ドライバー不足の原因はなんだ!今後の見通しと対策を真剣に考える!

物流を取り巻く現状として、ドライバー不足は危機的な状況にあります。我が国が抱えている問題は、深刻なドライバー不足により、この先さまざまな分野に重要な影響を及ぼすと予想されています。非常に厳しい現状を切り抜けるために、政府が中心となり物流業界の労働力不足対策に取り組んでいますが、果たしてこの対策が物流業界の未来を切り開く突破口となるのでしょうか。

この項目では、物流業界が抱えるトラック不足の現状や原因をはじめ、この先の見通しや対策について解説していきます。


問題はドライバーの人員不足だけではない!
高齢化がもたらす労働力不足!

トラックドライバー数は、2006年の92万人をピークに年々減少を続けており、2017年現在では80万人を切っています。さらに問題はドライバー人口が減少していることに限らず、高齢化が急速に進行していることで労働力不足も大きな問題となっています。

厚生労働省「資金構成基準総計調査」によると、トラックドライバーの2015年度年齢構成は普通・小型車で40歳~49歳20.8%、50歳以上21%、大型車で40歳~49歳40.3%、50歳以上38.6%と、トラックドライバーは40歳以上の割合が普通車で5割、大型車で7割、牽引車で7割強となっています。

さらに、29歳までの割合は普通・小型車で11.6%、大型車で3.2%と若年層のドライバーのなり手がかなり少なく、総計全体を2001年度と比較すると減少率は普通・小型車で5割以上、大型車においては約9割という結果が出ています。

ドライバー総人口の15%が60歳以上の高齢者となっており、今後さらに若手の人材不足と高齢化が加速することが見込まれていますが、日本は世界でも類を見ない超高齢社会といわれています。厚生労働省によれば、2050年には総人口の40%が65歳以上になる見通しであり、生産年齢人口は2010年と比べると約3,000万人減となる見通しであることが発表されています。

特に深刻とされているのが、ドライバー不足の大半を占める大型トラックのドライバーです。さらに、オリンピック需要に伴う都市部を中心とした急速なインフラ整備が進められ、各地で建設ラッシュが続いていますが、こちらでもインフラ整備に欠かせない建設関連の資材を運搬するドライバー不足が問題となっています。

国土交通省調べでは、全国で約60%の企業が、人手が不足していると感じているというデータが出ています。年々減少するドライバー不足に拍車をかける「2020年問題」では、トラックドライバー需要量が103万人と予想されていますが、10万人以上ものドライバーが不足することが予想されています。


ドライバー不足には決まりきった原因がある!

ドライバー不足の原因には、トラックドライバーのイメージが決して良いとは言えないことや、若者の車離れ、運転免許制度の影響もありますが、問題はそれだけではありません。古くは、ドライバーは、「危険・汚い・きつい」の3K職場といわれてきた業種ではありましたが、きつい仕事ではあるが他の職業よりも賃金は高いという認識の時代もありました。しかし現在では、3Kに加えて、トラックドライバーは他の主要産業に比べて支給総額が低いというイメージが定着しつつあります。

平均給与額では全産業平均が36万円、これに対し運送業者は30万5,000円と、月額にして約5万円の差が出ます。さらに、年間賞与では全産業平均から50万円も下回り、年収では100万円以上もの格差がついてしまいます。

ドライバー不足の原因は簡単に想像できると思います。実際に、ドライバーに聞いたアンケート調査でも、ドライバー不足の要因の上位に「資金が安い」「労働時間が長すぎる」などがあげられています。


国土交通省が掲げる労働力不足対策

トラック輸送は国内貨物輸送量の90%以上を担っています。国土交通省が発表する国内貨物輸送量は、1994年(1,900億トンキロ超)から2011年(2,300憶トンキロ超)まで常に右肩上がり、かつ、急速に上昇しています。しかし、今後も2011年までのトレンドで上昇を続ければ、いずれドライバー不足により運べなくなる限界が来ると予想されています。

深刻化するドライバー不足を重く受けた国土交通省と厚生労働省は実効性のある対策が急務であると判断し、両省が連携して、トラックドライバーの人材確保と育成に向けて、人材確保の強化と更なるトラック輸送の効率化、モーダルシフト等さまざまな対策を講じています。

両省が力を入れているもののひとつには、女性の活躍を促進する「トラガール推進プロジェクト」があります。育児・子育てがしやすい両立支援等助成金や育児休業取得者の代替要員確保など、女性が働きやすい環境づくりにも力を入れており、この他にも「魅力ある職場づくり」と「人材確保・育成」の観点から今後もさまざまな試作が実施される予定です。


意識の高い企業は広報活動に力を入れている!

かつて稼げる職業であったトラックドライバーですが、現在では稼げない職業として特に若者には不人気な職業であることは言うまでもありません。このため、多くの会社や業者に「いくら募集してもドライバーが集まらない」といった問題が発生しています。米ボストンコンサルティンググループでは、日本のネット販売の普及により現在のドライバー数より15万人以上のドライバーが必要になり、2027年にトラック運転手が24万人不足するとの試算をまとめています。

トラック業界では、近い将来、今以上に深刻なドライバー不足に陥ることが懸念されていますが、ドライバー不足がもたらす脅威に強い意識を持つ企業の多くは、ネットをフル活用した広報活動に力を入れています。そして、広報部を設け率先した広報活動を行っている企業のなかには、採用活動を成功へと導いた企業も多く存在しています。

業界や政府からも急速な取り組みが求められている今、不況を感じない会社のアピールは重要なポイントです。まだ対策を講じていない会社、業者はドライバー不足対策として、意識の高い企業にのっとって逆境を乗り越えられる広報活動を今すぐに実践すべきです。