タクシーを運転するには二種免許が必要となり、タクシーは緑色の営業ナンバーを付けて運用されてきました。
これに対して、二種免許がなく、白ナンバーの自家用車で乗客を乗せて報酬をもらうことは、白タク営業として法律違反となり、摘発の対象でした。
ですが、日本版ライドシェアが創設されたことで、二種免許がなくても、報酬を得ての乗客の送迎ができることになったのです。
二種免許なしでどうやって運用されるのか、白タクとの違いを見ていきましょう。
目次
日本版ライドシェアにおける自家用車ドライバーの条件
日本版ライドシェアでは、タクシーが不足する地域や曜日、時間帯などを国が指定したうえで、一定の範囲のもと、自家用車ドライバーによる送迎が認められます。
その場合の自家用車ドライバーの資格は、二種免許を持っている場合はもちろんですが、一種、つまり普通免許でもかまいません。
ライドシェアに従事する日前2年間において無事故であり、運転免許の停止処分を受けていないなど、安全性を確認できれば、普通免許でも応募できます。
白タクとの違い
二種免許不要で、自家用車で送迎できるとなると、白タクとどう判別するのかと不思議に思われるかもしれません。
これについては、一定の基準を満たす必要があります。
まず、個人で勝手にライドシェア業務をすることはできません。
個人で勝手に行えば、これまで同様、白タク営業として罰せられることになります。
ライドシェアとして認められるには、タクシー事業者の募集に応募し、タクシー事業者の管理のもとで運行する必要があります。
タクシー事業者による運用管理について
二種免許はいらないライドシェアといっても、個人ドライバーが自由にできるわけではありません。
主な基準や条件として、以下の内容を満たす必要があります。
研修を受ける
ライドシェアのドライバーとして活躍するには、無事故や無違反といったこれまでの実績を問われるだけでなく、タクシー事業者が用意する研修を受け、指導監督を受ける必要があります。
これにより、プロのタクシードライバーと同等の知識やサービスなどを提供できる基本的能力を養うことができます。
タクシー事業者による証明
タクシー事業者は、自家用車ドライバーの氏名や運転免許証の有効期限、作成年月日などが記載された運転者証明を発行し、携行させなくてはなりません。
この証明書を得ているかどうかで、白タクと正規のライドシェアドライバーを判別することができます。
タクシー事業者による車両整備
ライドシェアで用いる車両は、個人のドライバーに整備をお任せするのではなく、安全に運行ができるよう、タクシー事業者が整備をサポートしなくてはなりません。
タクシー事業者による運行管理
ライドシェアを利用する場合、個人のドライバーと利用客が直接運送契約を結ぶことはできません。
これでは、白タク扱いになってしまうので注意が必要です。
運送契約を結ぶのは、あくまでも利用客とタクシー事業者です。
スムーズな利用ができるよう、配車アプリなどを活用し、即座に契約できるようになっているのが一般的でしょう。
利用時に発着の場所が確定され、運送料金も事前に確定されるのが原則です。
ライドシェアドライバーごとに料金を自由に決めることや勝手に料金を定めて、利用客に直接請求することはできません。
そのため、料金の支払方法も現金ではなくキャッシュレス決済で、まずはタクシー事業者に料金が入るなどの仕組みを整えることが求められます。
ライドシェアドライバーは、業務量に応じて運行管理を担うタクシー事業者から報酬の支払いを受けます。
ライドシェアドライバーになりたいなら
二種免許は必ずしも必要ない点で、ライドシェアドライバーとして稼ぐ道が開かれています。
ただし、いくつか要件を満たさなくてはなりません。
安全運転ができること
ライドシェアドライバーとして登録するには、普通免許でも問題ありませんが、無事故、無違反であることや定められた講習を受講し、指導管理に従う必要があります。
コンプライアンス意識が高く、安全運転を徹底できることが求められます。
仕事ができるエリアや範囲に制限がある
ライドシェアはどこでもできるものではありません。
現在のところ、指定された地域において、指定された曜日や時間帯でしか提供ができません。
そのため、お住まいの地域や車で待機できる地域で実施されていないと、ライドシェアドライバーになりたくても、仕事をするのが難しい場合があります。
まとめ
日本版ライドシェアドライバーになるには、必ずしも二種免許は不要で、一種免許、いわゆる普通免許でもなることができます。
ただし、自由に営業できるわけではなく、日本版ライドシェアの制度やルールに従い、タクシー事業者の管理のもとで業務を請け負う必要があります。
提供されている地域や時間帯にも制約があるため、自分ができるか確認してみましょう。