本日の業務もあと一件!力を振り絞り運転席へ向かうオージンだが、
ホイール入道の仕業でまさかの整備不良…!ツール神ツクモの助けにより事なきを得るも、
おつかれオージンはすっかりうなだれてしまう…
いつでも心に運送(はし)る楽しさを!

「よぉ~~し…。本日の最終業務行くぜぇ~~…」今日の業務も後1件だ。後ちょっと、と気合を入れるオージンに声が掛かる。「待たれよ!オージン殿! ソコ! 整備が足りておりませんぞ!」「何っ!?」声を掛けてきたのはツール神ツクモだ。日々安全運転の基本は整備からと整備不良を見逃さない。「ご覧くだされ! このナットを!」ツクモが指さす先を見ると、なんとナットがゆるゆるになっている。「うおおおおおおおお危ねぇぇぇ!!」ナットが外れてタイヤが脱輪でもしたら大惨事だ。 「た、助かったぜツクモ…」胸を撫でおろしながらそういうと、ツクモは「整備! 整備!」とナットをしめてくれる。そこにぬふふ、と不気味に笑い声が響いた。「ぬふふふふ…。緩んでいるのはソコだけかなぁ~?」問題魔【ホイール入道】だ。パンクや劣化といったタイヤに関する問題を引き起こす。「再点検!お任せ下さい!」ツクモがいそいそと再点検を始めてしまった。「あぁ~~…」後1件なのに。いや、整備不良は危険すぎる。しっかり見てもらうのはありがたい。ありがたくはあるのだが。「やっと最終業務だってのに足止めかぁ…」思わずがっくりしてしまうのも仕方がないんじゃないだろうか。とぼとぼと整備が終わるのを待つために運転席へと向かったオージンだが、助手席に座るキラキラとしたものが目に入った。 「ってうおおお!?」運転獣≪ドラビースト≫バロンだ。バロンは助手席に乗り込んで、満面の笑みにキラキラと目を輝かせている。「お、お前は!古の時代より乗り物を愛し、いつ何時でも運転ることを諦めない運転獣バロン! なんて運転りたそうな顔してやがる!」オージンはバロンにつられた。オージンも運転るのが大好きだ。そんな運転りたそうな顔をみたら、自分だって運転りたくなるじゃないか!「オレも超絶運転りたくなってきたぜ・・・!」ツクモから整備完了の声が掛かれば、オージンは運転席へと乗り込んだ「出発~っ!」――運転獣バロン…。免許時代において…。彼は獣故に、公道は走れないのであった…。