あらゆる職業について言えることですが、
タクシー運転手という職業にもメリット・デメリットがあります。
ここでは、タクシー運転手の魅力と大変な部分について見ていきましょう。
<目次>
タクシー運転手の魅力について
まず、タクシー運転手という職業の魅力を見ていきます。
様々な人との出会い
2018年のデータでは、タクシーの輸送人員は約14億人となっています。
これを30万人のタクシー運転手が担当したということになりますから、 1人あたり年間5,000人弱くらいの人を乗せていることになります。
平均1回の乗務で30〜40人くらい乗せるので 35人×12出番×1年で5040人という計算が成り立つので 5000人弱というのは間違っていないでしょう。
その中には短距離で利用するお客や、無愛想なお客さんと様々です。
ここまで多様な人と話す機会がある職業はそうはありません。
コールセンタースタッフなど、 決まった話を5,000人とする職業はあるかもしれませんが、 話の引き出し方次第で5,000通りもの話が聞けるのはタクシー運転手くらいのものでしょう。
また、話のうまい運転手は人気があり 指名客の獲得やお客さんから興味深い話などを聞くこともできるでしょう。
実際に私が住んでいる所の区長さんを乗せてお話ししたこともあります。
また、確率は低いものの、人生を変えるような出会いがある可能性も否めません。
有名人を乗せて会話することもある
年に5,000人もの人を乗せていると、 中には有名人を乗せることもあるでしょう。
特に、都市部のタクシー運転手は客数も多く、 場所柄有名人を乗せる確率も高くなります。
しかしせっかく有名人を乗せても、 その人が有名人であることを運転手が気づかないと何のメリットにもなりませんので、 普段からいろいろなジャンルに興味を持ち、アンテナは広くしておきましょう。
ちなみに、私は今までに4回有名人を乗せたことがあります。
地理や土地に詳しくなる
様々なお客さんを乗せるということは、目的地も様々です。
いろいろな土地に、その時その時に一番適した行き方で進行する必要があるので 道に詳しくなりますし、どこの場所に何があるということも分かるようになります。
また時々、お客さん側でルートを指定してくる場合があり、 裏道などにも詳しくなれる機会も出てきます。
このように、タクシー運転手は道や土地勘に詳しくなる機会に恵まれています。
美味しいお店の情報をゲットできる
上記の「土地勘」を、もう少し掘り下げてみましょう。
最も身近なものとしては、飲食店があります。
本場で修行した腕をふるった料理を提供するお店から、 各地の名産を使って調理をするお店、 地元の人々に愛されるお店まで、 全国各地には、地域の特色がある様々なお店があります。
基本的にタクシー運転手は昼食・夕食とも外食になりますので、 こういったお店に入る機会はいくらでもあります。
ただし、都内は駐車場が少ないのでコインパーキングなどを利用する必要があります。
それでも、駅から遠いなど多少不便な場所にあったとしても車で近くまで行けるのは便利です。
この他、タクシーで通るそれぞれの街の名所・旧跡、道の駅、公園など様々あります。
これらの場所を知り、体験することは、 本人の人生を豊かにしてくれるのはもちろん、お客さんを乗せた時に提供する情報としても使えます。
頑張れば頑張った分だけ給料が増える
タクシー運転手の給与は、売上によって決まります。
タクシー運転手の平均年収は300万円ほどですが、 売上を多くあげて、800〜1,000万円の年収を得ている運転手もいます。
がんばり次第で給料が大きく変動するというのは、 やりがいにもつながるのではないでしょうか。
自分のペースで仕事ができる(休憩など)
タクシー会社に勤めている運転手の場合は、当然勤務時間があります。
しかし、迎車指示以外の細かい指示はありませんので お客さんがいそうな場所であれば、どこを走っていても問題ありません。
また、隔日勤務の場合は1日3時間の休憩が自由に決められます。
何より、タクシー運転手は、お客さんを乗せていない時間は1人で運転しているだけです。
多少姿勢を崩しても問題ありませんし、ラジオを聴くのも自由です。
会社勤めでありながら、あまり規則に縛られない職業と言えるでしょう。
同じ場所(会社)にずっといない
タクシー運転手は1日中移動していますので、場所も変われば景色も変わります。
1日中同じ場所にとどまって仕事をすることが苦手な人には良いでしょう。
休みが多い
隔日勤務の場合、労働日に2日分働くことになりますので、 他の職業と比べて労働日が半分になります。
大手では、基本的に月11〜12日の勤務、 多い月でも月13日勤務としているところが多いようです。
すなわち月18日は休日となり、4連休が月2回必ずとれる会社もあります。
