設立5年目でユニークな軽貨物運送事業を展開


アイ物流彩京(渡邉裕和社長)は、設立が2013年8月で、現在5年目という若い会社だ。事業内容は貨物軽自動車運送事業と第一種貨物利用運送事業で、保有車両数はドライの軽自動車5台、冷凍の軽自動車5台である。また、同社は軽貨物自動車運送のai&aiグループの1員でもある。

というのも渡邉社長は「ai&aiの社員として配車管理などをして5年ほど働いていて、常務にもなりました」。そのような中で、独立して自分で事業を始めることになったようだ。独立するとai&aiで学んだノウハウを活かし、「最初は自分でも配送しながら荷主開拓をした」(渡邉社長)という。

軽トラックの方が簡単に事業を始めることができ、また、業務委託も可能だ。このようなことから軽貨物の荷物にターゲットを絞って営業開拓している。現在の取引先は荷主企業もあれば運送事業者もある。とくに荷主企業に対しては「自社で荷物を運んでいる会社なら、社員が運ぶよりもアウトソーシングした方が人件費その他のコストがダウンできる」(渡邉社長)、というのが売りである。

一方、受託した荷物は軽トラックの事業者に委託することが多いが、単純に右から左へと外注するわけではない。「まず、社員が走ってコースなどのマニュアルを作成します」(渡邉社長)。社員は2人で、営業開拓と実際に走行してのマニュアル作成、実務のフォローなどをしている。配送コースの特徴や納品先での注意点など、委託事業者も仕事がしやすいマニュアルを作り、トラブルなどが発生しないようにして外注するというのが基本的なパターンのようである。このようなことから仕事を請ける軽事業者からの評判も良く、「紹介で委託事業者が増えている」(同)という。

自社では10台の軽自動車を保有している。とくに冷凍・冷蔵は車両価格も高くなるので自営業者が自分で保有するのは大変だ。そこで「委託事業者は自分の軽トラックを乗ってきて、当社の冷凍車に乗り換えて冷凍商品の配送をする」(渡邉社長)ようなケースもある。

このようにアイ物流彩京では、軽事業者としては独自の事業展開をしている。独自性という点では契約内容も定期契約が多いという特徴がある。一般的に軽貨物事業者はスポットの仕事の比率が高いが、同社では「90%がルート便で、スポットの仕事は10%に過ぎない」(渡邉社長)。また運賃も1日いくらという契約が多いという。

これは営業戦略にも関係しているものと思われる。少子高齢化の進行で若い働き手が減少しているが、むしろ同社では「少子高齢化がポイント」(渡邉社長)と考えている。「軽運送の事業者は高齢者が多いので宅配は敬遠する。また、長時間労働の仕事ではなく小遣い稼ぎのような仕事」(同)をターゲットにしているようだ。たとえば大手の回転すしの荷主では、定番品のセンター便ではなく、レア商品を0時から開店前に配達するような仕事を軽自動車で行っている。あるいはケーキチェーン店の取引先では、包材を店舗に納品するようなルート便の仕事もしている。

アイ物流彩京では、「2、3年以内に岩槻に営業所を開設する予定」(渡邉社長)だ。これは輸配送ではなく、建設会社の資材の管理や足場の入出庫管理など、管理業務を行う営業所である。また同社では、「5年以内には倉庫つきの事務所を造る計画」(同)という。

さらに関連事業としては海外進出も考えているようで、現在、ベトナムでの事業も計画中のようだ。


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