車に興味がある、運転が好きといった理由から、バスの運転手を目指そうと考える方もいるのではないでしょうか。
近年は人手不足が問題化しているため、過酷な労働環境なのではと心配になる方もいることでしょう。
そこで、本記事では、バスの運転の仕事内容、必要な資格、給与相場、メリット・デメリットなどをご紹介していきます。


バスの運転手の仕事内容

バス運転手の主な仕事内容は、バスを運転して乗客を目的地まで運ぶことです。
運転するバスの種類は、路線バス、観光バス、送迎バス、高速バス、夜行バスなどがあります。
バスの種類や勤務先などによって仕事内容が異なります。
ここでは、路線バスの運転手の一日の仕事の流れをご紹介します。

路線バス運転手に求められること

路線バスの運転手の仕事は、決められたルートを運行時刻を守りながら安全に運転することです。
交通事故や車内事故などに気を付けて、安全に走行することが求められます。
路線バスの運転手は、地域の交通インフラを支える重要な役割を担っているのです。

路線バス運転手の一日の仕事の流れ

ではここからは、路線バス運転手の仕事の流れを見ていきましょう。

  1. アルコール検査
    アルコール検査が義務付けられているのが、バス運転手の特徴です。
    営業所に出勤したら、アルコール検査を行って、運行管理者に報告します。
  2. 運行ルートの確認
    その日に自分が担当する運行ルートの確認を行います。
  3. 車両点検
    運転するバスの車両点検も運転手の大事な仕事です。
    安全に走行できるように、計器類、タイヤの空気圧、エンジンオイルや燃料の量、ブレーキの利き、ドアの開閉、エンジン、電気系統などを念入りにチェックしておきます。

  4. 始業点呼
    運転手の健康状態、運行上の注意点などを確認します。

  5. 出発
    すべての準備が整ったら出発です。
    乗務中は、バスの運転のほかに、乗降扉の開閉、運賃の収受、回数券やバスカードの発売など、やるべきことがたくさんあります。
    車内のマイクを使って乗客に注意を促したり、行き先や所要時間などの案内したりなどの対応を採ることもあります。

  6. 運行終了後
    決められたルートを運行した後は営業所に戻ります。
    バスを格納した後、車内に忘れ物や異常などがないかをチェックします。
    営業所で、売上の精算、乗務記録簿の記入、アルコール検査なども行います。

  7. 終業点呼
    運行管理者と一緒に終業点呼を行い、その日の運行結果を報告して業務終了となります。

バスの運転手になるために必要な資格・給与

バスの運転手になるために必要な資格は、大型二種自動車運転免許です。
二種免許とは、有料で乗客を目的地まで運ぶ場合に必要となる運転免許のことを指します。
路線バスに限らず、観光バス、高速バス、送迎バスなどを運転する場合でも、大型二種自動車運転免許が必要です。
タクシーや代行運転などでも、大型二種自動車運転免許を取得しておく必要があります。
大型二種自動車運転免許には、21歳以上という年齢制限がありました。
2022年(令和4年)5月に改正道路交通法が改正されたことで、特別教習を終了した場合は、19歳以上で普通免許取得期間1年以上の要件を満たしていれば二種免許の取得が可能となったのです。
2024年には19歳の路線バス運転手が誕生しています。

バスの運転手の給与相場はいくら?

バスの運転手の給与は、勤務する会社によって異なります。
小規模な会社よりも、都市部の大手のバス会社のほうが運転手の給与や高い傾向です。
また、実務経験年数や勤続年数などによっても給与が変わります。
路線バスの運転手の平均年収は450万円程度です。
月収に換算すると37万円くらいです
ただし、若い運転手や経験、実務経験が浅い運転手の場合は、200万円後半から300万円くらいが年収の相場となっています。

バスの運転手を目指すメリット・デメリット

バスの運転手を目指すことには、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

メリット

バスの運転手になるメリットは、毎日バスの運転ができることです。
車を運転するのが好きだという方はやりがいのある職業だと感じることでしょう。
基本的に一人で仕事をしますので、人間関係の煩わしさがないというメリットもあります。
就職先や転職先の選択肢が多いこともメリットでしょう。
近年は、バス運転手の人手不足が問題となっているため、どこの会社でも運転手を求めています。
実務経験者や大型二種自動車運転免許の保有者は、即戦力として雇ってもらえる可能性があります。

デメリット

バス運転手のデメリットは、自由にお酒が飲めないことです。
飲酒は、運転能力に大きな影響を与えるため、どこのバス会社でも乗務前にアルコール検査を実施しています。
翌朝から勤務する場合は、晩酌の量を控えたり、時間を早めたりなどの対応が求められます。

まとめ

バスの運転手になるためには、大型二種自動車運転免許が必要です。
改正道路交通法によって、最短19歳でバスの運転手になることが可能となりました。
平均年収は450万円程度ですが、年齢や経験などによって収入が異なります。
未経験者、経験が浅い方を積極的に採用しているバス会社も多いので、運転手を目指している方は求人情報をチェックしてみると良いでしょう。