輸送の分野で仕事をしている。取扱商品は牛乳や乳製品、アイスクリーム、その他で関西への拠点間輸送が主になっている。

さらにミツギロジスティクスでは、野菜などの定温輸送にも進出する予定で、「食品の物流倉庫の建設も計画している」(佐々木社長)。