カントラ(荒川正洋社長)では今年の正月に3年計画を発表。「3年後には保有車両数50台の規模を目指す」(荒川社長)、という目標を掲げた。
同社の設立は1997年なので、今年で20周年になる。現在の従業員数は31人(社員19人、アルバイト・パート12人)で、保有台数は4t車、2t車を中心に21台。上尾市の本社の他に所沢デポ(入間郡三好町)、川崎営業所(川崎区東扇島)がある。
このような現状の中で、今年は設立20年ということもあり、年初に会社の将来の方向性を示したのである。
荒川社長はそもそもは「ディーラーの整備士だった」。整備士として自動車メーカー系のディーラーに勤めながら、「大宮~所沢間で食品の横持ち輸送をしているトラックに乗務してアルバイトをしていた」(荒川社長)という。当時はバブルの最盛期で、荷動きも良かった。詳しい経緯は割愛するが、そのような背景の中で整備士としての会社勤務を辞め、20年前にカントラを設立したのである。
アルバイト当時に運んでいたのは食品だったが、運送会社として独立後は食品を取り扱わないようになった。事業許可を取得した当時に運んでいたのは主に建材関係である。「食品の仕事は365日なので、人の管理など小規模では難しかった。管理者や予備車も必要になるので20台から30台の規模がないと食品はできない」(荒川社長)という。
このようなことから現在でも建材関係や部材、足場材などが多く、またアパレル商品の店舗配送なども行っている。事業所別に売上構成をみると、本社が約30%、所沢デポが35%、川崎営業所が35%といった割合である。
これらを業務の内容別にみると、まず所沢デポでは、他社のトレーラなどで持ち込まれた建材や部材を仕分けして、軽トラック、2t車、4t車などで2次配送する業務を主体に行っている。所沢デポは関越道の所沢インターに近く、関東各地に納品するには便利だ。デポへの入庫時間にもよるが、関東各地への午前中納品が可能で、場所によっては朝一番に現場に納品することもできる。
一方、川崎営業所ではアパレル関係の荷主の仕事をしており、神奈川県の約90の店舗への配送を担っている。この仕事は、従来は草加から店舗配送を行っていたもの。この荷主では草加のセンターからは関東圏の店舗への配送を行っている。とりわけ神奈川県内への配送量が多いため、扇島に営業所を設けて横持ちし、仕分け作業をして9台から12台の2t車で店舗配送するようにしたのである。なお、神奈川県内の店舗配送は傭車が主体になっている。
またカントラでは、足場に使う資材を川越から各地の建設現場に輸送する仕事も行っている。この足場材は主にエレベーターの設置工事現場で使用するもの。この仕事の特徴は、工事が始まる前に現場に運び、工事が終わると引き取る仕事があることだ。
同社では川越から関東一円の現場に足場資材を運んでいるが、やはり都内に運ぶケースが多いという。「最近は電車の駅にエレベーターを設置工事が増えているが、駅でのエレベーター工事は乗客のいない夜間が多い」(荒川社長)。また、「メンテナンスは休みの日が多い」(同)という。
同社はローカルネットの物流ネット武蔵協同組合にも加盟しており、ローカルネットを通した荷物も運んでいる。
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