来年3月には熊本にも営業所開設を予定


染谷梱包(染谷喜一社長)は、はじめは軽貨物運送事業とし1990年に設立した。軽運送事業をスタートして間もなくバブル経済が崩壊するという、大きな経済の転換期における船出だったことになる。

しかし、2006年には福島営業所(矢吹町)を開設し、最初は一般貨物運送事業の許可を福島で取得して自動車部品輸送の事業を拡大した。さらに2008年には冷凍輸送にも進出し、コンビニのセンター間で食品を横持ち輸送する事業も開始した。

さらに、2011年には埼玉営業所を開設し、2014年には加須営業所、2016年には岐阜営業所(恵那市)、さらに今年(2017年)1月には長野県に松本営業所をたて続けに開設している。

スタート時の軽貨物運送事業は、現在では関連会社のKSJが担当するような体制にし、KSJは軽の冷凍車2台を保有して仕事をしている。それに対して染谷梱包は一般貨物輸送で、大型車(14t車)、4t冷凍車、4t平ボディ車、4tウィングゲート車など73台を保有。従業員は70名(アルバイトを含む)という規模である。

染谷梱包の取扱荷物は食品関係が約50%、紙製品が約30%、自動車部品、その他となっている。事業の柱は食品輸送、紙製品輸送、自動車部品輸送である。

同社は「仕事のある所には進出していく」(染谷社長)という積極的な経営姿勢を貫いて生きた。「水は流れがなければ淀んでしまう」(同)から、絶えず発展し続けなければならない、という考え方のようだ。

たとえば紙を主に取り扱っている岐阜営業所(大型車12台)を昨年開設したのも、また、今年1月に開設した松本営業所(大型車7台)も、荷物のあるところには積極的に出て行くという姿勢の現れだ。

岐阜営業所の場合には、そもそも「最初は岐阜からの上りの荷物から仕事を始めた」(染谷社長)という。逆に首都圏からの下りの荷物が帰り荷のような位置づけだったようだ。そのような中で岐阜に営業所を開設したのは、岐阜と首都圏間の輸送の仕事だけではなく、さらに西日本も視野に入れた戦略でもある。岐阜に営業所を出したのは、「岐阜からはさらに広島や九州向けの仕事もあるから」(同)だ。

このように染谷梱包では、最近の数年間で積極的に営業所の開設などを進めている。当然、先行投資も必要だが、2020年の「東京オリンピック・パラリンピックまでには大半の償却もすんで利益率も良くなる」(染谷社長)計画だ。

このような中で染谷梱包が現在、進めているのが熊本営業所の開設準備である。熊本での仕事はスーパーの店舗への和菓子の配送。今月(2017年12月)からトラック2台を応援という形で現地にだし、来年3月ごろには営業所を開設して最低保有台数の5台からスタートする計画という。

熊本進出を計画している段階で、「すでに大分での配送もやってもらいたいという話が来ている」(染谷社長)そうだ。そこでまずは熊本で仕事を軌道に乗せ、上手くいったらいずれは大分にも営業所をだす予定である。

さらに熊本、大分では店舗配送だけではなく、いずれはセンターのオペレーションも任せたい、という話もあるという。

染谷梱包ではこれからも「仕事のある所には進出していく」(染谷社長)方針だ。