人材戦略に勝つためのプロモーション活用

大阪府トラック協会 2018/9/13にて開催したセミナー内容です。

目次

  • ドライバー志願者が求める福利厚生
  • 生き残るためのプロモーション戦略
※セミナー動画

ご閲覧有難うございます。
今回は、『人材戦略に勝つためのプロモーション活用』をご紹介します。

今回は求人サイトを運営してみてわかったことをもとに、 『人材戦略に勝つためのプロモーション活用法』をご紹介していきます。


上記の条件を求人に盛り込むことで

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こちらの表は60万人の閲覧ユーザーからアンケートを取り、ドライバーさんが求めている条件のリクエストを元に1位から5位までのランキングにしたものです。
詳しく見ていきましょう。


カーゴ系が一番人気、季節的要因も関係

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まず、車種から見ていきましょう。ウィング車、冷凍・冷蔵車と、カーゴ系が一番人気です。
季節的要因も関係してくるが4位にいるタンクローリーの同行も見過ごせません。
8月の集計では4位にあったタンクローリーが、9月では1位に上昇しています。
このように季節や月などで、人気が変動しています。
どのタイミングで求人に力を入れれば良いのか、こういったデータを元に動向を見据えることで求人の効果が上がります。

次に出勤時間を見ていきましょう。一番人気が7時出勤、2位が9時出勤となっています。
例えば、通常の出勤時間が8時出勤、であるのなら、1時間ずらすことで、7時出勤、8時出勤にすることができ、求職者の条件に当てはめることが出来ます。
深夜出勤の場合も同じように、0時から2時の出勤なら23時に調整、3時からであれば5時に出勤移行させることでランクインさせることが出来るようになります。
工夫をして時間を調整することで、求職者を獲得しやすい求人を打ち出すことが出来るのです。


免許を取るなら制限なく

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職種についてみて行きましょう。
1位が大型、そして中型、小型と並んでいます。これは法改正による準中型の導入により普通免許で乗れる種類が変わったため、免許を取るなら制限なく全てをカバーできる大型トラックに人気が集中しているためです。大型車の方が収入も上がり、誇りも持てるということで人気が集中をしている様です。5位の軽貨物配送は、雇用形態の3位の持ち込みを希望している人が多い様です。


完全週休二日の希望者が全体の6割

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次に休日ですが、完全週休二日の希望者が全体の6割をしめています。
給与のラインキング1.2位については「望んでいない」というより「もらえない」と思っているようで、意外と現実的である一方で、休日の希望と重ねると納得できるかと思います。
つまり、時間は少なく給与もそれなりと思うドライバーが多く、週休二日で給与は25万円から30万円以上が狙い目である、と言えます。

また、休日の3位の4日以上、給与の3位の40万円以上、こちらを見ると、昔ながらのドライバーさんの層で、よくある週1休みで良いからいっぱい稼ぎたいと思う人もまだまだいるようです。


福利厚生を整備することが

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次に、福利厚生を見て行きましょう。
寮・社宅あり、に続いて賞与、社会保険、退職金、賞与、と大多数がお金に関する条件となっています。
『寮・社宅あり』と、こだわりの『日払い制度』に関しては、2018年の1月頃から急激に増加し、求職者の金銭問題が企業に求める条件に大きく影響していることが判ります。

福利厚生の賞与・社会保険・退職金・賞与に関しては、求職者の多くが『あるのが当たり前』という認識になっています。この辺の福利厚生を充実させることで、人材確保の近道になります。

こだわりの2位の『カスタム・デコトラ』は、綺麗な車・格好いい車に乗りたいという求職者も多い様です。格好いい車両に乗ることでドライバーさんのモチベーションアップにもつながり、会社の個性のPRにもなります。
3位の『専属車両』ですが、長時間の運転や業務の負担の軽減、自由度の向上といった理由で求める声も多く上がっています。


データから見る福利厚生改善案

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ドライバー志願者が求める福利厚生が見えてきましたね。
今まで見てきた福利厚生を纏めてみました。
給与は25万円以上、休日は8日、こだわりに日払い制度、福利厚生に寮・社宅あり、退職金、賞与、昇給、社会保険。
これだけ盛り込めば、求職者のニーズに合わせることが出来ます。
『ちょっとうちには難しいかな…』と思われるかもしれませんが、考え方次第で提示する福利厚生は改善することが出来ます!

