経営者の孤独感につけ込むビジネスに要注意②

ハッタリや巧みな話し方に騙されないこと


第三者としての眼からみていると、姑息で狡猾に金を引き出しているに過ぎないのだが、とくに創業者のオーナー経営者などは、コンサルタントと称する一部の人たちにコロリといってしまっているケースを見かける。経営者の孤独な心理につけ込んだ巧みな商法と言える。

このようなコンサルタントの「先生」方には、その他にも多くの共通点がある。そのいくつかを列挙すると、金の出所である社長には実に巧みに追従するが、社内での実質的な権限がほとんどないと見做された取締役や、それ以下の役職者、一般社員などに対しては、尊大な態度を示すことである。時には、あたかも自分の部下ででもあるかのように振舞って指示している場面などに遭遇することも珍しくない。あたかも社長の名代として采配を振るっているかのようだ。

話し方などにも共通する点が見られる。ハッタリを交えてメリハリのある話し方をする。そのような話し方をすることで、巧みに人を引き付け、また自分を実際よりも大きく見せることに長けているのだ。

もっとも、話を冷静に聞くことができる人には話の中身が希薄なことをすぐ見抜かれてしまうのだが、そんなことは一向に斟酌せず常に自分のペースを貫いてしまう。このような一部のコンサルタントの話し方をみていると、フル・コミッションの訪問販売で、飛び込み営業をしているセールスマンのトークに共通していることに気づく。

霊感商法的な話術で、一種のマインド・コントロール的な手法に長けたコンサルタントを見ることもある。このようにして、経営者の孤独な心理を餌食にしているコンサルタントも少なくない。知らず知らずのうちに、経営者側がコンサルタントに「使われて」しまっているのである。

コンサルタントは「使う」ものであって、「使われる」ものではない。基本的にはコンサルタントは傭兵である。ある目的のために能力を買うのであって、それが達成されれば必要なくなるはずなのだ。

コンサルタントといっても専門分野は様ざまなので、総てがそうだとは限らないが、比喩的に表現すれば、クライアントがコンサルタントの能力や存在を必要としなくなる状態を実現するために仕事をするのが、優れたコンサルタントである。

ところが物流分野では、このような優秀なコンサルタントは少ない。できるだけ契約を引き延ばそうと躍起になっているコンサルタントもどきを多く見かけるのである。契約期間が長いということは、経営者が求めている問題の根本的解決を引き延ばすことで、できるだけ多くの金を引き出そうとしているに過ぎない。

経営者はいくら孤独であっても、この手の類のコンサルタントもどきを見抜くことが必要である。