今、運送業は人手不足が慢性化しています。
ネット通販の利用が劇的に増えているにもかかわらず、運送業は人手不足が深刻です。人手不足でハンドルを握るドライバーがいないため、ますますドライバーの職場環境は過酷になっているのです。
そんな中、流通業界では従業員の流出が止まらない企業もあります。ドライバーがすぐに辞めてしまう企業とはどのような企業なのでしょうか?その特徴を見ていきましょう。
<目次>
従業員の健康管理の重要性を理解していない
ドライバーがすぐに辞めてしまう企業の管理者の多くは、従業員の健康管理の重要性を理解していません。
近年、観光バスや大型トラックによる事故が後を絶ちませんが、ドライバーが事故を起こしてしまう最も大きな原因がドライバーの過労です。何十時間もぶっ続けの勤務をこなし続けているため過労や睡眠不足により、運転中に居眠りして事故起こしてしまったというケースがかなり多く見られます。
大型車両のドライバーは特に、安全を求められます。大型の車両が事故起こせばぶつかられた相手はタダでは済まず、大きな凶器を常に移動させているようなものだからです。ですから、ドライバーたちは常に万全の体調で仕事に臨めるような環境になければいけません。
しかし、企業の管理者はドライバーの健康管理に興味がありません。ドライバー自身が自分で体調管理をするべきだと考え、シフトを組む際にドライバーの睡眠時間や体調を考慮しないのです。
それではドライバーの負荷が増し体力的に辛いうえに事故を起こす危険性まではらんでしまいます。そんな環境の企業で働きたいと思うドライバーはいないでしょう。その結果、ドライバーは企業から離れて行ってしまいます。
従業員を教育する気がなく即戦力のみを求める
ドライバーがすぐ辞める企業の特徴に、ドライバーたちに即戦力を求めてばかりで教育する気がないということもあります。
大型トラックの長距離ドライバーや観光バスの仕事は、ただ運転するだけではありません。運転する道を覚えるだけではなくどの時間帯にどこが混むのか、駐車場が混む場所はどこに停めるのが良いのか、乗客に優しい運転技術とは何かなど、覚えることがたくさんあります。運転技術も必要ですが、それ以外にも必要なスキルはたくさんあります。
ところが、従業員がすぐ辞めてしまうような企業には、社員教育が不十分なところが多く見られます。中途採用者を採用する際には、即戦力になる実績豊かな人材しかとらず、採用した後はろくに仕事を教えず勝手に仕事をしろと突き放します。仕事を教える手間や時間が惜しいのです。仕事を覚えることについて従業員たちが自己解決すれば、先輩社員を教育係につけるなどという余計なコストがかかりません。
一方で、従業員にとってみれば、最適な道順や道路状況、運転技術や顧客対応の方法などをあらかじめ教えてもらうことで仕事はとても楽になります。仕事がわからない中試行錯誤することで手間が増え、残業時間が増えるでしょう。
会社側が社員教育を怠り楽することで、その分従業員側に負担が増えるだけなのです。
そのような社員教育をする気がない企業に所属しているドライバーが、もっと社員の仕事の効率を上げることを考えてくれるもっと良い企業に転職したいと考えるのは当然のことです。
従業員とのコミュニケーションが取れていない
ドライバーが離れて行ってしまう企業の問題点として、従業員と管理者とのコミュニケーションが取れていないということもあります。
管理者側が従業員とコミュニケーションを取る気がないその根底には、従業員を大事にする気がないという問題があります。従業員はただ働いてくれれば良い、使えなくなったら切り捨てよう、他に即戦力になって安い給料で働ける従業員を中途で入れれば良いなどと考えている管理者は、そもそも従業員とコミュニケーションを取る必要性を感じていません。
しかし、従業員を大事にしようと考えている管理者なら、どうすれば従業員が働きやすくなるか、不満に感じていることはないかを従業員から聞き取ろうとします。その結果、従業員とのコミュニケーションが密になります。
ドライバーが離れていかない企業の管理者は、企業にとって何より大事なのが従業員だということを良く知っています。従業員を大事にすればするほど従業員の働きが良くなり、その結果企業の売り上げがアップすることを知っているのです。
このように、従業員を大事にしてコミュニケーションを積極的に取る企業では、おのずと従業員の福利厚生も良くなっていきます。
まとめ
ドライバーがすぐ辞めてしまう企業の特徴について詳しく見てきました。
ドライバーがすぐに辞めてしまう企業の共通点は、利益重視で従業員の福利厚生を大事にしないということです。
利益を重視することと従業員の福利厚生を手厚くすることは、一見相反する事柄です。しかし、コストをかけて従業員の福利厚生を良くすることで、従業員が良く働くようになりまわりまわって企業の利益は上がります。
従業員を大事にするためには、従業員の健康管理に気を配り、社員教育をして仕事をしやすくしてあげて、従業員の意見を聞き入れるためにコミュニケーションを密にする必要があるのです。