タクシー運転手は危険な仕事なのか?どんな危険性がある?


時々、夕方のニュース番組などで、客に暴行を加えられている
タクシー運転手の様子などを見たことがないでしょうか。

タクシー運転手は基本的に1人で業務を行い、
様々な人が客となるため、いつ、どのような危険な
目に遭うのか心配になってしまいます。

特にタクシー運転手は深夜に稼働することもあるため
何か犯罪に巻き込まれてしまうのでは…
と懸念を抱くのも分かります。

今回は、タクシー運転手が遭遇する危険について
実際のニュース記事の事例も交えながら見ていきましょう。


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タクシー運転手の危険性の種類

まずは、タクシー運転手がどのような危険に遭遇するのか?考えてみましょう。

タクシー運転手は、ひとりで行う接客業です。

また、基本的にあらゆる性質の客を相手にする可能性があると考えてよいでしょう。

一応乗車拒否もできなくはありませんが見た目だけで危険な客を判断するには限界がありますので…

上記の特徴から、暴行・殺人などの凶悪事件に巻き込まれる可能性は無いとは言い切れないでしょう。

また、特に窓を閉めている場合は密室での接客となるため客が感染症にかかっている場合は感染する危険性もあります。

さらに言うと、タクシー運転手はお金も1人で管理しています。

そのため、車内のお金を狙って強盗に狙われたり運転手の請求を踏み倒して無賃乗車されたりという可能性もあるでしょう。

また、タクシー運転手は1日に長時間車の運転を行う上、はじめての道を通ることも珍しくありません。

もちろんペーパードライバーよりは運転の技術的に長けていますがそれでも他の職業と比べて交通事故の危険性があることも否定できません。

タクシー運転手は暴行、傷害の被害に遭う可能性

まずはタクシー運転手が暴行事件に巻き込まれた事例から見ていきましょう。

タクシー運転手に暴行して軽傷を負わせたとして、警視庁目黒署はテレビ東京制作局社員、牧佑馬容疑者(28)を傷害容疑で現行犯逮捕した。
目黒署幹部によると、牧容疑者は2月29日午後11時40分頃、東京都目黒区大橋付近で、自分が乗車したタクシーの70歳代の運転手男性に因縁をつけ、男性を路上に押し倒して数回蹴るなどし、頭を8針縫うけがを負わせた疑い。容疑者は当時、酒に酔っており、「覚えていない」と供述している。
テレビ東京広報部は「警察などの調べを待って厳正に対処する」としている。

出典:読売新聞

この事件は、犯人がテレビ局員というある程度の社会的影響力を持つ人物で、かつ暴行を通り越して傷害にまで至っているため、比較的大きなニュースとなっています。

一般的に暴行だけでニュースになることは少なく運転手が何らかの傷を負って傷害事件になるとニュースに取り上げられることが多くなります。

上の事件も含めた事例を見ると、いずれの犯人も酔っていた状態だとあります。

最近はタクシーにも防犯カメラやドライブレコーダーがついているのが一般的ですから、客も理性が働いているうちは威圧的な行動は慎みます。

しかし、お酒で理性のたががはずれてしまうとドライブレコーダーのことを忘れて暴行に走ってしまうのでしょう。

タクシー運転手が喧嘩に巻き込まれる危険性

フリーアナウンサーの高橋真麻(37歳)が、7月22日に放送されたバラエティ番組「オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。」(中京テレビ)に出演。自身は「タクシーでケンカするタイプ」だと明かした。

タクシーの運転手に「左車線に行ってください」とお願いしたところ、「頑として右車線のまま」で、左車線に行ってくれなかったという。そのため、「私が『えっ? なになになに、怖い怖い怖い、左にどうして行けないの? 左にどうして行けないの?』って」と、当時の状況を、熱を込めて説明。

出典:ナリナリドットコム

暴行や傷害まではいかなくても、客とのもめ事というのはありうる話です。

上記は運転にクレームをつける客の例ですがこれ以外にも「時間に間に合うように急いで」とせかされたり、「料金が高い」といちゃもんをつけられたり、喧嘩の内容は様々です。

上記の通り、イメージが大事な有名芸能人でさえ喧嘩を起こしてしまうのですから決して珍しくない事例と言えるでしょう。

個人的な意見としてはやはり、運転手の接客態度なども大きく影響すると思います。

こういったトラブルを避けるにはとにかく客の指示したルートに従うことです。

逆に、ルートを任された場合は、事前に必ずルートを示し、確認をとることが重要です。

タクシー運転手が殺人事件に巻き込まれる可能性

タクシー運転手を殴り、運賃を支払わずに逃走したとして、北海道警苫小牧署は23日、強盗容疑で自称廃品回収業、渡辺正継容疑者(59)=苫小牧市木場町=を逮捕した。「停車位置がずれていたから、金を払いたくなかった」と容疑を認めている。運転手は約2時間後、搬送先の病院で死亡が確認された。

