プロデリバリーズ(岡田貴司社長)は、照栄物流(本社・さいたま市北区、岡野照彦社長)のグループ会社。そもそもは照栄物流の浦和営業所として現在の所在地でスタートした。
営業所を急遽開設することになった理由が面白い。最初はタマゴを取り扱う荷主の仕事から始まったのだが、荷主が「それまで委託していた事業者が潰れてしまうので何とかしてほしい、ということですぐに賃借できる物件を確保して対応した」(岡田社長)のである。2012年8月のことであった。タマゴは夕方に持ち込まれ、10℃で管理して翌朝にはドラッグストアーの店舗に配送する、という業務だった。
しかし、タマゴの取扱数量が徐々に減少。そこで約1年後には業務を他の営業所に移管することにして、浦和営業所では切り花の荷主の業務を受託するようになった。切り花は大田市場や千葉にある加工場から持ち込まれたり、引き取ったりし、「納品先の大手小売店の指定するサイズに合わせてカットして店舗配送する」(岡田社長)という仕組みである。取り扱いは10℃~15℃で温度管理が必要だ。センター内の作業はパート労働に依存しているが、「花の作業」は女性に人気があって、応募者が多いという。だが、「花は生活必需品ではないので、平日と、たとえば母の日などの物日では3.5倍ぐらいの波動がある」(岡田社長)という。その後、この花の仕事も照栄物流の岩槻営業所で行うようになった。
この間、照栄物流では2014年11月に人材派遣会社のプロデリバリーズを設立した。所在地は浦和営業所と同じである。その後、浦和営業所では営業所としての物流業務とプロデリバリーズ(人材派遣)の両方の業務を行っていた。やがて2017年2月にプロデリバリーズとしても運送事業許可を取得。人材派遣だけでなく、プロデリバリーズとして物流センター運営と店舗配送などの運送業務も行うようになって今日に至っている。
現在の業務は病院内を専門に出店しているコンビニのセンター機能と店舗配送、健康・美容飲料を取り扱っている商社の物流、その他の物流業務を行っている。このうち独自性のあるのは病院内コンビニの仕事だ。一般のコンビニの物流センター運営や店舗配送をしている事業者は珍しくない。だが、プロデリバリーズでは病院内に特化したコンビニの商品を取り扱っている。
この荷主は、大人のおむつなど医療用品の商社で、その1事業部門として病院内にコンビニを出店している。病院内コンビニで商品を購入する顧客は、半分以上が病院に勤務している関係者で、あとは見舞いに来た人などである。だが、それぞれの地方によって売れ筋商品が異なるようだ。たとえば弁当でも子供の少ない地方ではハンバーグ弁当などはあまり売れず、比較的子供の多い都市部の方が売れる。飲み物にしても都市部ではジュース系が売れるのに対して、地方の病院ではお茶系の方が売れるという。
この病院内コンビニを展開している荷主は東北、関東、中部、四国、九州の5カ所に物流拠点を持っている、プロデリバリーズでは「関東の拠点運営と店舗配送を担当しており、埼玉、東京、神奈川、千葉、茨城、群馬の病院内の150店舗に毎日配送している」(岡田社長)。配送コースは12である。今後、さらに店舗数が増加する可能性があるという。
もう1つの大手取引先である商社の健康・美容飲料も取扱数が増加している。現在でも自社センターだけでなく、春日部と所沢の外部倉庫(1カ所は同業者に委託)に分散しているので、病院内コンビニのセンターも併せて、もっと広い拠点への移転も計画中だ。
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