倉庫の集約や大型車両の導入などを計画


エコーロジテム(星野健一社長)は、ある中堅運送会社の子会社として1994年に設立された。具体的な経緯は割愛するが、子会社として業績があまり良くなかったこともあり、2002年に星野社長が株主となって経営権を取得し現在に至っている。星野社長は親会社にも在籍していたことがあり、エコーロジテムの経営実態も分かった上での買収だった。経営を引き継いだ当時は「赤字会社だった。車両数は約10台で旧親会社の仕事からスタートした」(星野社長)という。

新しい体制でスタートした当時は、和菓子など食品関係の仕事が多かった。温度管理はチルドが多く、車両も冷蔵・冷凍車を増やしてきた。さらに印刷用のインクなど化学品や薬品など、常温の仕事も開拓してきた。

現在は食品関係(食品一般、菓子類、カップラーメン、飲料など)、電化製品の保管と店舗配送を2本柱に、その他にも衣料品、印刷物、断熱材、こん包材、発泡スチロール、プラスチック製品、ペットボトル、缶類、家具、イベント機器など多様な荷物を取扱っている。星野社長が経営をするようになってから15年が経つが、この間に取引先は約50社まで拡大してきた。

業務の内容は、食品関係では一時保管拠点から他の倉庫などへの拠点間輸送。家電製品も一時保管をして他の拠点への横持ち輸送、および拠点からの店舗配送などを行っている。

保有車両数は、軽貨物車両や2t車から7t車まで45台で、車種は冷蔵冷凍車、ウィング車、ウィングゲート車、パネル車、パワーゲート車、エアサスペンション付き車両など様ざまな車両をそろえている。2t車と4t車が多く、メインの4t車では拠点間横持ち輸送と店舗配送の仕事を組合わせることで生産性を高めている。

自車両による配送範囲は関東一円で、他の地域への輸配送は協力会社に委託している。また、大型車による仕事は関東圏内でも傭車に出している。このため現在のところ大型車は1台も保有していない。

だがエコーロジテムでは今後、近距離の大型車の仕事の自車両化を進める方針を打ち出し、現在、準備を進めている。「長距離輸送は自車両でやるつもりはないが、2t車、4t車で近場の横持ちなどをしている仕事を大型車1台にまとめて生産性向上を図る」(星野社長)という計画だ。

この大型車導入の狙いはもう1つある。現在のところ大型免許を取得しているドライバーはいないが、「2t車から入って徐々にステップアップし、収入も増やせるようにしたい」(星野社長)というものだ。生産性を向上して賃金が増えるようにするための一環である。

現在の社員数はパートも含めて55人。そのうちの42人がドライバーで、女性ドライバーが4人いる。約1割が女性ドライバーだが、「今後は女性ドライバーを増やしていく。そのためには女性ドライバーにもできる仕事とできない仕事を選んでいくことも必要」(星野社長)という。

さらにエコーロジテムでは、来年早々からは倉庫の運営にも力を入れていく計画だ。複数の荷主の荷物を倉庫でまとめ、納品先の拠点に積合せて輸送するという構想だ。現在借りている外部倉庫を集約化するとともに、複数荷主の荷物を積合せて拠点間輸送する。現在は外注化している大型車による輸送を自車両化するという計画と併せて、生産性の向上を図ることで、ドライバーのステップアップと収入増をリンクさせようという考えのようだ。