ダイセー倉庫運輸(吉田憲三社長)は1974年の創立で、本社は愛知県小牧市にある。同社はダイセーホールディングス(本社・東京都千代田区、田中孝昌社長)の事業会社の1社で、ダイセーHDには多数のグループ企業がある。
ダイセー倉庫運輸は中日本を中心に、各地に9カ所の物流センターと2営業所をもち、倉庫業、一般貨物自動車運送事業、自動車運送取扱事業、梱包業、産業廃棄物収集運搬業などを行っている。従業員数は438人(契約社員などを含む)、保有車両数は121台である。
同社は東日本、中日本、西日本、九州の4ブロックで構成しているが、今回訪問したのは東日本ブロック(茨城県古河市)で、同所は関東物流センター内にある。川野夏樹スーパーブロックマネージャーに話を聞いた。
東日本ブロックが担当するエリアは関東全域と福島県。事務職やセンター内業務を含めて56人が働いている。保有車両数は15台で、内訳は4t車ベースの増トン車10台、8tユニック車1台、4t車3台、ワンボックスカー1台である。このうち「4tベースの増トン車は、狭い道路でも多くの荷物を運べるようにした大型車」(川野マネージャー)。
関東物流センターが取り扱っている荷物は合成フィルムが50%、合成樹脂20%、日用品類(ゴミ袋などの製品)30%となっている。大手取引先のフィルム工場が近くにあるが、同センターには東京、九州など各地から荷物が運ばれてくる。荷主各社の関東のストックポイントとしての役割を担っているからだ。在庫を預かり、オーダーに基づいて関東エリアを中心に荷物を配送している。
同センターに所属している自車両は15台と少ない。自社便での配送は埼玉県が主で、群馬、栃木、茨城の北関東3県はそれぞれの地元の協力会社に委託しているからだ。これら「協力会社の車両は1日平均50、60台が稼働している」(川野マネージャー)という。また、委託先には路線(特積み)事業者も8社ある。路線便で運ぶのは1t未満の荷物で、埼玉と北関東以外の地域。また、東北などへの輸送もあるようだ。「路線会社への委託は、それぞれの事業者が強いネットワークを持っている地域ごとに使い分けている」(同)。
自社便の基本的な業務をみると、朝の出発は6時から7時である。埼玉県内がメインだが、同センターから配送先まで時間がかかるコースは6時頃に出発する。納品先は1コースで7件から10件ぐらい。納品先は印刷加工工場やコンバウンド会社などである。
これらの納品先からは、加工された製品を帰り荷として持ち帰ることもあるが、早ければ13時ごろ、忙しくても14時ぐらいにはセンターに帰れる。翌日の荷物を積み込んで、17時から18時には仕事が終わる。以前は様ざまな帰り荷を積んで帰っていたが、そのために労働時間が長くなっていた。そこで「効率の悪い帰荷は断って労働時間短縮を図った」(川野マネージャー)のだという。
同センターでは10台でも輸送業務を行える。だが、最近5台を増車して15台にした。というのは来年春にスタート予定で、同じ古河市内の坂間企業団地内に関東第2物流センターを建設中だからである。第2センターが稼働するようになると車両が足りなくなるので、先行してすでに5台増車し、さらに現在5台を発注している。ダイセー倉庫運輸ではJPL構想を掲げている。JPLとは日本列島縦断・ポリマー・物流ラインで、「今年は10年構想の3年目」(川野マネージャー)だ。付加価値の高いポリマーを対象に、北海道を除くネットワークを構築し、自社便(傭車を含む)での輸配送を目指すという戦略だ。