カーリースの会計処理は、契約している取引方式によって異なります。
契約時や月額料金などをどのように仕訳したら良いかで悩んでしまう方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、仕訳時に用いる勘定科目や方法について解説していきます。
目次
リース車とは
リース車とは、定額料金を支払うことで使用できる自動車のことです。
車の購入のように、頭金や初期費用などの負担がありません。
中には、税金、自賠責保険料、メンテナンス費用などが含まれているプランもあります。
手頃な月額料金で自動車を利用できるのがメリットです。
法人や個人事業主の場合は、月額料金を経費として計上できるというメリットもあります。
経費処理を適切に行えば、節税効果も期待できるでしょう。
仕訳で使う勘定項目
ここでは、仕訳時に用いられることが多い勘定科目をご紹介します
リース料
借手が貸手側に支払う月額料金のことです。
支払利息
借入に対する利息の処理で用いる勘定科目です
減価償却費
固定資産の購入額を耐用年数で分割して算出し、期ごとに計上するために用いる勘定科目です。
保険費用
保険費用とは、任意保険料のことです。
車輛費
車輛費とは、ガソリン代や駐車場代などの費用です。
仕訳のやり方
ここからは、取引方式別での仕訳方法を解説していきます。
所有権移転外ファイナンス・リース取引
日本国内で多く導入されている取引方式です。
中途解約ができないようになっており、契約期間中に発生するメンテナンス代は利用者が負担します。
この取引では契約満了となっても、車は契約者のものにはなりません。
契約満了時に、返却、買い取り、再契約のどれかを選択する必要があります。
- 契約時の仕訳
契約時の仕訳で記載するのは、車輛本体価格です。
月額料金を記載しないように注意しましょう。
たとえば、車輛本体価格が200万円の車を契約した場合は、貸方には「リース資産 2,000,000」、借方には「リース債務 2,000,000」と記載します。 - 月額料金支払時の仕訳
この取引では、月額料金を支払った際に、リース債務の勘定科目を用います。
たとえば、月額料金が30,000円、利息が5,000円だった場合は、貸方には「リース債務30,000」および、「支払利息 5,000」と記載します。
借方には、「現金(もしくは、普通預金) 30,000」と記載します。 - 決算時の仕訳
決算時は、減価償却費で計上します。
この取引の減価償却で用いるのは、リース期間定額法です。
車輛本体価格÷リースの回数×年度内の月数で求めることができます。
たとえば、減価償却費が50万円だった場合は、貸方に「減価償却費 500,000」、借方に「リース資産 500,000」と記載します。
所有権移転ファイナンス・リース取引
契約が満了した際に、車の所有権が貸手から借手に移る取引です。
中途解約ができず、メンテナンス費用を契約者側が負担するという内容になっています。
契約時やリース料の支払いなどの仕訳は、所有権移転ファイナンス・リース取引と同様です。
この取引方式では、契約満了時に車が契約者のものになるとみなされます。
車は固定資産として扱う必要があるため、決算時には減価償却費の勘定科目を用います。
- 決算時の仕訳
減価償却費の計算する際には、定額法もしくは定率法を用います。
リース期間定額法ではありませんので、間違えないように注意しましょう。
定額法の計算式は、取得価額×定額法の償却率です。
定率法の計算式は、取得価額(もしくは未償却残高)×定額法の償却率です。
定額法や定率法で算出した減価償却費が30万円だった場合は、貸方には「減価償却費 300,000」と記載します。
借方には、「リース資産 300,000」と記載します。
オペレーティング・リース取引
この取引方式では、契約が満了した際に車を返却しなければなりません。
契約内容によっては中途解約も可能です。
契約期間中に発生した車のメンテナンス代については、貸手側が負担します。
この取引方式では、資産を手に入れたことにはならないため、仕訳を行うのは月額料金の支払時のみです。
契約時や決算時に仕訳を行う必要はありません。
たとえば、毎月の支払料金が30,000円だった場合は、借方には「リース料 30,000」と記載します。
借方には「現金(もしくは普通預金) 30,000」と記載します。
まとめ
リース車の仕訳は、それぞれの取引方式に合わせて行わなくてはなりません。
取引方式によっては、決算時に減価償却費の計算が必要になる場合があります。
適切な勘定科目や計算式を用いて、間違えないように処理しましょう。
車の会計処理や管理は手間がかかります。
もっと効率良く車の管理をしたいならば、運送業に特化した基幹システムの運SOULの導入を検討してみてはいかがでしょうか。