あらゆる求人サイトを見ていると正規・非正規雇用を問わず「寮・社宅有」と記載されているケースが多くあります。しかし、普通に考えればかなり厚遇待遇と言えます。では、なぜ寮・社宅有の求人というのは本当に多いのでしょうか。

今回、本編では「タクシードライバー」「トラックドライバー」「バス乗務員」といったドライバー業界の三つの職業について、住宅事情・寮・社宅有求人に関して以下の通りまとめてみましたので、お話をしたいと思います。


<目次>


寮・社宅有り求人が多いのはなぜ?
ドライバー業界の住宅事情

では、なぜドライバー業界の求人には寮・社宅有り求人が多いのはなぜなのでしょうか。理由としては、「競合はあるもののニーズは減らない」「ハードな不人気業界である」「経済的に苦しい・地方から人材を受け入れるため」の三点が挙げられます。今回はそのポイントについて、具体的にそれぞれ説明をさせていただきます。

競合はあるもののニーズは減らない

物流というのは、経済の根幹を支えるものです。良いものがあっても、お金を持っていても、その良いものをお金のある人の下に運ばなければ意味がありません。みなさんが使っているコンビニにあらゆる商品があるのも、メーカーが製品を作るための材料・原料が手元にあるのもトラックドライバーの方が物を運んでいるからです。

人の輸送も同様です。ビジネスもプライベートもかかわらず、あちこち行くといったとしても、ドライバーの方が働いているからこそ実現できているのです。つまり、競合はあれどビジネスニーズは確実にあるのがドライバー業界です。

そのため、人員を募集している会社というのは、すべてとは言わないものの、確実に会社として仕事があり、それ相当の収入を得られているということです。ビジネスとしてドライバー業界というのは人が経済活動を行う上で欠かせない業界なのです。そのため、それ相応の福利厚生として寮・社宅を準備することができるのです。

ハードな不人気業界である

率直に言えばトラックドライバーは長距離ドライバーでは長時間運転し、荷物の積み下ろしのような力仕事もあります。また、力仕事があるのは中距離ドライバーも同様です。タクシードライバーやバス乗務員といった旅客系のドライバーにおいても、人が休みの時に働かないときに働くという点で休みが不定期になります。

そういった観点で、ドライバー業界という業界の働き方は、あまり好んで選ばれる働き方とは言えません。そのため、上で挙げたデメリットを聞いてもなお長く働くことの出来るメリットを提示しなければ採用にはつながりません。その一環として寮・社宅を完備している会社が多いのです。

経済的に苦しい・
地方から人材を受け入れるため

求人倍率が元々良い地区は、ドライバー業界ではなく別の業界を選択する人も多くはありません。特に、東京都、もしくはその周辺地域においては有効求人倍率が2倍を超えています。そのため、東京近隣に住んでいる人をターゲットに採用していてもうまくいきません。

しかし、地方はまだまだ求人が十分でない地域もあります。そのため、そういった地方人材の採用ができる受け皿が必要です。また、部屋を契約できない貧しい人材というのも採用ターゲットになります。そういった方々に部屋を提供し、安定して長期就労してもらうため会社側が配慮した結果、寮・社宅を配備しているのです。


寮・社宅に住むためには
どれくらいのお金が必要!?
その実例について

では、寮・社宅に住むためにどれくらいの費用がかかるのでしょうか。その実例についてご紹介します。なお、本内容は東京都のタクシードライバー求人の例です。

  • 入居費用なし
  • 寮費38000円
  • 冷蔵庫・エアコンTVなど一定の家具を完備
  • 入社祝い金10万円

まず、前提として不動産屋を通して賃貸で部屋を借りる場合は、「敷金・礼金」、「家具の購入」もしくは「家具の運送」、「賃貸手数料」、「各種保険費用」などあらゆる費用がかかります。加えて、東京23区の家賃相場は最も安い足立区、葛飾区でも6万円を超えます。

しかし、このタクシー会社だと、初期費用がほとんどかからない、寮費も家賃相場の半分強の金額で住むことができます。また、ただ家があるだけでは人がついてこないので、ウォシュレットトイレを完備したり、駅近の物件を準備したりと付加価値の高い物件であることも特徴です。

つまり、非常にお得な金額で良質な物件に住むことができるということなのです。トラックドライバーやバス乗車員においてもこのような良質な寮を提供している会社も多くあります。大変な業界ですが、それ相応の見返りとして安心できる「住」を保証してくれること珍しくないのです。



まとめ

本編で挙げた通り、ドライバー業界は楽な業界ではありません。むしろ重労働ですし休みも不定期なのでどちらかといえば避けられる業界です。しかし、その代わりに、日々コストのかかる「住」の軽減を寮・社宅という形で負担してくれる会社が多いのもこのドライバー業界です。

世の中には大変な仕事をしても、給料は安い、福利厚生もない会社もあります。しかし、ドライバー業界は大変な仕事をする代わりに得られる利益も多いのです。「住」が解決すれば安心して生活もできますし、預金も可能です。そういった点では非常に働くメリットの大きい業界なのです。


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