第5回 ネット動画サービスの世界(NETFLIX&Amazonプライムビデオ編)

皆様どうもこんにちは。
窓辺のマーガレット、キョウキ・カンバーバッチです。

さてこの原稿が掲載されるのはお盆明けの8月16日頃なのですが、ドライバー求人サイト・ドラEVERをご覧の皆様はお盆休み、いかがだったでしょうか。

私はですね、お盆休みは帰省して田舎へ数日戻っていたのですが、お盆期間中に夕飯を買おうとスーパーの鮮魚コーナーをを訪れましたところ、私の田舎は港町なのでいつもは朝獲れたであろう新鮮な魚介類が並んでいるんです。

でもその日の特価品は、冷凍物のカツオ。それを見て、ピンと来ましたね。嗚呼、お盆休みで物流が止まってるんだな、と。そんなところでドライバーさんの仕事のありがたみを感じてしまったわけです。ドライバーさんに運んでもらわないと、美味しいお魚も食べられませんからね~。

まぁそういう事もありまして、ドラEVERさんで連載させていただいている事もあり、ドライバーさんの知り合いは皆無なのですが、「ドライバーの皆様はこのお盆、休めただろうか?」等と思いを巡らせてしまった訳です。

そうそう。せっかくなので帰省したついでの話をさせていただきますが、夜中水が飲みたくなって、私は水道水は飲まないものですから、最寄りのコンビニへお水を買いに行ったんです。このお盆は皆様もご存知のとおり、例年より涼しく空は薄曇りでした。

「曇ってるなぁ」

何て思いながら、やおら空を見ると、全体に広がった雲に一本、縦に光の線が走っているのです。

「あれ、なんだ?」

謎です。これまで見た事も聞いた事もない。そういう未知の存在が確かに実在して目に見えているのです。私は確かに空想癖のある側の人間だと確信していますが、空想をより楽しくするには、より実際の事を知る必要があります。だから普段、心のどこかで在れば面白いな、と感じていつつも、UFOや心霊関係には否定的なスタンスをとっています。だから最初一瞬「遂にUFO目撃?!」と思うには思ったのですが、直ぐにそれを撤回し、その正体を探る事にいました。

涼しいですが、真夏のミステリー、やや映画的ですしね。

最初に自分が行った事。それはとにかく観察する事でした。経験上、大体の事は落ち着いて良く見れば分かるものです。

真っ直ぐ綺麗な光の線が、雲の中に伸びています。上と下は雲に隠れてしまっているのでしょうか。ちょうど雲の上に定規ですっと縦に線を書いたような感じで見えています。色は黄色に近いオレンジでしょうか。それが朧に、縦線であると分かるディティールのまま浮かび上がっているのです。

じっと観察していましたが、やはり分からない。

それどころか、観察すればするほど正体がわからなくて徐々に不気味さを感じてくる始末。これはいけません。恐怖ほど人の判断を鈍らせるものはないからです。しかし何より怖いのは、その見えるはずのない不思議な物が、じっと観察している5分の間ずっと、消えずに存在し続けるという事です。これがまた怖い。例えばUFOの目撃情報よろしく、さっと通り過ぎて消えてしまってくれればどんなに良かったか。流星だったとか火球だったとか言えるのは総て、その未知の存在が消え去ってしまったから安心して言えること。謎の物体を目の前にしたままだと、その光の線が突如自分の上空へワープしてきてUFOの船内へ吸い上げてしまうのではないか? という攻撃を受けかねない身の危険を感じながらという事になります。こういう状況で冷静でいられるのは中々豪胆な性格ではないかと、小心者の私などは感じてしまうのです。

その場から逃げてしまおうか、等と情けない考えを持ち始めたですが、ここで少し面白い現象が私の中で起きてきます。発見してから10分は経過してるでしょうか。さすがにそんなに消えずに見えていると不思議なもので今度は、「あれは動かずずっとあそこにあるもの」という安心感が芽生えます。攻撃とかはないだろう、という根拠のない安心感なのですが、映画ですとこういう考えを持った瞬間攻撃してきたりして、気が置けません。視聴者を安心させた瞬間衝撃的な場面を展開しシーンを印象付けるという最早伝統的な手法ですね。

