都心部ではタクシーの姿がよく見られるほか、配車アプリなどの利用も普及し、タクシーが活躍しているイメージがあります。
一方、地方に出張や旅行などでいくと、タクシーがなく困る経験はありませんか。
タクシー運転手の状況はどうなっているのか、この記事ではタクシー運転手の平均年齢をはじめ、年齢の構成などについてご紹介していきます。
平均年齢が高いタクシー運転手
全国的な統計を見ると、タクシー運転手の平均年齢は57.6歳です。
かなり高いという印象を受けませんか。
一般的な企業や一般的な職種では、60歳定年や65歳定年が多く見られることからも、現役で活躍しているタクシードライバーの平均年齢が57.6歳と定年に近い年齢なのは驚きです。
平均年齢ですので、それよりも若い年齢のドライバーもいますが、57.6歳をはるかに超えたドライバーがいるのも事実です。
地方で気になる高年齢化
都市部では、比較的若い年齢層のタクシードライバーも見られますが、地方ではタクシードライバーの高齢化が加速しています。
少子高齢化に加え、人口減少などにより、タクシー利用者もタクシードライバーも不足しています。
そのため、ほかの企業を定年退職した後に、タクシードライバーに転身する中高年者も少なくありません。
定年したけれど時間を持て余している、年金をもらうまでの間、生活費を稼ぎたい、年金だけでは生活ができないといった定年対退職者が、タクシー会社の求人に応募するケースが多いです。
車の運転が得意、ドライブが好き、人とのコミュニケーションが好きといった理由から、勤務時間や日数が選べる、現役時代のように毎日出社しなくてもいいといった理由も、定年対にタクシードライバー求人が人気の理由です。
定年がないケースも
都市部のタクシー会社や大手のタクシー会社では、定年制度があるのが一般的ですが、地方のタクシー会社では定年制度がないか、形骸化しているケースも少なくありません。
ドライバー不足で、若い人材を募集しても人口減少で応募者が集まらない中、苦肉の策として、70代、80代のドライバーを雇用しているケースもあります。
運転能力やスキルに問題がなく、本人の気力や体力も充実し、持病などの問題もなければ、年齢制限なく、タクシー運転手を続けているケースも多いです。
こうした地方の事情も、タクシー運転手の平均年齢を高齢化させている理由の一つです。
実は若手ドライバーも増加中
もっとも、若年層が集まる都市部を中心に、若手のタクシードライバーが増えているのをご存知でしょうか。
新卒採用により、大卒で求人に応募する学生も増え、男性だけでなく女性の新卒ドライバーも増加中です。
どうして増加傾向にあるのか見ていきましょう。
配車アプリなど便利なシステムが普及
従来、タクシードライバーといえば、流しのタクシー、駅やビル、観光スポットなどのタクシー乗り場で客が来るのを待ち続けるといったスタイルが一般的でした。
流しで突然の乗客に対応することや長時間客待ちするのは、今時の若者にはあまり受け入れがたいようです。
ですが、近年都市部を中心にタクシーの配車アプリを利用する方が増えました。
タクシー会社によっては、専用のタクシーアプリによる配車を基本にしているケースも増えています。
これにより、流しをすることや長時間待ち続けることなく、効率的かつ安定的に乗務をできるようになったことで、若手のドライバーも参入するようになったのです。
若手ドライバーはアプリやカーナビなどの使い方にも長けているので、中高年のドライバーに比べて、導入された新しいシステムを使いこなしやすく、仕事にも慣れやすく、快適に業務を遂行できるのも、若手のタクシードライバーが増えている理由です。
賃金上昇や福利厚生の充実
少子高齢化や2024年問題に伴うドライバー不足を打破するべく、大手のタクシー会社などを中心に賃金水準を高めることや福利厚生を充実させるケースが増えています。
低料金で利用できる社員食堂や社宅の用意など、福利厚生も充実させることで、物価上昇なども気になる中で、若年層の求人応募者が増えています。
柔軟な勤務体制
タクシードライバーは、一般的な企業などの勤務体制とは異なります。
夜勤がある場合や途中で仮眠などを入れながら、13時間連続勤務などがあるケースも多いです。
もっとも、連勤したら2日休みなど、休みが充実していると応募してくる若手も少なくありません。
また、大手のタクシー会社などを中心に、夜勤がない昼勤のみの働き方などを設けるなど、柔軟な勤務体制が魅力で、若手のドライバーも増えてきました。
まとめ
タクシー運転手の全国的な平均年齢は57.6歳と、高齢化が進んでいます。
一方、都市部を中心に、若手のタクシードライバーも増加傾向にあります。
タクシー配車アプリの普及や賃金アップや福利厚生の充実、柔軟な勤務体制など、若手人材を中心に人気を集めているのが増加している理由です。