現在、トラックドライバーが不足しているという現状は恐らく周知の事実ではないかと思われます。
運送業界は本来私たちにとってなくてはならない存在ですが、実際になかなか若年層のドライバー取り込みができていません。
そこで、今回はトラックドライバーの不足における対策についてご紹介していきます。


なぜトラックドライバーが不足しているのか

では、そもそもどうしてここまでトラックドライバーが不足している現状となっているのでしょうか。
ネットの普及やコロナ禍もあって、近年はECサイトの利用が急増しています。
そのため、配達数も増大しているので仕事量は運送業界、物流業界も悲鳴をあげるほどの問題となっているのです。
しかし、それにもかかわらずもともと人手が足りないために、一人あたりの業務量も膨大になってしまっています。
これでは、ドライバーの志望者も少なくなることでしょう。
実際にトラックドライバーは、長距離運転を行うことから体力が必要な仕事だというイメージが非常に強いです。
大変なイメージがあることからあまり志望者が現れないことが考えられます。

ドライバーが高齢化している?

実はこのほかに、今後の課題としてドライバーになりたいと志望する求職者がいないために、高齢化が進んでいます。
2020年の総務省の労働力調査によると、道路貨物運送業に従事している方の44%と半数近くの方が40代から50代前半という結果が出ています。
しかも、若年層の29歳以下は10%にしか及ばず、60代以上が16%と若年層よりも割合が上回っている状況で、まさに高齢化は進んでいくばかりです。
実際の運送業などの現場でも、トラックドライバーの人手不足は実感されており、どうにかして不足を解消できる解決法がないかと思案されている企業も多いです。

低賃金も追い打ちをかける不足原因

トラックドライバーの給与相場は、残業代や休日手当も含めて、平均で32万4,000円ほどと言われています。
しかし、ほかの業界となると給与は高めで、電気ガス・水道業で45万2,000円、情報通信業40万7,000円などとなり、全業種の平均給与相場も33万4,000円と全業種の平均相場よりも少ない結果となっているのです。
トラックドライバーは、厚生労働省の賃金構造統計調査で残業時間が月に34時間、合計で210時間労働を課せられていることになっています。
しかし、他業種を含めた平均の労働時間は月13時間、合計で178時間となっておりトラックドライバーがどれだけの長時間労働を強いられているのかがおわかりになるでしょう。
つまり、他業種よりも膨大な労働時間で働きながらも他業種よりも安い給与で生活をしていることとなり、割に合わない仕事だという烙印が押されているのです。

トラックドライバー不足対策を講じよう

では、ここでトラックドライバーが不足を解消するにはどのような対策を講じたら良いのでしょうか。
やはり新規雇用者の引き込み、何よりも若年層ドライバーの引き込むことが重要です。
就職するからには長く働けるような安定を誰もが好み、若年層はその傾向が高いものです。
そのため、求人を行う際には魅力を感じるような条件を盛り込む必要があります。

労働条件の改善

できれば休日が取りやすいことや労働時間が過多にならないようなバランスの取れた労働条件下で働きたいと感じる方は多いでしょう。
そこで、働きやすいように労働時間を1日8時間以内に留められるようにすることやシフトを導入されることで仕事を分担することも可能です。

免許取得サポート

現在は普通自動車免許で運転できるトラックは小型などに限られています。
中型や大型免許を取得しやすいようにサポート体制を提供することも求職者に安心感を与えることができます。

教育体制を充実させることやチームで連携

トラックドライバーの質を高めることや定着率をアップさせるためにも常にスキルアップのための研修や教育を提供されることもおすすめです。
たとえば、未経験者でもスキルアップできるように教育を強化されたり、引き継ぎの後もドライバー間で連携できたり情報などを共有し合えるような雰囲気があると安心感があります。
ドライバーは個人でという感覚が大きいかもしれませんが、チームで成り立っていることを意識させる社風がトラックドライバー一人ひとりの負担を軽減することができるチャンスにもなりますので、社風を変える工夫も必要です。

求人票に会社の工夫を盛り込む

上記のような特徴を盛り込んだうえで、それを求人票やホームページでアピールすることで求職者からの注目を集めやすくなるでしょう。
どんどん業務改善、工夫されたことはPRしていくようにすると良いものです。

まとめ

いかがでしたか。
トラックドライバー不足は若年層の引き込みが大きなポイントとなります。
そのためには企業努力が必要で、会社の体制や労働面を見直してトラックドライバーにとって働きやすい職場に変えることが重要です。