タクシーの運転手は、自分の頑張り次第で稼げる仕事と言われています。
これから、タクシー業界への就職・転職を目指す際に気になるのが年収事情ではないでしょうか?
そこで、本記事では、タクシー運転手の最低年収、収入を左右するポイントなどをご紹介していきます。


タクシー運転手の平均年収はどのくらい?

全国ハイヤー・タクシー連合会が公表している資料の「令和5年タクシー運転者の賃金・労働時間の現況」によると、令和5年6月度におけるタクシー運転手(男性)の月間給与の平均は、33万8,500円でした。
年間賞与の平均額については12万7,900円でした。
これらの金額をもとにして計算すると、タクシー運転手(男性)の平均年収は、418万9,900円程度であることがわかります。
ちなみに、女性のタクシー運転手の平均年収は400万4,300円でした。
女性よりも男性のほうが年収が少しだけ高い傾向のようです。

タクシー運転手の年収は地域差が大きい

また、働く地域によっても、タクシー運転手の平均年収には大きな差が見られます。
全国ハイヤー・タクシー連合会の資料の「タクシー運転者の賃金・労働時間(令和5年)」を見ると、タクシー運転手の年収が最も高い地域は東京都(5,859,800円)でした。
2番目は大阪府(4,869,500円)、3番目は神奈川県(4,249,900円)となっています。
反対に、タクシー運転手の年収が最も低かった地域は石川県(2,304,500円)でした。
東京都と石川県の年収の差はなんと約350万円です。

タクシー運転手で稼ぐならば都市部が有利!

東京や大阪などの大都市のほうがタクシー運転手の年収が高くなりやすいのは、タクシーの需要が高いからでしょう。
特に東京は、人口が多い割に自家用車の保有率が低いため、タクシーを利用する人がたくさんいます。
また、都市部には観光スポットや商業施設などが充実しており、タクシーで観光を楽しむ人も少なくありません。
タクシー運転手でたくさん稼ぎたいのであれば、地方よりも都市部で働くことを検討したほうが良いでしょう。

タクシー運転手の最低年収・最低賃金はいくら?

では、タクシー運転手の最低年収は、どの程度になるのでしょうか。
最低年収を調べるうえで目安となるのが最低賃金制度です。
ほかの職業と同じように、タクシー運転手にも最低賃金制度が適用されます。
最低賃金制度とは、国が法律にもとづいて賃金の最低額を定めた制度のことです。
「地域別最低賃金」「特定(産業別)最低賃金」などの種類があります。
このうちで、タクシー運転手に適用されるのは地域別最低賃金です。
地域別最低賃金は、地域によって最低賃金時間額が異なるのが特徴です。
厚生労働省が公表している地域別最低賃金の全国一覧「令和6年度地域別最低賃金改定状況」を見ると、最低賃金時間額が最も高い地域は東京都(1,163円)となっています。
神奈川県や大阪府などの地域も、最低賃金時間額が高い傾向です。
なお、地域別最低賃金の全国平均額は1,055円です。
最低年収の面でも、東京や大阪などの大都市のほうが有利になりやすいでしょう。

タクシー運転手の給与体系

タクシー運転手の給与体系によっても、最低年収が変わる場合があります。
タクシー業界で採用されている給与システムは、固定給料制度、完全歩合制、基本給+歩合制の3つです。

固定給料制度

固定給料制度は、基本給のほかに、各種手当が受け取れる制度のことです。
営業成績を上げても給料に大きく反映されませんが、安定した給与を毎月もらえるというメリットがあります。
安定性を重視する方に向いている制度と言えます。

完全歩合制

完全歩合制は、営業成績によって給料額が決まる制度のことです。
歩合制の割合はタクシー会社によって異なりますが、50~60%程度と言われています。
頑張って営業成績を上げれば、その分だけたくさんの給与がもらえるのが完全歩合制のメリットです。
やる気のある方やバリバリ稼ぎたい方に向いている制度と言えるでしょう。

基本給+歩合制

基本給+歩合制は、最低限の基本給のほかに、歩合制によって給与額が決まる制度のことです。
タクシー業界では、この制度を導入する会社が多い傾向です。
完全歩合制よりも、安定して稼ぎやすいというメリットがあります。

まとめ

タクシードライバーの平均年収は約418万円です。
勤務する会社の給与体系によっても年収が大きく変動する場合があります。
固定給と歩合給の割合、ノルマの有無、各種手当の額、最低保証給与などをしっかりチェックしておくことが大切です。
また、働く地域によっても、年収の開きが大きいのがタクシー運転手の特徴です。
たくさん稼ぎたいのであれば、タクシーの需要が多くて、最低賃金額が高い都市部を選んだほうが良いでしょう。
あるいは、タクシー会社で運転手の経験を積んでから、ハイヤー運転手や個人タクシーなどへステップアップするのも手です。

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