皆さんは過去に運送会社の採用面接を受けたことがありますか? 何度も受けたことがある人もいれば、これから初めて面接に臨む人もいることでしょう。
運送会社がドライバーを採用する際、まず応募者に何を確認したいと考えているかご存じでしょうか。運送会社では通常の場合、先ず本人の過去の事故歴や違反歴および安全に対する意識の有無を確認したいのです。なぜならばトラックの運転は事故を起こしたときの影響が大きく、安心して乗務を任せられる人か否かを確認する必要があるからです。
面接時に通常質問する内容は概ね決まっていますので、以下に挙げた各質問項目については「多分聞かれるだろう」と考えて事前に回答の仕方を準備して臨むとよいでしょう。
①「過去の違反・事故歴を教えてください」
実際に相談を受けた事例ですが、あるドライバーが配偶者と不仲なため、家庭内に居場所がなく、日頃から「家に帰れない」と言っていました。
そのドライバーは自宅に帰らず毎晩ネットカフェで寝ているため、毎朝、出社時刻が異常に早く、帰庫時刻(事務所に戻る時刻)が極めて遅い傾向がありました。拘束時間が基準を超過するため、困った会社側から相談を
受けたものです。長労働時間の原因が待機時間等ではなく、家庭内の不仲にあった事例です。
②「過去の違反・事故歴を教えてください」
面接時に運転記録証明書の提出を依頼されることもあると思います。過去5年間の事故歴、違反歴の記録を見ながら、「同じ違反を繰り返していないか」「事故を起こしている場合はどのような状況下で起きた事故なのか」等について確認されるでしょう。会社は一回の事故の大きさよりも、同様の事故や違反を何度も繰り返していないかを重視しています。
もし質問された場合は正直に経緯を説明すれば結構です。
③「トラックドライバーの仕事で最も大事なことは何だと思いますか?」
この質問は主に安全意識の有無を確認していますので、質問された場合は「安全運転が最も大事だと思います」と即答するとよいでしょう。その他に「取引先への挨拶やマナーに特に気をつけたいと思います」などの回答でも結構です。
もし即答できない場合は仕事に対する責任感や意欲が欠けているとの印象を与えるかもしれません。
③「志望動機を教えてください」
特に未経験者が応募してきた場合、会社はどうしてトラックドライバーになりたいと思ったのかを確認したいので、必ず聞かれる内容です。
「前職でトラックに関連した仕事をしていたため」「以前からトラックの運転に関心があった」「労働条件が希望に合っていたから」など正直に回答すれば結構です。
④「以前勤務していた会社での仕事内容を聞かせてください」
この質問は運送会社での勤務経験の有無に関わらず、よく確認される内容です。ドライバー経験者には前職の運送会社で運んでいた貨物や乗務した車種や車格、作業内容等を聞かれると思います。未経験者の場合は前職の職種や職務内容等を確認されるでしょう。過去に勤務した仕事の内容を伝えれば結構です。
⑤「業務への希望はありますか」
この質問に対する回答は大事ですので、要望事項を事前に準備しておきましょう。例えば「腰痛があるので手積み作業は困難です」「子育て中なので早朝と夕方の時間帯は働けません」「家族の事情で深夜業務は難しいです」など希望条件を伝えておく必要があります。
遠慮して希望内容を伝えずに採用されると、入社後に早期離職の可能性が有りますので、希望条件は面接時にはっきりと伝えてください。
⑥「希望する賃金水準や労働条件はありますか」
この質問に対する回答も極めて大事です。賃金や休日等の労働条件は大変重要ですので、遠慮せずに希望を伝えましょう。もし会社が提示する労働条件が自分の希望と異なる場合は、よく事情を聞いたうえで入社の可否を判断することが必要です。
ドライバーの仕事は時間が不規則な場合が多く、賃金の支払い方(特に残業代等)も会社により異なりますので、労働条件をよく確認するようにしてください。
以上の質問内容と回答のポイントを押さえて、採用面接に臨まれるとよいでしょう!