2007年から現在に至るまで、通販市場は拡大し続けていますが、物流量の増大に伴い仕事量も増加する一方、物流業界では深刻な人手不足が続いています。
本来、トラックドライバーは他業種に比べても福利厚生が充実し、非常に「将来性」のある職業です。しかし、中小企業は大企業と同じような採用手法をしても競争に勝てません。そこで、重要なのが採用手法を変えるという方法ですが、中小企業には間違えがちな採用手法が少なくありません。
そこで今回は、中小企業が間違えがちな採用手法について紹介していきます。
<目次>
大企業が狙わない人材を狙う!
知名度の低い中・小の会社が優秀な人材を採用するためには、大企業から発見されていない、あるいは、大企業の採用枠の外にいるポテンシャルの高い人材を見つけることです。つまり、「競争なしに採用できる人材」ということです。
そのような人材はどこにいるのかは、「志望度」と「顕在能力」の関係から、採用しやすい人材を見つける必要があります。具体的には、大企業から発見されていなかったり、年齢などで大企業の採用基準から外れている人材など、ブルーオーシャン戦略が必要となります。
人気のある物流大手企業は誰もが求める優秀な人材の志望度を高めていくやり方をします。この方法は理想ですが、中小企業では大企業との競争にまず勝てません。中小企業の場合は、自社への志望度が高い人材の中から選ぶという方法をとっていることが多いです。
しかし、この方法では会社に変革をもたらすような優秀な人材は採れません。実際は、入ってくれるなら誰でもいいというわけではなく、計画が達成できないからといって、明らかに能力不足の人材を入れるのは、会社としてもリスクが伴います。
知名度が低くても優秀な人材を採用できる
自社が求める人材をみつけ、その人材を採用するには、大企業とはほとんど競争することなく、志望度を高めさせる必要があります。それには、人材のポテンシャルを正しく判断できる能力が必要になりますが、肯定的にとらえれば、手間をかけてアプローチをし、人間鑑定力を持ってさえいれば優秀な人材を採用できます。
知名度の低い小さな会社ほど、大企業が狙うような人材に目が行きがちですが、小・中の会社は大企業と直接戦わない戦略が正攻法です。とはいえ、レッドオーシャンでの人材採用でも、中小企業が採用できる人材がいます。
本来、引く手あたまの人材でありながら、伸び盛りの中小企業に飛び込むようなリスクテイクのできる人材がいます。知名度が低く、評価が定まっていない会社に飛び込んでいくセンスは、成長を目指す会社にとって求められる資質といえます。 親しい人間関係を築くことができれば大企業を志望する人材でも採用することができるのです。
採用担当者の志望動機の捉え方について
人材は能力を見てから判断すべきです。特に、分不相応な人材を採用していく場合は、志望度を採用する側が高めていかなければなりません。志望動機をそのまま鵜吞みにしていれば、優秀な人材はみな大手企業に行ってしまうからです。
もっと言うと、ブルーオーシャンの人材からポテンシャルの高い人を見つけて、自社のPR、プレゼン、インプットをすることによって、志望度の低かった優秀な人材に「この会社で働きたい」と思ってもらうことが採用担当の仕事といえます。また、これは社長など会社の代表者の仕事でもあります。
志望動機が必要になるのは、選考後のフォロー段階です。昔のキャリア理論では、求職者のタイプを早く見極めて、きちんとした設計を立て、早くからスピードを上げてまっすぐ進めば一番いいキャリアになるというのが主流でしたが、それは終身雇用が守られて、定年までがイメージできる世の中だったから有効であったにすぎず、先の見えない今の時代には当てはまりません。
採用担当者は、求職者の志望動機に引っ張られてはいけません。今は、キャリア感が固い新卒求職者のほうがチャンスを逃す可能性が高いこと、そして、就職後は仕事のえり好みなどできない可能性があるので、自分のキャリア観をどうとらえていくかを教えてあげるべきです。
求める条件を並べ立てるのは間違い
優秀な人材を採用しようとするとき、よく勘違いすることがあります。それは求職者に求める条件をいろいろと並べ立てることです。社長の意向や現場の希望、人事部としての考え方を考慮すると、あれもこれもと条件が増えていくことがあり、数人しか採用しないときほど、その条件が増えることが多くみられます。
実際は、理想の人物というマスト条件を増やすことは、採用者の質を上げるのではなく逆効果になってしまいます。マスト条件を増やして欲張りすぎると、狭い池の中で相対的に優秀な人材を採るしかなくなってしまいますので、結果的に必要な人数すら確保できないということもあります。
採用の基本は、「裾野広ければ、山高し」です。近年、採用手法は多様化していますが、ネットでの情報発信やメディア露出など、広い範囲から探すことで、より優秀な人材が採れるのです。
まとめ
今回は、中小企業が間違えがちな採用手法について紹介してきましたがいかがでしたか?決して顕在能力が低い人は未熟というわけではありません。特に、これから成長しようとする若者は、ある能力は突出して高いものの、別の能力では劣るというような粗削りな人が多いのです。マスト条件を少なくし、視野を広げることによって、優秀な若手ドライバーの採用も視野に入ってきます。