まず、寮・社宅ですが、設備投資を事前にする必要はありません。良い人材が来た場合に、条件提示を「する」「しない」を検討すれば良いのです。即戦力になりそう等、どうしても欲しい人材であれば、アパートを借り、その家賃の半分を支払う等でも寮・社宅ありと明記することが出来ます。

次に賞与ですが、業績によって支給する形でも良いかと思います。給料の何ヵ月ではなく、3万円ほどの寸志でも問題はありません。

次に社会保険ですが、求職者側から見た場合、社会保険が無いというのは不安材料となってしまいます。
軽貨物限定ですが、請負・持ち込みには必要ありません。

退職金に関しては、今すぐ支給するものではなく、2~3年勤続した社員を対象とし、入社時から毎月1万円程度で良いので、積立金を作れば、1人雇う仕事の利益で数人分の準備金を充当することができます。
寧ろこのくらいのコストが割けないようでは人材を勝ち取ることは出来ません。

そして、最後に昇給ですが、全員一律でなくても良いのです。規定を設け、達したものだけを最低賃金に伴って対象にすれば、条件をクリアすることが出来ます。

上記5つの条件は応募を集める上で必須項目です。さらに応募を集めるためのおすすめ条件は『交通費支給』『有給休暇』
この二つ、またはどちらかを追加すると応募率が2倍になります。

上記5つの条件は応募を集める上で必須項目です。さらに応募を集めるためのおすすめ条件は『交通費支給』『有給休暇』
こだわりの『日払い制度』ですが、こちらは後ほど詳しく説明していきます。


やっと福利厚生が他社より良くなってきた

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さて、やっと福利厚生が他社より良くなってきました。
・・・と思ったら、他社も同じように成長しています。
福利厚生を充実させただけでは、まだ足りません。
競合他社に勝ち抜くためには何が必要なのでしょうか。


生き残るためのプロモーション戦略

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生き残る為に足りないもの、それはプロモーションです。
ここから『生き残るためのプロモーション戦略』と題してプロモーションについてお話を進めていきます。


事務所を新築、休憩所をスターバックス風

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こちらは某企業が新築をした休憩所の写真です。
見た目もおしゃれでスターバックスの様な店内、カフェ・ドリンク飲み放題、休日の利用も可というかなり力を入れたものになっています。


最初は良かった…紹介…新聞

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快適に過ごせるようにと社内環境を改善し、最初は新聞に取り上げられたり、紹介をして貰えたりと、これで少しは人材不足も改善されるだろう、と思っていたのですが、ここ最近は応募率が軒並み下がってしまった、というのです。
一体なぜ応募率は落ちてしまったのでしょう。


原因は…プロモーション不足でした

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原因はプロモーション不足でした。
当時、利用していた求人媒体は「新聞の折り込み」のみ。また自社サイトの公開もしていませんでした。
これではいくら福利厚生を充実させ、アピールポイントとなる休憩所を作ったところで、求職者の目にそれが触れなければ折角の施策も無駄になってしまうのです。


成功している先進企業、大手企業は

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成功をしている先進企業、大手企業はプロモーションの重要さを知っています。
ですからプロモーションにお金をかけ、大々的に打って出ることで有力な人材を確保しているのです。


なぜなら有効求人倍率の上昇が原因

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では、なぜプロモーションに力を入れているのでしょうか。
それは、有効求人倍率が上昇してしまっているからです。

・・・ところで、有効求人倍率、とは何でしょうか。


雇用動向を示す重要指標のひとつです

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有効求人倍率とは雇用動向を示す重要指標の一つです。
契機とほぼ一致して動くので、景気動向指数となっています。

厚生労働省が算出し、倍率が1を上回れば人を探している企業が多く下回れば仕事を探している人が多いことを示します。


10人の求職者に対して、11の求人案件の場合

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上の図をご覧ください。例えば、10人の求職者に対し、求人案件が11件の場合、有効求人倍率は1.1倍となります。
逆に10人の求職者に対し9件の求人案件の場合は有効求人倍率が0.9倍となります。


有効求人倍率が1.0を上回ると…

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つまり、有効求人倍率が1.0を上回ると、仕事はあるのにその仕事に就く求職者がいない状態になり、ドライバー不足となるのです。
では、現在の運送・物流業の有効求人倍率はどのようになっているのでしょうか。


物流・運送業の有効求人倍率の推移

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ちょっとびっくりする数字になっています。有効求人倍率はなんと3倍になっています。
僅か1年で20%増加、更に翌年も同様に20%増加しているのが分かります。


2、3年後には有効求人倍率が

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つまり、今後の推移としては、2~3年後には有効求人倍率が5倍以上になっていても不思議ではないのです。


他社よりもっと目立つようにしないといけない

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たとえ福利厚生を充実させても、他の企業も同じように人材確保のために工夫を凝らしています。
求職者に選んでもらうには、もっと目立つようにしなくては、他の企業に勝てません。


最近では運賃も上がり、福利厚生などに費用を

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最近では運賃も上がり、福利厚生などに費用を割き、給与・条件面もよくなっていると感じますが、確かにその通りです。しかし全部の会社が同じことをやった場合、選ばれるのは、知っている会社と知らない会社では、どちらを選ぶでしょうか。

それは間違いなく「知っている会社」です。
ですからプロモーションが大切なのです!