しかしこれは映画ではなく、私の現実です。そういった演出はなく、不思議ではあるけど害はなさそうだし、あらためてアレは何だろうか? と再び冷静さを取り戻し考え始める事ができたのです。

観察の次に私が取った行動は、検索、でした。

こういった場合の検索には2種類方法があります。まず一つは、見えている物体と近いものを探すこと。そしてもう一つは、今現在同じ物を見ている人がいないかを探すこと。どちらもある程度のテクニックが必要ですが、慣れれば欲しい情報を比較的簡単に探し当てることができます。

Googleの検索窓に「流星」「流れ星」「UFO」「気象現象」「光の線」「光の柱」等、思いつく限りの言葉を入れ、画像を出してみますが似たものは見つかりません。その中で「流星痕」 と呼ばれる、流星が通ったあと飛行機雲のような痕跡が残る現象がある事をつき止め、それかもとも思ったのですが、出てきた画像と目の前の現象はやはり違うもののような気がします。

そこで今度は同じ現象を体験している人がいないかを探してみました。リアルタイム検索とはまた違うのですが、ツイッターの検索窓にキーワードを入れ最新のつぶやきを表示させる事ができます。同じ物を見ている人がいれば当然不思議と感じるはずだし、つぶやいていてもおかしくありません。そこから正体を探る事ができるかも知れない。比較的新しい検索方法ですね。

地名と、先ほどのキーワードを入れて検索すると、出てきました出てきました。同じ物を見ている人が数日前から……。

「え!? 数日前から?!」

と叫んだかどうかは都合よく忘れてしまいましたが、これは有力な情報であり、確信に近づいている気がします。確かに他の方のつぶやきは、何日も前の出来事。しかし同じ現象が彼らの上げている画像には写っているのです。それが特に大事件にもならず存在し続けている。それはもう、人口的に誰かがやっているに違いありません。

私は検索のキーワードを変え、現地で開催されているイベント等を調べ始めました。するとすぐ、大規模なアートイベントが開催されていること。そして、そのイベントで空へ向けてアート作品としてサーチライトを照らしている事が分かったのです。分かってしまえば「なぁんだ」という事実。まさに幽霊の正体見たり枯れ尾花だった訳ですが、補足的な言い訳をすると、どうやら雲に隠れて下が見えなかった事が神秘性を増してしまったのです。その作品、画像で見ると下側はハッキリ光の綺麗な屈折を織り込んだ柱のようになっており(色もグリーン)、ひと目でアート作品と分かるモノでしたとさ、ちゃんちゃん。

斯様にして大したオチではなかったこのエピソードですが、短い時間でも「遂にUFO見た?!」という気持ちにさせてくれたドキドキ感は映画を見てるような感じに近かったのかなぁ、と感じました。

さて、こういった体験はなかなか遭遇する事はできませんが、映画では手軽に体験する事ができます。そして現在は映画館へ行く事、レンタルビデオを借りる事以外でもより手軽に映画等の映像作品に触れる事ができる時代へとシフトチェンジしているようです。

そうそう。以前この連載でいろいろ書いた為、私は映画館が嫌いというイメージがついてしまったかも知れないのですが、それは誤解です。私はあくまで、映画館でマナーの悪い人を軽蔑し、騒ぐ人を憎悪しているだけで、そういった輩の存在しない映画館は愛してやまないのです。

時々、1700円出して映画を観るのは高い、という話を聞きますが、私はその価格設定には納得しています。映画とは本来、特別な体験を共有でき、心に何らかの動きを与えるものであったはずです。そういうものに価格は付けられない。1700円だったら1700円で良いんです。

そうは言っても、1700円出してこれ? という作品が無いわけではないんですよね。それは良くわかります。でもそれはひとつの作品の価格であって、映画全体の価格ではない。良くない作品にあたって1700円損した、という気持ちがそのまま映画館で観る事への弊害になるのは非常に残念な事です。

映画館で見る映画は、特別なものと僕は思ってますよ。

話がそれてしまいました。

映画館で見る映画はとても素晴らしいものですが、近年、アメリカ大手の映像ストリーミング配信事業会社であるNETFLIXが日本に参入してきた事で映像作品を観ることができる環境がガラリと変わってきました。

現在日本では主なものでAmazonプライムビデオ、NETFLIX、Huluが、日本の会社からもU-NEXTやDMMが映像を配信しています。それらは月額の契約や作品そのものを購入することで映像作品を視聴できるサービスです。

