タクシー運転手の求人倍率は他の職業の2倍ほどあります。


出典:国土交通省

それだけタクシー業界が人手不足ということですので、タクシー運転手になりたいという人は引くてあまたとなります。

とはいえ、タクシー運転手にも適正というものがあり、タクシー会社としても、会社に損失しか与えないような人材を採用するわけにもいきません。

具体的には

・勤務態度が悪い方

・アルコール検査に引っかかりまくる方

・違反ばかりする方

・事故を頻繁に起こす方

などです。

そのため、何も準備しないで面接を受けると、良い人材とはみなされず落とされてしまう可能性があることは否定できません。

ここでは、タクシー運転手になるための面接で気をつけるべき点を見ていきましょう。


タクシー求人強化月間

前日までに必要な準備

この項目で説明することは、求人があることを知った時点から準備が始められる項目です。

当日になって焦ったり、後で後悔しないように、前もってひととおりの準備はしておきましょう。

タクシーは誰でもなれるだろうと甘く見ていると落とされることもあります。

特に本体と言われている大手4社

・大和自動車

・日本交通

・帝都自動車交通

・国際自動車

の本体の面接はグループ企業よりも難易度が高い傾向にあります。

企業調査
今の時代、多くのタクシー会社では自社ホームページを持っています。

働き方のモデルや、福利厚生といった情報をホームページに載せている場合が多いので目を通しておきましょう。

社風などは必ず見ておきましょう。

「タクシー会社はたくさんあるけど何でうちの会社を選んだの?」とほぼ間違いなく聞かれるでしょう。

また、ホームページを持っていない会社でも、インターネットで検索すれば会社の口コミ記事が出てきます。

これらの情報をもとに、他のタクシー会社と比べて入りたいかどうか、自分なりに軸を持って面接への応募を進めましょう。

また、ホームページに載っている情報をそのまま面接で質問してしまうと、事前に何も調べていないとみなされ、面接に落ちてしまう可能性があるので気をつけてください。

履歴書


面接が決まったら履歴書を作成します。

タクシー業界に限らず、どの業界を受ける場合もそうですが、職務経歴と志望動機はしっかりと書くようにしましょう。

特に短い就業年数で転職を繰り返している場合など、面接でつっこまれるのがこわいために職務経歴への記載をためらう場合もあるかもしれません。

確かに記載するとつっこまれる可能性は高いですが、記載しないと無職だったのかと思われますし、虚偽の記載をして面接で矛盾した回答や、しどろもどろな回答をしてしまう方が落ちる可能性は高まるでしょう。タクシー会社の側でも就業年数の短さだけで一律に落とすことはせず、面接でのやり取りを踏まえて採用を判断しますので、履歴書には正直なところを書くようにしましょう。

また、これもタクシー業界に限らないことですが、履歴書に貼る写真については以下の点に注意しましょう。

・原則スーツを着用

・真正面を向いた写真を使用

・撮影3ヶ月以内のものを使用

・サイズは40×30mm

・原則街角の自動撮影機で撮影

・自前で写真を用意する場合は、人に撮ってもらう

当日必要な準備

さて、面接当日です。用意した履歴書を持って、面接会場に向かいましょう。

服装


当日の服装ですが、スーツに革靴が基本です。ある程度髪型も整えていきましょう。

上記は他業種でも当然のことではありますが、特にタクシー業界の場合は接客業ですので、身だしなみに不備があると、面接でよほどの強い印象を与えられない限り最後まで悪い印象が拭えず、落ちてしまう可能性が高くなります。

あまり神経質になることはありませんが、スーツでない服で行ったり、しわしわの服装で行ったりするとまず落とされると考えた方がいいでしょう。

タクシーはサービス業ですので、あまり暗い印象を与えないようにしましょう。

余談ですが、面接にアロハシャツを着てきた方が強者も実際にいたそうです。

結果はもちろん不合格!

合格したいのであれば、スーツでいきましょう。

スーツを持っていない方はイオンやイトーヨーカドーで6000円くらいで上下のセットアップが購入できますので、購入しておきましょう。

面接に向かう


家を出る準備ができたらいよいよ面接会場へ向かいますが、ここで気をつけたいのが遅刻です。

ナビタイムや乗り換え案内などを見た感じでは時間内に着けそうな時間に家を出たとしても、実際は道に迷ったり、乗り継ぎ(電車の場合)や渋滞(車の場合)で時間を食って、結果的に遅刻してしまう可能性もあります。

