交通ルールはドライバーの誰もが守らなくてはいけません。
ですが、誰も見ていないから、急いでいるから、このくらいなら大丈夫と、うっかり違反をしてしまう方いるかもしれません。
もちろん、無事故、無違反の方もたくさんいらっしゃると思いますが、わずかなルール違反に思えても、蓄積することで免許停止になることもあります。
安全運転を続け、無事故、無違反の優良ドライバーを目指すためにも、運転手なら知っておくべき一般違反行為の基礎点数と反則金について確認しておきましょう。


一般違反行為とは

道路交通法では、ドライバーに禁止する違反行為を2種類に分けて、違反点数や反則金に段階を設けています。
悪質・危険な行為は特定違反行為に分類され、一般違反行為はそれ以外の違反行為となります。
特定違反行為ではないから、違反しても大したことがないと誤解してはいけません。
特定違反行為にあたるのは、運転殺人等、運転傷害等、危険運転致死、危険運転致傷、酒酔い運転、麻薬等運転、救護義務違反といった、人の生命に関わるようなリスクの高い重大な行為です。
これに対して、一般違反行為には信号無視やスピード違反、酒気帯び運転などが含まれます。
特定違反行為に比べて、程度の差がある行為ですが、やはり、ドライバー自身や同乗者、対向車や歩行者などの他者を死傷させる場合や建物やガードレール、信号機などを損壊するおそれが高い行為です。
そのリスク度合いに応じ点数が設定されています。
点数が高いほど損害が大きくなるおそれがある危険な行為です。
一方、点数が低くても、思わぬ大きな事故に発展する可能性があります。
点数の積み重ねをすることで、大きな重大行為をしたのと同じになりますので、点数を問わず、ルール違反は行わないように気を付けましょう。

一般違反行為の種類と基礎点数

一般違反行為は11種類の点数で区分されており、最もリスクが高い行為から順に25点、19点、16点、15点、14点、13点、12点、6点、3点、2点、1点が割り振られています。
まず、ドライバーや同乗者をはじめ、対向車や歩行者、店舗などに衝突することで大きな死傷事故や物損事故を起こしかねない酒気帯び運転については、アルコール呼気0.25mg以上で25点、0.15~0.24mgで13点です。
トラックドライバーなどに多い過労運転なども、事故のリスクが高いため25点です。
無車検・無保険運行は6点、横断歩行者等妨害などが2点、信号無視も2点、通行禁止違反が2点、指定場所一時不停止などが2点、座席ベルト装着義務違反1点となっています。
また、速度違反については、規制されている速度に対して50km以上超えると12点、一般道において30km以上50km未満の速度違反が6点、高速道などにおいて40km以上50km未満が6点、30km以上40km未満が3点、25km以上30km未満が3点、20km以上25km未満が2点、20km未満が1点となります。

反則金と罰金について

点数制度はドライバーの過去3年間の交通違反や交通事故に定められた点数を付け、違反点数が累積されていく仕組みです。
累積点が一定基準に達すると、免許停止や保留、取り消しなどの処分が行われるので、積み重ならないように注意する抑止力が働きます。
一般違反行為では基礎点数が与えられますが、違反にとどまらず、実際に交通事故を起こすと基礎点数に付加点数がプラスされるので、交通事故を起こさないよう徹底しなくてはなりません。
死亡事故、傷害事故、建造物損壊の事故の種別と違反者の不注意の程度に応じて、付加点数が定められています。
また、措置義務違反、いわゆる、あて逃げをすると、プラス5点が加算される仕組みです。
実際に違反が見つかった場合や交通事故を起こすと、対応した警察官から手渡される青切符または赤切符が交付されます。
青切符は正式には交通反則告知書と呼ばれ、駐車違反や一時停止違反、一般道での30km/h未満の速度違反や高速道路での40km/h未満の速度違反など、比較的軽い違反の際に交付されます。
基礎点数としては、6点未満の違反が青切符の対象です。
6点に満たない違反行為は反則行為と呼ばれ、通知された反則金を指定期間内に支払えば、刑事上の責任は問われません。
赤切符は正式名称を告知票と呼び、青切符に比べて重い違反行為に付与されます。
一般道で30km/h以上、高速道路で40km/h以上の速度違反、酒気帯び運転や無免許運転など、基礎点数6点以上の違反行為が対象となり、行政罰では済まされず、刑事手続きを採らなければなりません。
青切符は反則金という行政罰が課されるのに対し、赤切符は罰金として刑事罰が科され、前科もつくので注意が必要です。

まとめ

交通違反は、悪質・危険な行為である特定違反行為と、その他の一般違反行為に分けられています。
一般違反行為といっても事故のリスクがあるため、軽視してはいけません。
一般違反行為の基礎点数と反則金について知り、点数の低さを問わず、蓄積されて免停となることや多額の反則金を取られないよう気を付けなくてはなりません。