運送業や観光業などを営む企業がドライバーの定着率を上げるためには、具体的にどうすれば良いのでしょうか?
ドライバーたちにどんな制度があればその企業に定着するのかを聞いたところ、次のような結果がでました。ドライバーに人気の高い福利厚生制度のランキングについて、ご紹介していきたいと思います。


<目次>


1位:寮・社宅あり

ドライバーたちに聞いた福利厚生制度のランキング1位は、住宅に関する要望でした。企業に寮や社宅があれば働きやすいと答えたドライバーが、最も多かったのです。
長距離ドライバーや観光バスドライバーは、高速道路が空いている深夜や明け方に運転したり夜行バスを運行したりするため、仕事時間が不規則です。そのため、会社の近くに寮や社宅があれば、ドライバーたちの職場環境は改善するはずです。
寮や社宅を建てなくても会社や営業所の近くに借り上げのアパートを社員に提供することで、ドライバーたちは働きやすくなり会社への定着率が上がるでしょう。


2位:賞与

ドライバーの定着率を上げるためには、やはり賞与を設定するのが効果的です。夏と冬に二回の賞与を設定することで、ドライバーたちの仕事のやる気は劇的に上がるでしょう。
賞与の額に仕事内容の評価が反映されるようにすれば、ドライバーたちの仕事への意欲もアップし企業の売り上げも上がる可能性もあります。
従業員にも企業にも、どちらにとっても良い結果になるかもしれません。


3位:前払い制度

ドライバーからの要望として多く上がっているのが、給料の前払い制度の導入です。
毎月月締めや15日など決まった時期に給料が支払われる制度を取っている企業も多いと思います。しかし、今月はカードの支払いがつらい、生活費が足りない、急な冠婚葬祭が入ってお金がないなどという従業員のために、前払い制度があると良いでしょう。


4位:退職金

運送業や観光業を営む企業には、退職金制度がないというところが多いようです。人件費の高騰や親会社から利益が持って行かれてしまうため、どの企業も経営が悪化している傾向があります。また、ドライバーの転職率は高い傾向にあり、退職金制度が根付かない風潮もあります。これらのことより、ドライバー業界には退職金という制度があまりみられません。
そこで、退職金制度を導入すればドライバーの仕事への意欲向上につながり、その結果ドライバーの流出を防ぐことができるでしょう。


5位:昇給

やはり、ドライバーの仕事への意欲を向上させるためには、給料をアップさせるのが最も良い方法でしょう。
中には、ドライバーたちの仕事の成果を評価してすぐに給料に反映させることで、ドライバーの定着率をアップさせた企業もあります。


6位:交通費支給

ドライバー業界の中では、企業から交通費が支給されるケースはそう多くありません。
しかし、毎日自宅からマイカーなどで営業所に通う際に交通費が支給されないとなると、日々の生活に影響が出ます。
運輸業界の場合、住宅地や都市部から離れた辺鄙な場所に営業所を置くことも多く、ドライバーたちは毎日の通勤に時間がかかるため交通費もかかります。
ですから、交通費を支給すればドライバーたちの生活の質も向上し、社員の定着率もあがるのではないでしょうか。


7位:有給休暇

長時間にわたる勤務や深夜帯の勤務など、過酷な労働状況に置かれたドライバーたちにとって必要なのは、十分な有休休暇ではないでしょうか。
勤務は過酷であっても十分な有給休暇が与えられてリフレッシュすることができれば、ドライバーたちも仕事を頑張れるでしょう。
ところが、仕事はあっても人手が足りない運輸業界や観光業界では、ドライバーたちに十分な有給休暇を支給できていないのが現状です。そんな中で、有給休暇が取りやすい職場があれば、ドライバーたちは長く働きたいと考えるのではないでしょうか。


8位:資格取得制度

ドライバーたちにとって、大型車両や特殊車両の運転免許があるのと無いのとでは、仕事内容が大きく変わります。価値の高い免許を取得すればそれだけ稼げる仕事ができますから、早く上位の資格が欲しいと多くのドライバーが考えているはずです。
ところが、ドライバーたちには資格を取得する余裕がないのが現状です。過密スケジュールが組まれ深夜勤務や長時間勤務が強いられている中、資格を取得する余裕は全くありません。また、資格を取得するためにはまとまった費用が必要ですが、その費用を捻出できないドライバーもいます。
そこで、企業側が資格取得のための休暇を認め、さらに、費用も負担することで、ドライバーたちは資格を取得しやすくなります。そして、資格を取得させてくれた企業のために、長く働きたいと考えるのではないでしょうか。


まとめ

ドライバーたちが企業にどのような福利厚生制度を求めているのかを見てきました。内容を詳しく見ていくと、ドライバーが何を必要としているのか、どうすれば企業に定着してくれるのかがわかってきたのではないでしょうか。
自社のドライバーたちの声に耳を傾けてより良い職場環境を作っていくことが、ドライバーの定着率を上げるでしょう。


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