トラック運転手になる際に「普通免許でどこまで運転できるか」という点が気になる方、多いと思います。普通免許のルールも少しずつ変化していて、正しい知識を入れておくことが大切です。今回は普通免許で4トントラックに乗れるかどうか、詳細を解説していきます。
<目次>
- 普通免許でも取得年によって運転できる車種が異なる
- 取得年度によって運転できるトラックが異なる理由
- 4トントラックを運転できる条件
- 車両総重量8トン未満
- 最大積載量5トン未満
- 車両総重量5トン未満
- 最大積載量3トン未満
- 車両総重量3.5トン未満
- 最大積載量2トン未満
- 普通免許、大型特殊免許を取得して通算2年以上(免許停止期間の除く)
- 満20歳以上
- 視力が両眼0.8以上、片眼0.5以上(眼鏡、コンタクトレンズ使用可能)
- 交通信号機の色の識別ができる
- 10mの距離で90dbの警音器の音が聞こえる
- ① 自動車教習所に通った後、運転免許試験場で試験を受験
- ② 自動車教習所へ通わずに、直接運転免許試験場で試験を受験
普通免許でも取得年によって
運転できる車種が異なる
まず普通免許を取得した年によって運転できるトラックの車種が変わってきます。
平成19年6月1日までに普通免許を取得した場合は、
のトラックを運転することができます。上記の年までに普通免許を取得した方の運転免許証には「中型」という記載があるはずです。「中型」の記載があれば普通免許で4トントラックを運転することが可能になります。したがって、運送業者でトラックドライバーとして働く場合、普通免許を持っているだけで中型サイズのトラックを扱えることになります。
平成19年6月2日から平成29年3月11日までに普通免許を取得した場合は、
のトラックを運転することができます。上記期間で免許を取得すると免許証に「準中型」の表記がなされます。準中型となると3トン未満のトラックになってしまうため、4トントラックの運転はできなくなります。
平成29年3月12日以降に免許を取得した場合は、
のトラックしか運転できません。2トン未満のトラックとなると運送業で使うにはサイズが小さいトラックとなってしまいます。
以上の点を踏まえると、平成19年6月2日以降に普通免許を取得した方は4トントラックを運転するのに別途免許を取得する必要があります。
取得年度によって
運転できるトラックが異なる理由
普通免許の取得年度によって運転できるトラックの種類が異なる理由は「新しい免許区分の設立」です。平成19年度まで自動車普通免許証の種類は「普通免許」と「大型免許」の2種類しかありませんでした。それが平成19年になると「中型免許」という新しい区分が作られます。これにより、それまで普通免許で運転できていた中型トラックを運転するのに新たに免許が必要になりました。さらに平成29年度になると「準中型免許」の区分が新たに設けられます。これにより従来の普通免許で運転できていた小型トラックの運転にも免許取得が必要になってきます。
※ 中型トラック 4トントラック、
小型トラック 2~3トントラック
を指します。
基本的に新たに作られたルール(法律)は遡って適用されることはないので、新たな免許区分が出現しても過去に取得した普通免許の区分が適用されます。
4トントラックを
運転できる条件
4トントラックを運転する条件は保有している普通免許の取得年月日によって異なってきます。それぞれ詳細を確認していきましょう。
普通免許を平成19年6月1日以前に取得した人
普通免許を平成19年度以前に取得した人は、普通免許のみで4トントラックを運転することが可能です。4トントラックを運転するために新たに免許を取得する必要はありません。もちろん4トントラックを運転するには相応の技術が必要になってくるので、免許をもっているだけで仕事ができる訳ではありません。運転技術を磨く姿勢は常に求められます。
普通免許を平成19年6月2日~
平成29年3月11日に取得した人
普通免許を平成19年6月2日~平成29年3月11日に取得した人は、普通免許で3トン未満までのトラックしか運転できません。したがって4トントラックを運転するには中型免許の取得が必要になります。
中型免許取得の条件は以下の通りです。
これらの条件を踏まえた上で、下記の2パターンのうち1つを選択して中型免許を取得します。
ただ、教習所を経ずに試験を受ける場合、自分で路上練習の場所と車両を準備しなくてはなりません。これらを準備するのは手間と費用がかかるので、教習所へ通って試験を受けた方がトータルのコストパフォーマンスは高いです。教習所へ継続して通うのが難しい人は、免許合宿で短期集中で取得するのがおすすめですよ。
平成29年3月12日以降に
免許を取得した人
平成29年3月12日以降に普通免許を取得した人は、2トン未満のトラックしか運転できません。したがって4トントラックを運転するには中型免許の取得が必要になります。2トン未満のトラックは運送業で多用されるサイズではないので、本格的にドライバーとして働きたい場合は、中型免許は必須となります。