できるだけ労働時間を集中させ、休日を多くとりたい人にはうってつけの職業と言えるでしょう。
副業ができる
月に18日も休みがあると、様々なことができます。
プライベートを満喫することもできますが、 もっと稼ぎたい人は副業をするといいでしょう。
なにしろ時間はたっぷりありますので、 日雇いアルバイトのようなすぐできることから、 アフィリエイトのような時間のかかることまで、様々なことができると思います。
運転技術が格段に向上する
タクシー運転手は週に50時間程度は仕事で運転をしますので、 運転技術を鍛えるにはもってこいです。
慣れも大事ですが、普段から技術向上を意識していないと ある一定のレベルにとどまってしまいます。
日々の仕事をおろそかにしないようにしましょう。
長く働ける
タクシー運転手にも一応定年はありますが、 経験がある運転手であれば契約社員として継続して雇ってもらえますし 他社でも採用されやすいです。
運転技術の衰えがなければ70代、80代まで働ける職業です。
逆に70代、80代は、運転技術が衰えて事故などを起こしてしまうと即免許返納となりますので、 若いうちから運転技術をきたえておくことが肝要になるでしょう。
タクシー運転手の大変なこと
タクシー運転手には上記のような良い点がありますが、 反面大変なところもあります。
ここでは、タクシー運転手の大変なところを見ていきましょう。
長時間勤務
隔日勤務の場合、休みが多い代わりに、 勤務日には2日分働かなければなりません。
朝10時に勤務を開始して、3時間の休憩をはさんで翌朝5時まで働く必要があります。
次の日が休みであるためがんばれるとは思いますが、 一昼夜働き通しというのはなかなか体力的には大変です。
生活が不規則になる
隔日勤務のもうひとつの問題点として、 生活が不規則になることがあります。
勤務日は9時から翌朝3時くらいまで働きますから、 起床は8時、就寝は4時くらいになるでしょう。
この場合、翌日の起床は早くて12時になりますから、 体力が落ちた年齢の方には厳しいかもしれません。
休日は多くなくてもいいから規則正しい生活をして健康に働きたい、 という方は、隔日勤務より日勤・夜勤を選ぶこともできます。
稼げない可能性もある
メリットとして800万〜1,000万円の年収が稼げる可能性を挙げましたが、 平均が300万円程度であるということは、 年収200万円稼げない運転手がいるということになります。
老眼の年金の足しに…ということであれば良いと思いますが、 現役世代でこの収入は暮らしていくには厳しいと思います。
どうやったら多くの客を乗せられるか、日々考えていくことが必要になるでしょう。
質の悪いお客さんがいる
年に5,000人もの人を乗せると、 当然あまり質の良くないお客さんに出会うこともあります。
特に深夜の時間帯に出会うお客さんは、高い確率でアルコールが入っていますので、 受け答えの質も悪くなりがちです。
深夜は割増料金となり、遠方の目的地を指定するお客さんや、 チップをくれるお客さんも多くなるので、稼ぎ時ではあります。
そのため稼ぎを優先するのであれば深夜勤務が良いと思いますが 酔っ払いを極力避けたい場合は昼勤が良いでしょう。
事故や事件に巻き込まれる可能性がある
これも深夜帯に多いのですが、お客さんとトラブルになることがあります。
ひどい場合だと、暴行などの事件に巻き込まれる可能性もあります。
深夜は酔っ払って理性のタガがはずれているお客さんが多く、 運転手に対してぞんざいな言葉遣いや態度を示すことも珍しくありません。
特に危険なのが女性と新人さんです。
酔っ払いから攻撃を受けることが心配であれば、昼勤を選んだ方がいいでしょう。
売り上げを考えると隔日勤務をオススメしますが。
腰痛に悩まされることもある
タクシー運転手は一日中座りっぱなしですので、 職業病として腰痛が起きやすいです。
休日や休憩時間にストレッチなどをして、 極力腰痛にならない、もしくは悪化しないように心がけましょう。
まとめ
以上、タクシー運転手という職業の魅力について見てきました。
まとめますと、
多少きつくても良いから、効率良く稼いで、休みを多く取りたい方は、隔日勤務のタクシー運転手が向いています。
1年のうち200日以上を休んで800〜1,000万円を稼ぐチャンスが あるのですから、これは魅力的と言えるでしょう。
また、運転が好きで、安全な仕事でほどほどに稼ぎたい場合は、昼勤をおすすめします。
稼ぎ時の深夜に働かないため高い収入は望めませんが、 昼にはそうトラブルも起きませんし、 なにより昼勤の場合は規則正しい生活が送れますので、 健康的に長く働けます。
いずれにしても、タクシー運転手に向いているのは運転、そして接客が苦でない人です。
この2つが好きであれば、ぜひ、タクシー運転手も職業の選択肢の1つとして考えてみてください。
出典:タクシーの専門書