タクシー事業は年間15億2800万人を輸送する公共交通です。
世界各国に当たり前のようにいるタクシーですので誰もが容易に思い浮かべる事が出来ると思います。

でも実際の所タクシーの定義って何?
料金メーターが付いていればタクシーなの?
自家用車で勝手にタクシーやってもいいの?

今回はそんなタクシーの基礎中の基礎をご説明します。


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タクシーとは

運転手と車両を貸し切って旅客を運送する公共交通機関、およびそれに使用する車両の事ですね。

タクシー事業とは

タクシーの車両を使ってお客さんを運送する事業であるタクシー事業は、道路運送法という法律によって管理されています。
ここではそんなタクシー事業がどこに属し管理運営されているのかを説明いたします。
少し堅苦しい内容ですが、タクシー事業の基礎中の基礎ですので大事な部分です。

まずタクシー事業は道路運送法という法律の中に規定されています。
その法律の中で自動車運送事業に分類されています。

自動車運送事業は旅客自動車運送事業貨物自動車運送事業に分かれており、タクシーは貨物ではなく旅客を運送するので旅客自動車運送事業の方に分類されます。

そしてその旅客自動車運送事業一般旅客自動車運送事業特定旅客自動車運送事業に分かれており、タクシーは一般旅客運送事業の方に分類されます。
ちなみに特定旅客運送事業とは要介護者や園児の送迎バス等の決められた旅客のみを運送する事業です。
よって不特定多数の需要に応じて運送するタクシーは一般旅客運送事業の方に分類され、要介護者の運送を行う介護タクシーは特定旅客運送事業になるわけですね。

さらにこの一般旅客自動車運送事業も3つの事業に分かれております。
路線バス等が入る一般乗合自動車運送事業と、バス旅行等で利用される貸切バスが入る一般貸切旅客自動車運送事業と、タクシーやハイヤーが入る一般乗用旅客自動車運送事業です。

つまりタクシー事業とは、自動車運送事業の中の旅客自動車運送事業の中の一般旅客自動車運送事業の中の一般乗用旅客自動車運送事業に分類されるわけです。
ややこしい…。

道路運送法ではタクシー事業の事を「1個の契約により国土交通省令で定める乗車定員未満の自動車を貸し切って旅客を運送する一般旅客自動車運送事業」と定義しています。
国土交通省令の乗車定員とは11人ですので、運転手を含めて10人までの乗車定員の自動車を使った事業という事ですね。
普通は運転手含めて5人乗りの自動車を使うので少し意外かも知れませんが、10人乗りの自動車まではタクシーと呼ばれます。

この一般乗用旅客自動車運送事業は国土交通大臣の許可を受けなければならないので、その許可を受けて事業を行っている事業者の管理運営している事業用自動車だけがタクシーと呼べるのです。
しかし逆に言うとこの一般旅客自動車運送事業以外はタクシーではありません。
国土交通大臣の許可を受けずに道路運送法にも準じず、自家用車で営業を行う行為は白タク行為(車のナンバーが事業用の緑色ではなく一般車の白だから)と呼ばれ違法です。

道路運送法とは

この一般乗用旅客自動車運送事業が守らなければならない道路運送法には輸送の安全の為に守らなければならない様々な内容が法律で規定されています。

道路運送法

第1条(目的)

この法律は、貨物自動車運送事業法と相まって、道路運送事業の運営を適正かつ合理的なものとし、並びに道路運送の分野における利用者の需要の多様化及び高度化に的確に対応したサービスの円滑かつ確実な提供を促進する事により、輸送の安全を確保し、道路運送の利用者の利益の保護及びその利便の増進を図るとともに、道路運送の総合的な発達を図り、もって公共の福祉を増進することを目的とする。

こちらは道路運送法の第1条です。

深く考えると何言ってるのかさっぱり分かりませんが、要は安全で、尚且つサービスの為に日々精進し、公共の福祉を増進させるという範囲内でならば公道を使って商売をしても良いですよという目的を持った法律という事ですね。

道路運送法には旅客はもちろんの事、公衆に対しても懇切に取り扱う事が明記されているので公共交通としての責任があります。
普段は警察の捜査に協力したり災害時には住民を運ぶ乗合運送として派遣命令が下ったりと、何気に社会貢献も行っているんですよ。

出典:たくのり

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※こちらの記事は「たくのり」の管理人様に許可を得て転載させて頂いております。