運送業界は慢性的な人手不足の状態で、現場の負担が増しています。
慢性的なドライバー不足を解消するには、業界全体の努力が欠かせません。
ここでは運送業界が迎えている問題点、企業が行うべき課題、魅力的な企業づくりに大切なこと、などについて説明していきます。


運送業界が工夫するべき課題とは

運送業界では現在人手不足という致命的な問題を抱えています。
ではなぜ人手不足が起こっているのでしょうか。

なぜドライバー不足が起こっているのか

運送業界が人手不足を解消するには、なぜ人が集まらないのか原因を知ることが先決です。
そうしなければ求人募集において、的外れな対策をすることになりかねません。
仕事を求めている人は多いのに、運送業界に人が集まらないということは、そもそも多くの求職者が運送業界に魅力を感じていないためです。
また、興味よりも不安のほうが大きく、第一歩を踏み出せないと考えられます。
人手不足の具体的な解決法は、まずは運送業界のイメージを向上させることです。
仕事が多すぎて休む時間がない、時間に追われて常にイライラする、再配達が多くて非効率、といった問題点を解決していく必要があるでしょう。

人材が増えれば好循環が生まれる

なぜドライバー一人ひとりの負担が増えているかといえば、人材不足が顕著化しているからです。
将来的に運送業界の業務が減少するとは考えにくく、ネット通販のさらなる普及によってさらに多忙になると予測されています。
つまり、この問題を打破するためには、人材を増やすしかないわけです。
人材が増えれば増えるほど、ドライバー一人の業務は軽減し、肉体的にも精神的にも余裕を持って働けるようになるでしょう。

魅力ある業界に変えるための第一歩

先程も述べた通り、人材を増やして行くためには、魅力ある業界だということを前面に出していかなければなりません。
ただし、魅力ばかりを並べたとしても、結局不安な部分が大きく見えてしまうのも事実です。
そのため、まずは不安にならないように改善をしていきましょう。

給与を増やすことは企業がするべき努力

ドライバーの仕事に魅力を感じられないという人は、給料に不満を持っていることが多いです。
仕事をする最大の目的は収入を得ることですから、肝心の収入が少なければ割に合わないと感じてしまい、不平不満が生まれてしまうのです。
運送業界のイメージを根本から変えるためには、可能な限り賃金を上げていく企業努力が必要になります。
仕事内容に対して給与が見合っていると感じられれば、多少過酷な業務であっても不満は出にくいのです。
給与が高ければモチベーションが上がり、それが仕事の質の向上につながります。
逆に給与が低くて不満が生じると、いい加減な仕事をしてしまう人が少なからず出てきます。
業界全体の意識改革をするためには、企業側が従業員の給与を増やしていくことがポイントです。

女性ドライバーを増やすメリット

女性が活躍している業界に対して、多くの人はポジティブなイメージを抱きます。
ドライバーの仕事といえば、男性に特化したものだと長年考えられてきました。
当然ながらドライバーが男性ばかりとなれば、女性は業界に参入しにくくなるでしょう。
運送業界が人手不足を解消するには、女性を積極的に雇用していくことがポイントになります。
女性が増えてくれば、「ドライバーを目指していたけど、男性ばかりの業界なので応募できずにいた」という女性が応募してくれるようになるでしょう。
ドライバーの仕事は楽しいと世間一般に認識してもらえれば、20代の人材を呼び込むことにもつながります。
若い人材を増やしていくことは、業界の活性化のためにも欠かせないのです。

サポート制度を充実させる

不安をなくすうえで重要となるのがサポートです。
ではどのようにサポート体制を充実させれば良いのでしょうか。

初心者が働きやすい職場づくりを

誰しも初めて経験する仕事には、少なからず不安があるでしょう。
運送業界がドライバー不足の解決法として実践したいのは、サポート制度の充実です。
たとえば、教育体制が完備されていれば、初心者が気軽に応募できるはずです。
ほかにも、大型自動車の免許取得の補助、職場環境の改善、福利厚生の向上など、企業が導入したい解決法は数多くあります。
高賃金を設定するのが理想ですが、それが難しい企業はサポート制度の充実を図りましょう。
特に中小企業の場合、大手と給与で張り合うことは難しいため、それ以外の部分で区別化を図っていく必要があります。

自社を幅広く認知してもらうこと

どんなに企業努力を行っても、自社の存在が認識されないようでは人材は集まりません。
そこで、求人情報サイトに掲載する、SNSで自社の強みをアピールする、などの対策が必要になってきます。
これからの時代はITやAIを有効活用できる企業が生き残っていくでしょう。
「こんな職場で働きたい」と思ってもらうことが、応募者を増やすためのコツです。
大手企業に大勢の応募者が殺到するのは、知名度が高いことが大きいわけです。
自社の知名度が上がれば口コミ効果が高まり、より人材集めに拍車がかかります。

まとめ

人材を集めるためには業界の魅力度を高め、応募者を増やすことが大切です。
そのためには、自社の問題点、人手不足の原因などを把握し、対策をしていく必要があるでしょう。
運送業界のイメージアップを図るためには、給与をアップさせる、女性ドライバーを積極雇用する、サポート制度を完備する、などの対策も効果的です。
また、自社の認知度を高めることも応募者を増やす解決策になります。