人手不足は、運送業界を取り巻く現状の中で最も大きな課題になっています。深刻な人手不足の背景には、運送業界の「きつい」「帰れない」「給料が安い」といった新3Kと言われるマイナスなイメージが定着していることが大きく関係しています。さらに、人手不足に拍車をかけるように高年齢就業者の割合が急速に高まっており、個人事業主から会社組織まで業界全体に意識革命が求められています。そんななか、運送業界では若者と女性の採用に注目が集まっています。

この項目では、運送業界の今後の見通しと今後の若者と女性の就職者の動向について解説していきます。


運送業界の人手不足に関する今後の見通し

近年のEC業界の発展とともに、インターネット通販による個人物流量が増加は、輸送量の増加に大きな影響を与えています。さらに、今後もインターネット通販の市場規模は成長を続け、この先も売り手市場は継続すると予想されています。

景気回復と運送業界の需要拡大が見込まれている一方で、若者を中心とした人手不足と高齢化が進展しており、労働力不足の問題と経済活動への支障が懸念されています。様々な要因が重なり合ったことが運送業界の労働力不足の原因ですが、主な要因には次のようなものがあげられます。

  • 有効求人倍率
    厚生労働省の調べによると、2016年1月時点の「自動車運転の職業」の有効求人倍率は前年同月比で1.87倍というデータがでています。有効求人倍率が高い原因には、景気が回復するにつれて職が豊富になり、求職者が人気の高い職業に流出してしまうことが関係していると言われています。
  • 労働条件
    1990年代、トラック運転手はサラリーマンの給料の倍以上あった時代、たとえ労働が辛くても儲かる仕事であったために多くの若者がトラックに乗って稼いでいましたが、現在では、残業は当たりまえ、しかも給料が安くて仕事がきついというイメージが世間に広がっています。このため、運送業界は「長時間労働で低所得の職業」として定着してしまい、全産業に比べて人気が低いことは言うまでもありません。
  • 就職者数の減少
    総務省の労働力調査によれば輸送・機械運転従事者は30歳未満7%、50歳以上37%、60歳以上27%と高齢化が著しく進み、退職してから労働市場から退出する人が多いことが労働力不足の原因であると言われています。さらに、少子高齢化の影響で、このままゼロ成長の場合、男性の就業者は2030年に480万人減少すると言われています。

若者と女性はプラス傾向!

景気の回復傾向によって運送業界では採用活動が活発化しています。その証として、高校新卒者の運送事業者への就職状況は全産業平均を上回る傾向が続いていますので、他産業と比較すると若者の獲得において健闘していると言えます。なかでも運転免許を保有する女性が増加し、女性ドライバーが増加していることは業界にとってプラスになる部分が多いです。

平成28年8月に「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」が成立し、労働者301人以上の大企業は、女性の活躍推進に向けた行動計画の策定などが義務づけられています。男性としてのイメージが強い運送業界ですが、国土交通省では業界のイメージ改善を目的とするトラガール促進プロジェクトをはじめ、全国トラック協会と国土交通省が協力して若年層・女性ドライバーの就労育成の促進を図るなど、若者や女性が働きやすい環境づくりに力を入れています。


今後は女性ドライバーが増える!

基本的にトラックドライバーは性別に関係なく、輸送距離によって評価されるため、男性の目から見たイメージとは違い女性にとっては給料がいい職業と認識される傾向にあります。

また、女性用トイレや更衣室等を率先して設置する企業も増えており、女性に適した労働環境と育児と仕事が両立できる各種制度の整備することで、いままで男性が独占していた職業である運送業を女性が活躍できる職業として注目されています。

現時点で、女性ドライバーはドライバー全体でみるとわずか1割を満たしませんが、人口が減少するなかでも2030年までに革命が進めば女性の就業者は43万人増えると予想されています。この先、若者と女性をどれだけ引き入れることができるのかが運送業界にとってのターニングポイントとなるでしょう。


広報をうまく活用して若者と女性を多く確保する

若者や女性を多く引き入れることができれば、会社に新しい風を吹き込むことができます。中途採用より提供できる情報が限られてしまいますが、新卒採用の取り組みには外せない項目があります。また、運送業界は女性が活躍できる職業としてはまだ新しい分野ではありますが、女性にとって魅力の多い分野でもあります。多くの人材を確保できるか否かは会社の魅力をいかに求職者にアピールできるかがポイントです。

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