そのため、遅くとも面接会場に15分前には着くくらいの頃合いで家を出るようにしましょう。

逆に早く着きすぎた場合は入口付近で待つか、近くを散策してまわればいいだけです。これからあなたが何度も通うことになるかもしれないところなのですから、周辺環境を知っておくのは悪いことではないでしょう。

また、万一道に迷ってしまった場合のため、面接担当者の電話番号は必ず控えておきましょう。

当たり前ですが、遅刻しそうな場合はすぐに担当者に一報入れるようにしましょう。

面接での注意点

無事面接会場にたどり着けたら、いよいよ面接です。ここでは面接で聞かれることが多い質問と、質問への対応について解説します。

動機


志望動機ですが、まず「今の会社が嫌だから」というネガティブな表現はNGです。あなたが考えるタクシー運転手という職業の魅力を、ポジティブな表現で語るようにしましょう。

例えば、単に「稼げるタクシー運転手という仕事で働きたい」と言ったのではイメージは良くありませんが、「歩合制という、がんばればがんばっただけ報われる給与体系で、自分の力を試してみたい」と言うと、印象が変わってこないでしょうか。言っていることは同じなのですが。

先ほどの「今の会社が嫌だから」という理由でさえ、「もっとチャレンジできる環境に自分を置きたかった」とすると印象が違いますね。

とにかくあなたがタクシー運転手になりたい理由を掘り下げて、歯切れ良く表現しましょう。

職歴・離職理由


ここでつっこまれて困るのはやはり、短期間で様々な職業を転々としている場合です。

とはいえ、様々な業界で働き、それぞれの業界でそれなりの結果を残せている場合は、悪い印象はないでしょう。

また、働く地域が異なる場合も理由づけは難しくないはずです。

一番問題なのは、同業他社を短期間で何社も渡り歩いている場合です。タクシー以外の業界であればまだ拾う神もいるかもしれませんが、タクシー運転手を渡り歩いている場合はかなり厳しいと思った方がいいでしょう。

「こいつは入社祝金が目当てなのか?」と思われるからです。

運転歴


タクシー運転手は、いくら接客がうまくても、運転がうまくないとやっていけない職業です。そのため、大きな事故歴や違反歴があると、それだけで落とされてしまう可能性があります。

ただ正直、聞いただけで落とされてしまうような運転歴なのであれば、そもそもタクシー運転手への適正がないように思いますので、ここでウソをついて採用されたとして、後で自分が苦しむだけです。自分の運転の技術は正直に語るようにしましょう。

また、いわゆるペーパードライバーの場合ですが、20代〜30代くらいであればポテンシャル採用の可能性がありますが、年齢が上がるごとに採用されない場合がでてきます。

「ペーパードライバーでもタクシーをやれますか?」

と質問を受けることがありますが、ペーパードライバーでも研修や日々車を運転するので運転技術は向上していくので全く問題ないと言えます。

運転歴よりも違反歴の方が重視してみられるので、免許書は可能な限り綺麗な状態が好ましいです。

ただ、違反歴があっても不採用というわけではないので安心してください。

病歴・飲酒習慣


病歴についても運転歴同様、業務に支障が出るようなものがあるかを聞かれています。「自分は問題なく運転できる」という自覚があれば、堂々と答えましょう。

また、タクシー運転手のアルコール検査は一般の場合よりかなり厳しいため、勤務前日に節制できない人だとまともに勤務できず、稼げない可能性があります。

これも正直に答えて落とされるなら適性がないということですので、正直に答えましょう。

逆質問


面接でよくあるのが、面接官に「何か聞きたいことはありますか?」と逆に質問を求められる場合です。

この時にしておくといい質問が、会社に対する興味があらわれた質問です。

例えば「御社で働くにあたって最も重要な信念は何ですか?」「入社までに身につけておくと役に立つことは何ですか?」などです。

また、あまり聞きすぎると印象が悪くなってしまうので注意が必要ですが、ある程度は待遇面の質問もしてもいいでしょう。

面接は会社側が一方的に選ぶものと勘違いされがちですが、実は働き手側にも選ぶ権利はあるのです。そのため、基本的な給与体系は、他社と比較できる程度までは聞いておいた方がいいです。特にAB型とよばれる給与体系は、本当に会社によって違うので…

尚、会社についての質問だからといって、「御社は創業何年ですか?」などの少し調べれば分かるような質問をすると逆効果なので気をつけましょう。


まとめ

タクシー運転手になりたい人の面接対策をみてきました。

いろいろ書きましたが、一般企業の面接に臨む場合にも通用することばかりです。

端的に言うと、社会人としてやっていけて、運転ができるのであれば、合格できる可能性は高いです。

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