私たちは通常、学校などで視力検査を受けます。
また、普通免許を取るうえでも視力検査は欠かせません。
もしも視力が落ちていたとしたら、運転に支障をきたしてしまうのでシビアに見られます。
そして実は、大型免許や二種免許を取得するにあたっては、一般的な視力検査のみならず、深視力というものを検査しなければいけません。
今回はこの深視力について解説していきます。
視力と深視力の違いって?
たとえば、視力が1.0あると診断された時、それはその人が遠くのものをしっかりと見る能力がある証拠です。
逆に、この視力の数字が0点台を下回れば下回るほど、その人は遠くのものを見ることができません。
このように、視力とは、遠くのものを見られるかどうかを測るための指標です。
これについては、多くの人がご存知のはずでしょう。
一方で、深視力については詳しくない人も多いのではないでしょうか。
それもそのはずで、私たちは普通に生活している分にはこの深視力を計測する機会がありません。
たぶん、深視力という言葉を聞かないまま過ごしている人もいるはずです。
では、この深視力とはどういった能力なのでしょうか。
単純に言えば、深視力とは物体の立体感や奥行きなどを測るための能力です。
たとえば、遠くに車があって、やや遠くに人がいるとします。
この際に、どちらが自分にとって近くにあるのかを測る能力が深視力です。
深視力とはどんな時に必要?
先ほど、深視力は普通に生活している分には計測することがない、という話をしました。
では、どういった場面でこういった計測を行う必要があるのでしょうか。
それは、大型免許や二種免許などの特殊な免許を取る際です。
たとえば、大型免許を持っていると、トラックなどのような大型車を扱うことができます。
大型車の場合は普通車と違って、繊細な運転テクニックが必要です。
たとえば、トラックに乗って右折や左折をする際には、的確な立体感覚がなければ正確に走行することができません。
仮にここで深視力がなければ、曲がるべきコースを誤って事故につながりかねないでしょう。
だからこそ、大型免許や二種免許を取る際には深視力の計測が義務付けられているのです。
もしもこの深視力検査に合格しなければ、免許は取得できません。
また、一度免許を取った後でも更新の際に深視力が弱まっていると判断されれば、免許停止の危険性もあります。
深視力はどのように計測する?
現在、深視力の測り方として一般的なのは三桿法という計測方法です。
まず、深視力を検査する際には、専用の計測器の中を覗き込むよう指示されます。
その中には3本の棒が入っており、左右の棒は動きません。
動くのは真ん中の棒のみです。
前後に動く真ん中の棒が、左右の棒と同じ位置にあると思ったらボタンを押さなければいけません。
ボタンを押したら棒は止まり、誤差が測定されます。
一見すると簡単な検査のようですが、計測器の中を覗き込むと棒の大きさなどを正確に見切るのは容易ではありません。
逆に言えば、この検査をしっかりとこなせなければ大型車を運転する資格はないと言えるでしょう。
これを3回繰り返し、最終的な誤差が6cm以内に収まれば合格、逆に6cmを超えてしまうと再検査です。
免許取得の際には、一回失敗した程度ならやり直せますが、二回失敗してしまうと後日再検査になるのでくれぐれも注意しましょう。
深視力は鍛えようがある?
通常の視力は、生活の仕方によって衰えていくものです。
たとえば、パソコンやスマホを使い続けていると、視力が落ちて遠くのものを見られなくなっていきます。
その際、私たちは眼鏡やコンタクトレンズなどを使って視力を補えます。
一方で、深視力の場合はこういった補助ツールは存在しません。
私たちは、通常生活している分には自分の深視力がどのくらいかなどに注意を向けていません。
そのため、試しに初めて深視力を計測してみたところ、誤差だらけで終わってしまったという人も多いです。
もちろん、中には生まれつき立体感や奥行きを捉える能力があるために、一発で検査に合格したという人も少なくありません。
とはいえ、そういった才能に恵まれた人はごく少数と考えていいでしょう。
では、この深視力は鍛えようがあるのでしょうか。
結論から言えば、深視力はトレーニングをこなせば深視力は鍛えることができます。
教習所などでは、二種免許や大型免許などを取得する人のために、深視力のトレーニング講座などを設けているところがほとんどです。
また、独学でも深視力を鍛えることは可能です。
自分には才能がないとがっかりせず、地道に努力を続ければ検査に合格できるでしょう。
まとめ
今回は、深視力という普通の人にとっては聞き慣れないであろう言葉について解説してきました。
あなたがもしも二種免許を取得したいと考えているのであれば、必ず知っておくべき事柄です。
こういった予習を行っておけば二種免許取得はスムーズに進むでしょう。