あなたの運送会社では、日々の運転日報を適切に記録、管理していますか。
ドライバーに義務付けているけれど、忙しさで日報の記録を忘れる人がいるいうケースもあるかもしれません。
個人事業主の中には日報を作成せず、見積書や契約書などで実績を振り返る方もいるかもしれません。
ですが、運転日報の作成は、適切な運送業務の遂行のために義務付けられています。
この記事では、運転日報の作成義務と保存期間について解説していきます。
運転日報の作成義務
貨物自動車運送事業輸送安全規則によれば、国土交通大臣または地方運輸局長の許可を受けた貨物自動車運送事業者は、運転日報の作成が義務付けられています。
また、軽貨物自動車運送事業法の改正に伴い、2025年4月からは貨物軽自動車事業者も運転日報の作成と保管が義務付けられます。
そのため、軽トラックや軽ワゴンなどで運送業務を行っている個人事業主であっても、法制度にもとづき日々の運転日報を作成しなくてはなりません。
運転日報の作成者と管理者
運転日報とは、各ドライバーの日々の運転業務の記録をするものですので、作成者は各ドライバーです。
職場で用意された所定のフォーマットや紙の日報に、業務に従事する都度、記録していく必要があります。
もっとも、各ドライバーに任せていると記入を忘れる場合や面倒だからと怠る方も出るおそれがあります。
作成者は各ドライバーであり、業務に従事していない人が代行することはできませんが、ドライバーに作成を促し、漏れがないようにチェックする役割を果たすのが管理者です。
貨物自動車運送業者においては運行管理者、軽貨物自動車運送事業法の改正に伴い、貨物軽自動車事業者においては新たに設置が義務付けられる安全管理者が作成を促し、適正に運用管理しなくてはなりません。
運転日報の項目について
運転日報は、その日の配送先などを簡単に記述するにとどまらず、法制度で求められる内容を記録することが求められます。
具体的には、ドライバーの使命、使用した自動車登録番号をはじめ、発車した日時と地点、到着した日時と地点、主な経由地と運転距離、業務上の交代地点、休憩を取得した際や仮眠をした場所と時間数、さらに貨物の積載状況や集荷などの状況などです。
また、事故や著しい遅延などが起きた場合には、その内容や原因も記録します。
自分で事故を起こした場合に限らず、事故渋滞に巻き込まれた場合や周辺火災や大雪による道路の閉鎖による遅延や荷主の都合による遅延なども記録対象です。
渋滞や道路工事などに伴い、経路変更などの運行指示があれば、その内容も記載します。
なお、車輛総重量7トン以上、または最大積載量4トン以上の事業用トラックの場合、運行記録についてはタコグラフの利用が義務付けられているので、タコグラフから取得した情報を運転日報に正確に転記する必要があります。
運転日報の保存期間
運転日報の保存期間は、貨物自動車運送事業輸送安全規則でも、軽貨物自動車運送事業法においても1年間と定められています。
一方で、労働基準法では、労働関係に関する重要書類は5年間の保存が求められます。
運転日報の記録は、ドライバーが過労死したり、業務に起因して病気になったり、重大な事故を起こした際に振り返る記録にもなるので、5年間は保存するのが望ましいでしょう。
作成義務が負担になる場合も
運転日報は、ドライバーが日々自分の業務や休憩時間などについて記録していくものですが、記載項目も多く細かいため、その日のうちに記録していかなければ思い出せなくなるなど、正確な記録が作成できません。
一方、細かいだけに記録に時間がかかり、業務で疲労困憊したドライバーの中には、作成が面倒になることや後回しになるケースもあり、記録漏れが生じるおそれもあります。
特に、紙の日報を事業所に戻ってから作成するスタイルの場合、再配達などをこなし、すでに残業が発生しているにもかかわらず事業所に戻って作成しなくてはならないとなると、後回しにしたくなる気持ちもわかります。
内容が細かいので、作成に15分、30分と時間がかかるケースもあるためです。
運行管理者や安全管理者にとっても、各営業所に所属する多数のドライバーの運転日報を日々チェックするとともに、記録を怠らないよう指導、管理するのは負担でしょう。
システム化やデータ化で運転日報作成の負担を軽減しよう
ドライバーが業務中でもスマホで利用できるアプリを導入し、出退勤や休憩時間の登録、気になった事項などをすぐに登録できるようになると便利です。
運転日報は紙の書類ではなく、電子データで作成して保存することも認められているので、アプリや勤怠システム、タコメーターなどを活用することで、日報作成の負担や運行管理者や安全管理者の管理業務の負担も軽減できます。
運SOULを使えば、車輛管理や配車管理をはじめ、ドライバーの勤怠管理や走行管理などもできます。
システムに登録されたデータをもとに日報を作成することで、漏れなく正確な情報を記録することが可能です。
まとめ
運転日報は、貨物自動車運送事業輸送安全規則でも、軽貨物自動車運送事業法でも作成と保存が義務付けられていますが、内容が細かいので、運SOULのようなシステムを活用して適切かつスムーズに作成、保存していくのがおすすめです。