ここ1年で契約数は飛躍的に伸び、私の周囲でも実感として契約する人が増えている印象です。

私はNETFLIXがサービスを提供開始したのとほぼ同時に契約し、1年以上利用を続けています。同時期にAmazonプライムビデオも特に申し込んだ記憶はないのに、勝手にお金を引き落とされ契約しております。

本来こう言う連載では、対抗するHuluも契約してそれらの差や違いをお届けするものでしょうが、そんな予算もないですので、今回はそのうちの2つ、自分が知っている範囲のNETFLIXとAmazonプライムビデオについてお話させていただきますね。

この1年、TVを含めた映像作品を見る機会は確実に増えたと思います。ですが明らかにTVを見る時間は減りました。その時間がそのままNETFLIXやAmazonプライムビデオを見る時間になってしまったと言っても過言ではないでしょう。むしろ、私はFireというAmazonが出しているタブレットで視聴しているという事もあり、より細かい時間、空いた時間でも視聴できるようになったので気がついたらNETFLIXばっかり見ていた、という事態になっています。

何がそんなに良いのでしょう?

ながら視聴ならTVでもできたはず。できたはずですが、TVって基本的にTVのそばにいないとダメなんですよね。パソコンのある部屋で文章を書く仕事をしたい、TVは近くにありません。ガンプラを作りたいんだけど、テーブルをTVの前に持っていくのが面倒だからスマホの音楽でいいか、とか、そういう細かい理由でTVをあきらめる事って割とあると思うのですが、タブレットの場合だとどこへでも持ち運べます。数時間の作業であればバッテリーが切れる心配もありません。そしてTVの場合、リアルタイム視聴をする場合、途中で止めることができません。最近は録画しながら少し遅く追いかけて観始め、CMを飛ばしながら観る、なんて方もいるようですが、気軽に見たいはずのTVがどうも気軽じゃなくなってしまってる気がします。

その点ネットの動画視聴の場合、見たところで停止すれば、次回またそこから見始めることができる。本当の意味で短い時間の視聴が可能なのです。

これがとても自分のライフスタイルに合っていたのです。

そういう事もあってすっかり動画配信の虜になった私ですが、そもそも勿論観れる番組が詰まらなかったら解約してしまっていたと思います。

最初の頃は観たかった海外ドラマ『ブレーキング・バッド』や『ウォーキング・デッド』の続きを視聴するだけのサービスで、それこそそれで満足はしていたのですが、ややもすると観たいドラマもなくなってきて、しばらく遠ざかる時期がありました。

特にAmazonプライムビデオはNETFLIXがあったので契約するつもりもなく、『ウォーキング・デッド』の前日譚である『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』を観た後は封印状態で、解約待ったなしだったのですが、『仮面ライダーアマゾンズ』という大人向けに設定されたオリジナルの新作仮面ライダーの登場から様子が変わってきました。

この作品についてはいつか『えいがかんそうぶん』の中で書ければ良いなと思っていますが(シーズン2の終わり方には目を瞑るとして、それだけ傑作だったのです)、この作品は私をAmazonプライムビデオに引き戻すのに十分なクオリティを持った作品でした。

地上波では決して描けないストーリー、おそらくTVよりも潤沢な予算から作られているであろう映像。観たいものが観れる悦び!

この頃からAmazonプライムビデオでは日本向けのコンテンツが徐々に増えていきます。日本では仮面ライダーと双璧をなす『ウルトラマン』も『ウルトラマンオーブ』の新作『THE ORIGIN SAGA』が制作され、さらに日本初の新作バラエティ番組も次々スタート。

松本人志さんがホストを務める『ドキュメンタル』は、ルールを含めて地上波では実現できない実験的な裏・或いは真の笑ってはいけないシリーズとして現在シーズン3が配信中。 その他にもAmazonのコンセプトがそのまま具現化したような今田耕司さんと東野幸治さんの司会による『カリギュラ』は、地上波ではコンプライアンス的に無理、バカバカしすぎる企画だけを集めて実際に試すという内容で、東野氏が嬉々として猟銃を持つハンターに着いていき鹿を狩り捌く様をお送りするという、図らずも現在地上波で話題になっている『陸海空 こんな時間に地球制服するなんて」』とリンクする内容をいち早く発信するなど、当たり外れは大きいものの刺激的な内容のコンテンツを送り出している。

