人が働く意義には「社会に貢献する」や「自分のスキルを高めたい」などありますが、多くの方に共通する理由は、給料をもらって生活するためです。

ドライバー職の給料は他の業種とは異なった方法で算出したり、特別な支払い方法を導入しています。現場で働くドライバーの金銭的な状況はどうなっているのでしょうか?


<目次>


ドライバー職の採用状況による金銭問題

ドライバー職は大手であれば新卒者を採用していますが、その人数は極端に少なくなっています。ほとんどが中途採用者であり、異業種から入って来る人も少なくありません。

この採用状況で起こる金銭問題とは、どのようなものでしょうか?

別業種から転職した人が多く、
ドライバー職を選ぶのに時間がかかる

ドライバー職というのは、当然ながら普通乗用車しか運転できない免許では仕事にならないことが多く、いずれかの免許を取得する必要があるため、即断即決が難しくなっています。

免許の費用については「取得費用の助成制度」を採用しているところが多いので金銭問題にはなりませんが、運転したことがない車両を業務で長時間運転することを考えると、その決断に時間が必要になることもあります。

タクシーのような普通乗用車と変わらない車両であれば、運転そのものに抵抗はないでしょうが、タクシーの場合は乗客に対する営業をしなければいけないため、営業経験の無い人にとっては簡単には決められない理由になっています。

仕事に従事しながら転職活動をするのは大変です。退職してから探し始めると、失業保険の給付を受けられなければその間は収入が発生しないので、金銭問題が発生するケースがあります。

雇用格差から蓄えが厳しい

今の雇用情勢は、新卒者であれば正社員での雇用が増えていますが、転職者では直接雇用されても契約社員といった「正社員以外の雇用形態」で就業するケースが増えていて、そこにはどうしても賃金格差が生じます。

増加傾向にある派遣社員の場合は、特に正社員との賃金格差が大きくなります。企業も努力して賃金の改善に取り組んでいますが、この問題はどんな業種であっても転職者が多いと発生してしまいます。

特にドライバー職では正社員で雇用してくれる確率が高く、給与も従来の仕事よりも多くなるという理由から、非正規雇用の人が求職することが多くなります。


金銭的に困窮しているとき、
転職先に求める条件とは

転職時に給与や業務内容以外に付加させたい条件があり、それが転職先を決めるときの妨げになることがあります。具体的には、どのような条件を求めているのでしょうか?

寮や社宅などの住居を用意できるか

住居費というのは生活をする上で避けては通れない費用であり、それでいて給与に占める割合が高くなるので、負担に感じる人は多くなっています。特に転職でドライバー職を選ぶ人の場合、寮や社宅に入って現在の住居からの転居を希望する人は少なくありません。

しかし、会社にとっても寮や社宅というのはそこに人がいなくても維持費がかってしまうため、現在は所有しない企業が増えています。

ドライバー職の会社は、従業員のために寮や社宅を設置している会社が多いのですが、完備しているところは人気が高くなっています。そのために、就業先に寮や社宅がないという理由で、選択肢から外してしまうケースがあります。

給与の前払いや日払いしてくれるか

転職すると、転職先での給料の締め日と支払日の関係から最大で二か月間無収入という事態を招く可能性があります。最初の給料をもらえるのは一か月後になってしまうため、その間の生活費に困ることもあります。

そこで給与の前払い制度があったり、日払いで毎日一部でも収入が入ればいいのですが、前払い制度や日払いを実施しているところは限られています。

派遣会社に登録して、派遣ドライバーで就職できれば日払い制度などを行っているところがありますが、直接雇用の場合には、ほとんどこのような制度を取っているところがないため、敢えて直接雇用ができる人でも、派遣社員での就業を選ぶことがあります。


会社が行う配慮とは

ドライバー業界は、転職者に向けて、会社側が様々な配慮をしています。とくに、ドライバー職はドライバーがいなければ仕事にならないため、求職者にも手厚い対応をしてくれます。

会社で独自に行っている制度とは

よく実施されているのは昼食を会社が無償で用意して負担を軽減したり、提携しているガソリンスタンドなどで給油すると給与天引きにしてくれるという方法です。

ドライバー職の会社は郊外にある場合が多く、車でなければ通勤が難しくなるため燃料費が後払いでいいのは嬉しい限りでしょう。

他にも、よく行っているのは入社祝い金を支給する制度であり、これは前借りとは意味合いが違うので給与に関係せず、一定期間就業すれば返還する必要がなくなります。

再就職に関する支援金を早く
給付してもらえるようにする

転職の場合、一定の条件を満たしていればハローワークから再就職祝い金が支給してもらえます。

しかし、この支給を受けるためには再就職した会社からの申請書類が必要になります。この際、ドライバー職では少しでも早く支給してもらえるように迅速に対応してくれます。

このような手続きは手間がかかるため、他の業種ではなかなかしてくれないケースも見られますが、ドライバー職の場合は求職者のことを考えて、迅速に対応してくれます。

まとめ

ドライバー職は車両を運転するドライバーがいなければ業務にならないため、他の業種よりも転職者を大切にする傾向が強いと、わかってもらえたでしょうか?

旅客でも物流でもドライバーは会社の顔として、客や取引先と直接対応するため、入社してくれた人をとても大切に育てようとしており、やりがいを持って就業できる職種です。

運送・物流業界は徐々に職場環境の改善をしており、多くのドライバーさんに会社に来てもらえるような企業努力をしています。

また、他の業種と比べても定年退職する年齢が遅く、定年退職しても本人の希望次第で再雇用してくれる可能性が高いので、一生涯の仕事として選ぶ価値がある職種だと言えます。


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