求人票の記載で、最近徐々に制度としてなくなっているものがあります。それは退職金です。一昔前までは、会社が老後の生活に対し面倒を見るため、確定給付型、すなわち毎回毎回決まった金額を積み立ててくれていて、退職したらその積立金を社員に還元するというのが一般的でした。

しかし、今あらゆる会社の求人票には、退職金と記載されていないケースも増えてきましたが、ドライバー業界において、退職金事情というのはいったいどのようになっているのか、本編でご紹介をさせていただきたいと思います。


<目次>


退職金が充実しているのは一部のバス業界のみ!あとは充実しているとは言えない

結論からお伝えすると、ドライバー業界は高額の退職金をもらえるわけではありませんが、退職金を支払わない会社が多い中、しっかり退職金の制度を残している会社が多いです。

ただ、路線バス乗務員に関しては他のドライバー業と比較し別格で退職金をもらうことができます。なぜかといえば、路線バス乗務員の場合、公務員となるケースがあるため、そういう方においては充実した退職金がもらえるのです。

他の民間のバス会社、トラックドライバー、およびタクシードライバーにおいては一部充実している会社はありますが、そうでない会社であったとしても確実に退職金を設定されている会社が多いのです。


そもそも退職金はあまり考えないほうがいい!?転職市場の退職金信仰

よく20代~50代の方の求職者から退職金のない会社にはいきたくないという声を聞くことが多くあります。確かに退職した際にお金を貰えないというのは困るかもしれません。しかしながら、そもそも退職金は転職者にはそんなにもらえるものではありません。

東京都産業労働局などが実施したアンケート調査の結果によると、10年勤務の方が退職金で受け取れる金額というのは115万円程度しかなく、25年働いて自己都合で退職した際の受取金額が560万円程度、20年以上働き、定年退職した場合が1140万円程度となっています。

つまり、何をお伝えしたいのかというと、退職金は長期就労、定年退職というプロセスを経て初めて一定のお金を得られると考えましょう。逆に言えば短期で転職した場合には退職金があったとしても少額のお金しか受け取れないのです。退職金神話に捕らわれていると本当に大事なものを見失ってしまう可能性があります。

とはいえ、もらえるものはもらいたいというのも正直なところですね。


年金を受け取れるのは65歳から!60歳以上からのキャリアも重要

皆さんもご認識のとおりかもしれませんが、年金を受け取るためには65歳まで働かないと年収が大きく目減りします。再雇用制度で働く方はこの不満を常に持っていますが、他に採用してくれる会社があるわけではないので、止むを得ず安い賃金で働きます。

しかし、このドライバー業界、特にタクシードライバー業界というのはそういう年収の目減りと無縁です。なぜなら、歩合制で働くため、自分次第で年収アップが見込めるからです。最初から稼げるわけではありませんが、入社して1年は30万円の月収保証を行うなど、慣れてから歩合制に移行するタクシー会社が増えてきています。

つまり、最初のうちはサラリーマンとして年収を稼ぎながら、ある程度してからはプロフェッショナルとして歩合で稼いでいくことができます。そして、65歳以上になれば、一定年収以上稼いでしまうともらえる年金が少なくなってしまうため、年金をもらいながら年収を保つという働き方をすると良いのです。

もはや企業に自身のキャリアを任せる時代は終わりました。しかも年金がもらえなくなった今、60歳以上で安穏としていける時代ではありません。70歳まで働く時代はもう目の前に来ています。また、トラックドライバーにおいても60歳以上で採用する求人も非常にたくさんあります。少なくとも一般の社会人のように再雇用されるのかどうかでドキドキする必要がないのです。

確かにタクシードライバーもトラックドライバーの仕事も体力的に大変な仕事ですが、この仕事で60歳以上のキャリアを形成することで、退職金を気にせず長期的に収入を得ることのできるモデルが出来上がるといえるのです。


まとめ

ドライバー業界というのは高額の退職金をもらえる業界ではありませんが、退職金0という会社が近年増えている中、確実に退職金制度が残っている業界です。しかし、転職が盛んになった今、退職金というのは昔みたいにもらえる時代ではなくなりました。加えて、年金も年々もらえる年齢が後ろ倒しになっています。そんな中で 確実に退職金がもらえるというのは非常にありがたいことです。

そのため、国や会社に頼ってお金をもらうことを期待する時代ではなくなりました。70歳まで働く時代はもうすぐそこまでやってきています。とはいえ、そのように70歳まで働ける会社というのは多くはありません。ですので、70歳まで働けるキャリアを作っておくというほうがこれからの時代を生き抜くことができるのです。

そういった観点でドライバー業界というのは退職金をもらえることに加え、そのような長期的なキャリアを作ることのできるお仕事なのです。もし、ドライバー業界に興味をお持ちの方、もしくはもらえるものをもらいながら長くお金を稼ぎ国や会社に頼らない働き方を考えている方においては、このようなタクシードライバー、トラックドライバーといった業界で働いてみることを検討してみてはいかがでしょうか。


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