他にも『千原○ニアの○○-1グランプリ』は、出演者全員を伏字で表現するなどして(そこもまたネタとなっている)、やはりこちらも地上波ではできないスリリングな企画に挑戦している。 これらの中でも私が今イチオシなのは『野性爆弾のザ・ワールドチャネリング』。野性爆弾の二人が自由にロケへ出るのを見守るスタイルの番組だが、突如後半くっきー氏演出のドラマ『ソドム男爵とゴモラ人間』が入るなど目が離せない内容だが、惜しいのは初回だけならまだしもOPが野性爆弾の二人を他の芸人が褒めるという内容で、彼らとしてもああいうのを何度も流されるのは本意ではないのじゃないかと思うので、変えていただきたいところ。もう途中まで観た人達は彼らの才能については十分分かっているのだから。

って、いつの間にかですます調からである調になってしまいました。つい語りたい事を書いて興奮してしまったようです。申し訳ありません。

完全に地上波では見れない、というキーワードを軸に日本向けのコンテンツを作り始めたAmazonジャパン。

対してNETFLIXは日本じゃ見れない、というアメリカンな海外向けのオリジナルバラエティを日本でも観ることができます。特にオススメなのがスタンダップコメディで、これは馴染みがない日本人には見方が良く分からないかも知れないのだけど、漫談に近いスタイルでコメディアンが客前、マイク一本でジョークを飛ばす。過激なネタが受けているらしく、またある程度のアメリカの事情を知らないと楽しめない部分もあるにはあるのだけど、逆に言えば彼らが口にしているジョークは、現代アメリカが抱えている問題でもあったりして「ああ、こういう事に今アメリカの人たちは関心があるんだな」とコメディであるのに逆に勉強になってしまったり、なんて事もなきにしもあらずなのです。

特撮物にコメディも好きだけど、やはり一番NETFLIXの特徴となるのは、オリジナルのドラマや映画でしょうか。

日本のサービス開始当初からMARVELとタッグを組んで作り続けてきた『デアデビル』から始まり『ジェシカ・ジョーンズ』、『ルーク・ケイジ(渋い傑作!)』、『アイアン・フィスト』という異なる能力を持つヒーローたちは、ちょうどこの原稿が公開される直後に『ザ・ディフェンダーズ』として一つの作品へ集結します。

これは今私が最も楽しみな作品の一つで、直前の『アイアン・フィスト』シーズン1が彼の活躍が案外こじんまりとして強さが分からず期待外れだった身としては、より期待感を持ってしまうのです。

これがどういう事なのかというと、『アイアンマン』や『キャプテン・アメリカ』の映画が『アベンジャーズ』へと繋がっていったのをNETFLIXの中だけで、しかもそれぞれのヒーローをドラマという長尺で描き切るという贅沢さで実現しているという事になります。

これって凄くないですか?

もの凄い事がNETFLIXの中で行われてるんですよ!

最近ではMARVELのライバルDCコミックス(『バットマン』の方ね)の手がけるドラマ『アロー』と『フラッシュ(こちらもシーズン1は大傑作!)』に『ゴッサム』等も追加され、その手のドラマが好きな人にはありがたい限り。

印象としてAmazonプライムビデオは日本のTVの実情をよく研究し、我々が見たいと思えるものを突いてきている印象で、NETFLIXの方はあくまでもアメリカンながら良質な作品を提供しつつも、TV東京の番組をリアルタイムで配信するなど、図らずも地方勢にありがたいサービスを始めるなどして、それぞれ同時のサービスを日本に向けて提供しています。

これはもう、日本のTV番組では太刀打ちできないんじゃなかろうか? と思わざるを得ない状況がすぐそこまで来ているのです。Amazonプライムビデオに吉本興業が力を入れているのも、何だか将来を見据えての気もしますしね。

ドライバーの方々も例えば長距離の宿泊先などでwi-fi環境があればタブレットを持って行って出先で観ることができますので、映画を観るのが好きな方は導入を検討されるのも良いのかも知れません。もう未来は、すぐそこまで来ているのです!

そんな訳で、

こちらからは以上です。