照栄サプライ(白子大輔社長)は、そもそもは照栄物流の岩槻センターとしてスタートした。照栄物流のグループ再編成に伴い、今年4月24日に新会社である照栄の子会社として独立法人化され、5月1日より本格稼働した。
なお、照栄は照栄物流、サイトラ、フロンティア、シアークラフト、プロデリバリーズ、それに照栄サプライを傘下にもつ。
照栄サプライは全国の産地や市場から野菜を仕入れ、流通加工して販売するのがメインの事業で売り上げの90%を占める。照栄物流はもともと野菜の輸送などから事業を始めた。その岩槻センターだった照栄サプライでは、以前から野菜を仕入れて販売する事業を行っていた。今回のグループ再編で独立会社となったため、物流事業とは切り離した、いわば野菜の専門商社になったのである。実際の事業としては、野菜の仕入れ販売だけでなく、照栄物流のセンターだった当時からやっていたように、国産野菜、輸入野菜、カット野菜などを在庫し、流通加工して配送に出す、といった業務を行っている。
照栄サプライのセンターの床面積は約1800㎡で、そのうちの約100㎡が冷凍、その他は冷蔵になっている。従業員数は40人で、そのうちの30人はパートである。
野菜の仕入れでは、自社で産地から仕入れるケースが50%、市場から仲卸を通して仕入れるのが30%。さらに同社の販売先が実質的には仕入れて、自動的にセンターに入庫され、その時点で帳簿上は仕入れ扱いになるのが20%という割合である。
産地からの仕入れは時季によって変わる。春場は埼玉、茨城、群馬などの近県からで、夏場は北海道、東北、長野など、さらに冬場は九州がメインになる。仕入れ先としては出納農家が多い。ただ、北海道や九州など遠方の産地からの仕入れでは、「青果専門商社などの法人化された取引先を間に入れている」(白子社長)という。リスクヘッジのためである。
また、仕入れでは「できるだけ物流網が出来上がったルートから調達するようにしている」(白子社長)。生産者にはできるだけリスクを与えないような価格で仕入れ、運賃負担も増やさないようにするためだ。このように、遠方からの仕入れでは既存の物流ルートを使って仕入れ、近場の産地からの仕入れでは照栄グループの車両や、ドラEVERに掲載されている事業者に業務を委託するようにしているという。
仕入れた野菜を運んでくる納入車両は、たいてい深夜0時から午前6時ぐらいに到着する。同社では夜間は業務をしていないので、グループ会社の照栄物流(さいたま市北区吉野町)で荷受けをし、同社に横持ちしている。同社ではこれらの野菜を小分け、包装などをする。また、輸入野菜など冷凍で運ばれてくるものは冷蔵に温度帯変更もしている。
同社センターからは外食産業などの店舗に納品するが、これら配送業務はグループの照栄物流などに委託している。同社センターから直接配送する場合と、もう1度、照栄物流に横持ちしてから配送するケースがあるようだ。
このように売上の90%は野菜の売買だが、その他の業務も行っている。その1つがグループ会社のプロデリバリーズから業務を引き継いで以前から行っていた切り花の取り扱いである。切り花は市場や加工工場から持ち込まれたり引き取ったりする。そして納品先である大手小売業の指定するサイズに揃えたり、フィルムを巻く作業など「手間賃仕事をしている」(白子社長)。同センターからは約200店舗に配送されているが、「今後は花の取り扱いのウェイトを上げていきたい」(同)という。