運送業に限った話ではありませんが、人手が足りないと顧客のニーズに満足に答えられません。
求人の方法は数多くありますが、「求人サイト」を利用するという方法がおすすめです。
そこで、運送業の求人にベストマッチする求人サイトについて解説します。


<目次>

  1. 有効求人倍率について
  2. 求人サイト掲載のメリット
  3. 求人サイト掲載のデメリット
  4. 求人サイトを選ぶポイント
  5. 運送業者におすすめの求人サイト5社を紹介

有効求人倍率について

まず最初に、運送業が求人を行うにあたって考慮すべき「有効求人倍率」について解説します。

1-1.有効求人倍率とは?

「有効求人倍率」とは、求職者1人につき何社から求人が行われているかを示す数値です。

一般的には景気の良さを示す指標であり、有効求人倍率が大きいほど多くの企業が人手を欲している、つまり経済が活気づいているということになります。

しかし、求職者を募集する企業側からすれば、有効求人倍率の大きさは「採用競争の激しさ」を示すことになるのです。

例えば「有効求人倍率が1.0倍の業種」の場合と「有効求人倍率が4.0倍の業種」の場合、後者の方が求職者1人あたりの求人数が多いので、相当な売り手市場になっていることを示します。

有効求人倍率が高い業種ほど求職者にとっては選択肢が多くなりますので、自社を就職先に選んでもらうためには積極的な採用戦略が必要になるのです。

1-2.運送業の有効求人倍率

では、運送業の有効求人倍率についてはどうなっているのでしょうか?

厚生労働省の「職業別一般職業紹介状況[実数](常用(含パート))」によると、令和2年1月時点の全体の有効求人倍率が1.44倍であるのに対して、運送業(輸送・機械運転の職業)の有効求人倍率は2.64倍(「自動車運転の職業」に限定すると3.14倍)となっています。

全体の有効求人倍率が1を超えているため求人全体で売り手市場である上に、運送業についてはその2倍ほどの有効求人倍率となっているのです。

求職者1人に対して2~3社で取り合うような状況ですから、自社の人材を確保するためには積極的かつ効果的な採用戦略を実施する必要があります。


2.求人サイト掲載のメリット

求人方法の1つとして「求人サイトに求人情報を掲載する」という方法がありますが、求人サイトを活用した採用活動には3つのメリットがあります。

2-1.多くの求職者にアピールできる

求人サイトを活用することにより「多くの求職者にアピールできる」というメリットがあります。

昨今、スマホを中心としてインターネットを活用した情報収集が一般的となりました。

求職活動においてもインターネットを利用する人は多く、求人サイトに掲載することでその層の求職者に自社の求人について知ってもらうことができます。

むしろ現代において、インターネットを活用しない採用活動は時代遅れであるといえるでしょう。

2-2.欲しい人材にターゲッティングできる

2つ目のメリットは「欲しい人材にターゲッティングできる」ことです。

求人サイトには応募条件を掲載することができ、自社が求める人材に必要なスキルや知識を備えた人材にターゲットを絞って求人できます。

また、求人サイトによっては「スカウトメール機能」などの積極的な採用活動につながる機能を利用できる場合もあるのです。

欲しい人材に絞って採用活動が行えることで「採用のミスマッチ」などのトラブルを防ぎ、効率よく採用活動を進めることができます。

2-3.採用コストを抑えられる

3つ目のメリットは「採用コストを抑えられる」ことです。

採用コストとは採用活動において必要な経費のことであり、経費削減のためには採用コストの削減についても検討する必要があります。

求人サイトに求人情報を掲載するのにも費用は必要ですが、人材紹介会社を利用する場合と比較すると安い金額で済むケースが多いです。

また、「成果報酬型」ではなく「掲載費用のみかかる場合」であれば、求人サイトを通して採用する人数が多いほど採用コスト単価(採用1人あたりの採用コスト)を削減できます。