出典:JiJi.com

「喧嘩」が起こり「暴行」に至り、結果的に「殺人」となったのがこの事件です。

危険性の最たるものが殺人です。

確かに、運転手と客、2人だけの密室空間になるわけですから客の側からすれば狙いやすいと思います。

ただ、過去の報道を見ますと、2000年代まではタクシー運転手の殺人事件はちらほら見かけ、未解決の事件も多いようなのですが、2010年頃から件数が減り、ここ5年では上記事件のみでした。

暴行同様、防犯カメラなどの対策が功を奏していると思われます。

タクシー強盗に遭う危険性

2009年11月1日午前1時30分頃、新潟県新潟市東区空港西一丁目の路上に停車中のタクシーが発見され、タクシー内からは運転席シートにもたれ掛かるような状態で倒れ、上半身から血を流しているタクシーの運転手の男性(当時63歳)の遺体が見つかった。遺体は刃物で胸などを刺されており、タクシー内にあった売上金はなくなっていた。
捜査本部がある新潟東警察署(現・新潟警察署)の調べによると、車内の料金メーターの状況などから、運転手男性は料金精算の際に襲われたとみられるという。さらにタクシーの車内から男性の血で車の下にも血痕が広がるなど、運転手男性が大量の出血をしていたことから、犯人は返り血を浴びている可能性もある。

出典:wikipedia

「タクシー強盗」には大きく分けて2つの場合があります。

1つ目は暴行・傷害を受けて支払いを踏み倒される場合。
もう1つはタクシーの売上金を強引に奪い取られる場合です。
(どちらにしろ支払いを踏み倒されることは同じですが)

ここでは後者の事件を取り上げます。

前の殺人事件の項で「ちらほら見かける」2000年代の事件です。

人気のないところに運転するよう指示し、支払いをする段階で襲えば、タクシー強盗で捕まらないことも、難しくないように思えます。

しかし最近は、防犯カメラやドライブレコーダーに加えGPSでタクシーや犯人の居場所を特定することができるようになったため、捕まらない、ということがかなり難しくなっています。

そのため、殺人同様、強盗の危険性も2000年代に比べると少なくなっています。

実際のところ、2008年には約200件のタクシー強盗がありそのうち3分の1以上が犯人が分からずに終わっていますが2010年以降は年100件程度に減り、検挙率も9割程度を維持しています。

参考:警視庁 23ページ(32枚目)

タクシー運転手が業務中に事故を起こす可能性

2016年12月、福岡市博多区の原三信(はらさんしん)病院にタクシーが突っ込み、3人が死亡、7人が重軽傷を負った事故で、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)罪に問われた元タクシー運転手の松岡龍生(たつお)被告(66)の判決が27日、福岡地裁であった。平塚浩司裁判長は「被告がアクセルペダルとブレーキペダルを踏み間違えた」と認め、禁錮5年6カ月(求刑禁錮7年)を言い渡した。

出典:朝日新聞

2017年のタクシー運転手が起こした事故の件数は13,171件です。

年々減少傾向にありますが、タクシー運転手は全部で30万人程度と言われていますから人数の4%程度の事故が起きているということになります。

年間の全ての交通事故の件数の3%にもなりますので、正直多いことは否定できません。

参考:国土交通省自動車局 8ページ
なにせ、私的利用の場合は週に10時間も運転すれば多い方だと思いますがタクシー運転手の場合は業務で週に50時間以上運転することもざらにあります。

かつ、タクシー運転手は平均年齢が60歳と高齢なこともあり運転経験は豊富とはいえ、中には衰えの見られる運転手がいることも否定できません。

このように事故の危険性があるタクシー運転手ですが、多くのタクシー会社では、事故が起きたときに備えて補償制度や専門の弁護士を用意しています。

契約内容によっては、休業補償が出る可能性もあります。

もちろん免許の反則点数が加算されたりケガをしたりという、本人が引き受けなければならないという危険はありますし、本人起因の事故があまりに重なると契約自体が切られてしまうでしょう。

しかし、一般的に考えられる範囲の事故であれば多大な補償金が必要である、収入が途切れる、職を失うなどの心配はしなくても大丈夫な場合が多いです。

まとめ:タクシー運転手は危険な仕事なのか?

以上、タクシー運転手が遭遇しがちな危険について見てきました。

確かにタクシー運転手には業務上様々な危険があります。

しかし、繰り返しになりますが、防犯カメラの整備などによってタクシーが犯罪に遭遇する可能性は昔に比べて格段に下がっています。

また、交通事故についても、通常考えられる範囲であれば、会社の方でカバーしてくれることが多いです。

以上より、他の業種と比べて明らかに危険な職業とは言えないと言うべきでしょう。

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