路線バス運転手は、人を乗せてバス停からバス停へと街を走り、地域の交通を支えています。路線バス運転手は、日本の交通インフラを支える仕事ですので、社会貢献度が高く、責任のある仕事です。地域住民の生活には欠かせない存在となっている路線バス運転手は、運転以外にも日夜さまざまな取り組みが行われています。 お客さまが日々安心して利用できるように、日々、徹底して繰り返される取り組みについて、路線バス運転手の一日の仕事内容をご紹介します。


<目次>


路線バス運転手はどんな仕事?

バスは、大きく分けると路線バス・高速バス・観光バス・送迎バスの4つに分けることができます。そのなかでも、路線バスは、路線(バスの走行経路)を定め、有償かつ定期的に不特定多数の旅客を運送するバスのことです。

正式には、国土交通省より道路運送法に規定される「一般乗合旅客自動車運送事業(乗合バス事業)」の許可を受けた路線を運行し、不特定多数の旅客を運送するバスであると定義されており、「乗合バス」とも呼ばれています。

皆さんもご存知の通り、一般道路をメインに、設定したルートを時間通りに走るのが路線バス運転手の仕事ですが、運転手でもあり接客業(サービス業)でもありますので、非常に奥が深い職業です。

路線バス運転手は、ただ単に決まったルートを運転するのではなく、安全かつ快適にお客さまを目的地まで届けるというサービスを提供している「プロドライバー」です。路線バス運転手は、お客さまからの「ありがとう」や日本の交通インフラを支える誇りなどに「やりがい!」が感じられる仕事です。他にも、大型車両を運転できることに楽しみや喜びを感じることもできます。


路線バス運転手の1日の流れ

路線バス運転手が会社に出勤してから、仕事を終えるまでの一般的な1日の流れは次のようになります。

出勤
1日の始まりは、まず会社に出勤し、運行管理者に出勤報告をします。その後、自分が受け持つ運転時間表(行路表)を確認し、順路や到着時間を把握しておきます。各営業所によって異なりますが、運転時間表は定期的に一巡するようにローテーションが組まれています。
飲酒検知・免許証・健康状態の確認
当然のことではありますが、公共交通事業に携わる者であり、プロのドライバーである路線バス運転手は、出発前に必ずアルコール検知器によって飲酒検知を行います。当日乗務する者全員が実施することはもちろん、道路運送法によって会社にもアルコール検知器を備えることが義務化されています。また、飲酒の他にも、免許証を携帯しているかを確認し、病気や疲労などの理由で安全な運転をすることができない恐れがある場合は運行が認められません。これらの確認が終了すると運行管理者から鍵や金庫、携帯電話などを受け取ります。
車両点検
1日の運転を安全に行うために、運賃箱に金庫をセットした後に、運行前に車両に異常がないかを確認します。点検の内容は、タイヤの空気圧や亀裂・破損・異状摩耗のチェック、ランプ類の点灯・点滅・汚れ・損傷状態のチェック、ブレーキ液量のチェック、エンジンをかけて計器等をチェックなど、チェック項目は50以上にもおよび、すべてチェックシート(車両点検表)に記入していきます。これは毎日確認することですので「日常点検」とも呼ばれています。
始業点呼
車両点検が終了し、チェックシートへの記入が完了すれば始業点呼を行います。健康状態や運行上の注意点などを確認し、運行管理者と一緒に指差呼称を行います。点呼が終了すると運行管理者から運転時間表を受け取ります。
出発
準備が完了したら、いよいよ出発です。運転時間表の行路に沿って、安全運転でバスを運転します。路線バス運転手は、毎日お客さまと接するサービス業ですので、笑顔で挨拶することと、乗降時や乗車中はお客さまに配慮したマイク案内を心がけています。
休憩
路線バス運転手は、運転と休憩を繰り返し、乗務を続けます。走行毎1時間半~3時間程度の間に休憩を入れ、昼頃の休憩の合間に昼食休憩を取ります。休憩は、営業所の休憩室で行います。最近では、女性ドライバーも増えていますので、営業所によっては女性専用休憩室が設けられていることもあります。
運行後の車両点検
すべてのお客さまが下車し、乗務が終了すると営業所に戻り、バスを格納し、タイヤに輪止めをします。その後、車内に忘れ物がないかをチェックし、安全管理のために車体にぶつけた傷や汚れ、異常個所はないのかを再度チェックします。
運行後飲酒検知
運行後も飲酒検知を行い、運行時に飲酒をしていなかったことを確認します。
終業点呼
運転日誌を記入し、運行管理者との終了点呼でその日の運行結果を報告します。鍵や携帯電話などを返却すると1日の業務は終了です。


まとめ

今回は、路線バス運転手の仕事内容について紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。路線バス運転手は男性の職業というイメージが強いですが、実際に路線バス運転手としてバリバリ働いている女性の方も増えています。路線バス運転手は福利厚生がしっかりしていて、やりがいのある仕事です。小さいころから大きな車が好きで憧れがあった、好きなものを仕事にしたい!という方や、人と接するのが好き!という方には向いている職種ですので、そんな方は一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。


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