家具・家電の2マン配送と設置作業を主に事業展開


トランシア(小堀一馬社長)は2000年にさくら興運として、小堀社長の父親が設立した。小堀社長の祖父は木材屋で、現場に木材などを運んでいたが、父親が代わってその仕事をするようになったのがスタート。やがて運送業として2t車や3t車で酒類の配送をするようになった。

小堀社長が同社に入社したのは、今から14年前で、当時はユニック車がほとんどだった。その後、「仕事を覚えるために同業者に半年ほど出向。そこで家電配送などの仕事を学んだ」(小堀社長)という。 現在では家具や家電の2マン配送をメインにして、さらに木材や建築資材の現場納品などの業務も行っている。とくに家具や家電の配送では、ただ配送するだけではなく搬入、設置、組立、撤去などの作業もできるのが同社の強みだ。

そのような中で小堀社長は昨年1月に社長に就任し、社名もトランシアに変更している。社名変更の理由は、「さくらは華やかだが短期間で散ってしまうから」(小堀社長)と笑う。

現在の社員数は36人で、その他にアルバイトが6人前後(シーズンなどで増減する)。一般貨物運送事業の他に、電気工事や産業廃棄物収集運搬などを行っている。保有車両数は29台で内訳は、ユニック車11台(2t車4台、3t車4台、4t車1台、7t車2台)、2t箱車17台、今年増車した4tウィング車1台である。

このうち4tウィング車はフリーで、ユニック車は木材やプレカットなどの建築資材、メガソーラの現場納品などを主におこなっている。その他にも一部だがイベント関係などフリーで動かす仕事もしているという。それに対して2t箱車は家具や家電の配送車である。このように同社の場合には一般貨物輸送はごく一部しかやっていない。

家具や家電の配送は「ほぼ2マンで行っていて、運送業は未経験の人を助手として採用して免許を取らせる」(小堀社長)ようにしている。家具や家電の配送では搬入などの技術も必要で、エアコンの取り付けでは電気工事の資格も必要になる。

家電製品は会社から15㎞圏内にある複数の家電量販店の配送の仕事だが、取引先によって朝積みと夕積みと違うため、共同配送はやっていない。配送エリアは、埼玉県内の自社に近いエリア、野田など千葉県の一部、五霞など茨城県の一部となっている。

この2マン配送では宅配先のニーズで、どうしても土日などの納品が多くなる。そこで「平日に2マン配送ができる仕事を増やして業務を平準化し、生産性を向上する必要がある」(小堀社長)と考えている。

一方、木材や建築資材は、古河(茨城県)や熊谷などの工場から出荷される。プレカットなどは60%が県内で、その他には東京や神奈川の現場への納品もある。それに対してメガソーラは現場の近くまで他社の大型車が運んできたものを、同社の車両に積み替えて現場に納入するという仕事だ。現場の近くまでは大型車で大量に運ぶが、大きな車両では現場に入っていけないため、大型車と現場との間を同社がピストン輸送するという形である。

小堀社長は今後の会社の方向として、現在の仕事の他に新しい仕事を積極的に取り入れ「仕事の幅を拡大していきたい」(小堀社長)と考えている。幹部になりたい人もいれば、現場で働き続けたい人もいるだろうが、それぞれの希望を活かせるように社内で育成し、「50代、60代になっても、年齢に応じた仕事ができるようにしていきたい」(同)。そのためにも新しい分野の仕事を開拓し、業務の幅を広げるようにしたいと、という。