3.求人サイト掲載のデメリット

採用活動においてさまざまなメリットがある求人サイトの利用ですが、デメリットがあることについても考慮する必要があります。

3-1.利用している企業が多い=求職者にとって選択肢が多い

求人サイトは、ネットの普及が浸透している現代において必須ともいえる求人方法ですから、当然ながら求人サイトで採用活動を実施する企業は多いです。

求職者にとっては選択肢が多く利便性が良いというメリットがありますが、求人する側からすれば「自社に注目してもらうことが難しくなる」ということになります。

前述の通り運送業の有効求人倍率は平均の2倍ほどの高さになっていますので、求人数に対して求職者数はそこまで多くありません。

特に「無料掲載できる求人サイト」は掲載側(企業側)のハードルも低いため利用企業が多く、多くのライバル企業と求職者を取り合う構図になってしまいます。

3-2.求人広告を見る求職者が限定される

求人サイトに掲載することで「ターゲッティングできる」というメリットがありますが、これは同時にデメリットにもなり得ます。

求職者は、求人サイトの機能を利用することで閲覧する求人広告を絞ることができるのです。

つまり、求職者は希望する条件を満たした求人広告のみ見るため、少しでも条件から外れてしまうと自社の求人広告を見てもらえる機会が減ってしまいます。

場合によっては希望条件から外れた求人広告でも条件次第で心変わりすることもありますが、そもそも見てもらえる機会が減ってしまうことでそのチャンスを逃してしまうのです。

3-3.費用対効果に不満を感じる可能性もある

求人サイトには「掲載料」を支払うことになりますが、その費用対効果が十分ではないケースもあるのです。

求人サイトの費用対効果は、支払った費用に対してどれだけ多くの募集が集まったか、また、その中から希望する人材をどれだけ採用できたかによって異なります。

例えば100万円を支払って「1人だけ応募があった場合」と「10人から応募があった場合」だと、後者の方が圧倒的に費用対効果が高いです。

求人サイトに掲載する際の費用対効果は、求人サイトの選び方にも影響されます。


4.求人サイトを選ぶポイント

次に、運送業で求人掲載すべき求人サイトの選び方について解説します。

4-1.運送業に特化した求人サイトである

1つ目のポイントは「運送業に特化している」ことです。

運送業に就職したい求職者は、「全ての業種が掲載されている求人サイト」も閲覧しますが、「運送業に特化した求人サイト」にも注目します。

ネットで検索する際も「運送業_求人」や「ドライバー_採用」などで検索することも多いため、その際に検索結果の上位に表示される求人サイトは強みがあるのです。

また、特定の業種向けの求人サイトには、その業種の特徴を反映させた機能が搭載されていることもあります。

例えば「大型トラック」「ルート配送」「長距離」などの条件で求人情報を検索できることにより、求人情報を探しやすいだけでなく採用のミスマッチを防ぐ利便性があります。

4-2.掲載側にとって機能豊富な求人サイトである

2つ目のポイントは「掲載側にとって機能豊富である」ことです。

例えば「スカウトメールが利用できる」「掲載できる情報量が多い」など、積極的な採用活動を実現したい場合には求人サイトで利用できる機能が豊富で利便性が高いことが重要になります。

掲載側にとって求人サイトの利便性が高いことは、質の良い採用活動につながり、採用コストの費用対効果を高める効果が期待できるのです。

4-3.求職側にとって機能豊富な求人サイトである

求人サイトには求人情報を検索したい求職者側が利用できる機能も多く、例えば「条件検索」「会員登録機能」などがある求人サイトは求職側にとって利便性が高くなります。

求職側にとって利便性が高い求人サイトは利用者数が多く、多くの求職者に自社の求人情報を見てもらえるチャンスが増えるのです。

つまり、求人サイトを選ぶ際には「掲載側にとって利便性が高い」だけでなく「求職者にとっても利便性が高い」ことが求められます。

4-4.名前の知れた大手求人サイトである

4つ目のポイントは「名前の知れた大手である」ことです。

求職者は求人サイトを選ぶ際に「CMで何度も聞くような有名な求人サイト」と「名前を聞いたことがない求人サイト」だと、前者の方が安心して利用できます。

当然ながらそのほうが利用者数が多いため、自社の求人広告を見てもらえる機会も多くなるのです。

もちろん、あまり名前の知られていない求人サイトでも求人における利便性が高く将来性が見込まれるのであれば選択肢に含めても良いでしょうが、求人掲載に割ける費用は限られますから、利用者数の多い求人サイトを優先したいところです。

4-5.求人数の多い求人サイトである

5つ目のポイントは「求人数(求人情報の掲載数)が多い」ことです。

これはデメリットの項目でも触れていることではあるのですが、求人サイトの選び方の基本的なポイントは「多くの求職者が利用する求人サイトである」ことであり、要するに求職者がどんな求人サイトを選ぶのかということが重要になります。

求職者は求人サイトを探すにあたって「利便性の高い求人サイト」を選ぶ傾向があるのです。

会員登録やサイト閲覧、情報選定における利便性を考慮すると、求人サイトの利用サイト数はある程度限定されます。

限定する上で重視するのは「少しでも利便性の高い求人サイトである」ことであり、利便性には機能面だけでなく「どれだけ多くの求人数が掲載されているか」も問われるのです。