求職者の目に留まる情報フレーズを検討

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では、プロモーションを打つための準備をしていきましょう。

  1. 会社の強み、「一番」になれる要素の発見
  2. 従業員、上司や先輩の顔ぶれ・雰囲気
  3. 集客媒体の選出と費用算出

求職者の目に留まる情報・フレーズを検討します。
詳しく見ていきましょう。


会社の強み、「一番」になれる要素の発見

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【1.会社の強み、「一番」になれる要素の発見】
社内・従業員にとっては「当たり前」な事でも、求職者にとっては「特別」ということがあります。
社内アンケートを実施し、会社の強み、また他社との比較、県や市、町でも構いませんので、「一番」の強みを発見しアピールポイントとしてPRに盛り込みます。


従業員、上司や先輩の顔ぶれ・雰囲気

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【2.従業員、上司や先輩の顔ぶれ・雰囲気】
実際に働いている従業員や上司、先輩の顔ぶれや雰囲気で職場を選ぶ求職者は少なくありません。
こういった顔ぶれや雰囲気をPRするには、プロモーション動画などが有効です。
実際に活躍するドライバーさんや社長のインタビューをホームページ上に掲載することで入社前のイメージを描くことができ、興味を引くことができます。
求職者の大半は認知している会社を選びます!


退職の理由ナンバーワンは人間関係や入社後のギャップ

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退職の理由No.1は人間関係や入社後のギャップです。
「どんなメンバー」と毎日働くのか、求職者にとっては行ってみないと分からない状態なのは不安なものです。
「この会社、楽しそう!」「この会社、雰囲気が良い」「こんなところで働きたい!」そう求職者に印象付けるには、オフショットは必須です。
先輩や上司の人柄が伝わる写真は絶大です!


集客媒体の選出と費用算出

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【3.集客媒体の選出と費用算出】
数多くの運送会社がラジオCMに進出しています。
運転中にBGM変わりにラジオを聞くドライバーさんも多く、サウンドロゴを用いた企業PRのラジオCMは、何度か耳にすれば頭に残ります。
物流・運送会社のPRには効果が絶大です。
求人を掛ける際に、同時にラジオCMを流すことで、効果があがります。


給与の前払いが急激に増えていて

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続いて、柔軟な雇用対策についてお話します。
現在、若い世代を中心に給与の日払い・前払いを希望する求職者がここ数年で急激に増えています。
すぐにできる雇用対策としては効果が絶大です。
応募率を向上させ、離職率を低下させる効果が見込めます。


前払い・日払い・週払いを求めるユーザー推移

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こちらの図をご覧ください。こちらの図は、給与の前払い・日払い・週払いを希望するユーザーの推移を纏めたものです。
僅か7ヵ月10倍に増えています。


日払い制度は最短1週間

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『給与前払いシステム』のサービスの一部を纏めてみました。ここ数年で数十社増加し、ニーズが高まっていることが判ります。
ただ、こちらのシステムは、日払いを利用する従業員が手数料を負担する仕組みの為、従業員にかかる負担が大きくなるため、オススメはできません。

※この従業員負担を無くそうと、弊社が開発を行った『The給与(TRCD-001)』なら、従業員負担は0円です。(各種メディアにも取り上げられています)ご興味がある方はお気軽にお問合せください。


日払い制度がなぜ必要とされるのか?

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では、なぜ金利が高いにも関わらず日払い制度が必要とされているのでしょうか。
それは、

  1. 2010年の総量規制により借入できる金額が年収の1/3までとなり、消費者金融が減退化した
  2. 銀行系カードローンが蔓延化し、貸出が増えすぎて金融庁から指導が入ってしまった
  3. 返済能力のない人にお金を貸すくらい、貸出先に困っており、労働債権を担保に取った融資を行っている

といった状況があり、実質的な金融破綻者が増えてしまっているからです。


日払い制度のグループ実績

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では、日払い制度を導入すると、どの程度効果が得られるのでしょうか。
実際に弊社のグループ会社で統計をとってみました。

日払い制度を導入し、それをPRした結果、20名が日払いを希望して入社をしました。
そして現在もドライバー46名中23名が日払い制度を希望の上利用しています。
こちらの希望者は毎日日払いをしているわけではなく、「急にお金が入用になった」「今月出費が重なってピンチ!」といった際に利用をしているようです。
いざという時にお金の心配をしなくていい、というのが安心感に繋がっているようです。


福利厚生の見直し、職場環境の整備

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  1. 福利厚生の見直し、職場環境の整備
  2. 会社の「一番」の洗い出し
  3. 動画・写真・音を配信するプロモーション
  4. 柔軟な雇用対策

と見ていきました。これらを実践することで他社に負けない企業となり、人材確保と当時に、離職者を出さない、やめさせないことが出来るようになるのです。