前述の通り掲載数が多いということはライバル企業が多く自社の求人情報が埋もれてしまうリスクもありますが、掲載する情報を洗練するなどの工夫で他社に負けない努力をすることが必要でしょう。


5.運送業者におすすめの求人サイト
5社を紹介

運送業者におすすめの求人サイトを5社ピックアップし、それぞれを5点満点で評価したうえでおすすめポイントと注意点について解説します。

5-1.ドラEVER

5点満点中/5.0点

おすすめポイント
  • ドライバー専門の求人サイト
  • 求職者が検索しやすい機能が豊富
  • 直接スカウトできる「スカウトサービス」機能搭載
  • 掲載費用は月額2万円~、月額4500円~の「ライトプラン」も
注意点
  • エリアによって求人数に偏りがある
  • ライトプランは利用できるエリアが限定される
  • 応募が少ない例もある

求人サイトの中では比較的珍しい「ドライバー専門」の求人サイトです。

ドライバーにターゲットを絞って求人できることや、大手求人サイトと比較して大幅に安い掲載費用で利用できる点が大きなメリットとなります。

スカウトサービス機能が搭載されているため、条件に合った求職者にターゲットを絞って積極的な採用活動を進められるのも魅力です。

5-2.ノルワークス

5点満点中/4.8点

おすすめポイント
  • ドライバーに特化した求人サイト
  • 求職者が検索しやすい機能が豊富
  • 求職者からの評判が良い
注意点
  • 営業職の求人はできない
  • エリアによって求人数に偏りがある
  • 運営会社の社歴が比較的浅い

同じくドライバー専門の求人サイトです。

求職者が求人を検索しやすい機能が豊富であり、評判が良い求人サイトとなっています。

エリアによって求人数の比率が大きく異なるため、拠点があるエリアによっては求職者の集まり方に隔たりが生じる可能性があります。

5-3.ドラピタ

5点満点中/4.6点

おすすめポイント
  • ドライバー専門の求人サイト
  • 詳しい掲載内容は求職者にとってメリットになる
  • ドライバー向け転職情報コラム「コラピタ」を併設
注意点
  • 東海や関西など特定のエリアを除いて求人数が極端に少ない
  • コンテンツが少ない
  • サイトのレイアウトがシンプル過ぎる?

ドライバー求人を専門に取り扱うサイトであり、愛知県発祥の求人サイトという特徴も持っています。

そのため、東海を中心としたエリアの求人数は多いのですが、中四国九州や北日本方面の求人は少ないです。

この特徴を知っている求職者で、求人の少ないエリアでの勤務を希望している場合だと、ドラピタを選択肢に含めない可能性があります。

5-4.タウンワーク

5点満点中/4.5点

おすすめポイント
  • 日本最大級の求人サイト
  • 検索機能が比較的シンプルで使いやすいと評判
  • コンテンツが豊富
  • 2種類の掲載プランがある
注意点
  • 運送業特化の求人サイトではない
  • 豊富な求人数に埋もれてしまう可能性がある
  • 良い口コミも悪い口コミも多い

「求人情報といえばタウンワーク」と、求人情報媒体として幅広い世代に認知されている求人サイトです。

認知度の高さゆえに利用する求職者が多い一方で、掲載されている求人数が多いので自社の求人情報が埋もれてしまう可能性があります(2020年4月時点での掲載数90万件以上)

また、運送業者・トラックドライバー等に特化しているわけではないという点も気になります。

5-5.はたらいく

5点満点中/4.5点

おすすめポイント
  • 地元や地域に密着した求人サイト
  • 独特なサービス「らいくサービス」を搭載
  • 料金プランやオプションが豊富
注意点
  • 運送業特化の求人サイトではない
  • 質の良くない求人が混じっている
  • あまり評判が良くない

業界最大手の「リクルートグループ」が運営する求人サイトです。

大手企業が運営する求人サイトでありながら方針としては「地域密着型」であり、人柄を求職に活かす「らいくサービス」という特徴的な機能を備えています。

ただしネット上では良くない評判も多く、口コミを見た求職者はこの求人サイトを避ける可能性もあります。



6.総評

運送業は有効求人倍率が高く、企業間での人材獲得競争が激しい業界です。

しかし、ネット通販の利用拡大などで物流の重要性が叫ばれている今、必要な人材を確保することは重要であり、そのためには求人サイトを活用して採用活動を進めるのが有効な手段の1つとなります。

求人サイトもさまざまですが、ドライバーとして働きたい人はドライバー特化型の求人サイトを利用するケースが多いです。

もちろん、そうでない求人サイトにもメリットは多いので、それぞれの特徴を把握して求人情報を掲載する求人サイトを厳選しましょう。


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