近年、多くの分野で人手不足が慢性化しています。特に、流通業界や飲食業界での人手不足は深刻です。
2020年には人手不足が解消されるのでしょうか?何も対処をせず現状維持では、人手不足は解消されません。では、どうすればよいのでしょうか?
2020年に向けた、人手不足解消の一手を様々な観点からご紹介します。それぞれの企業で抱えている問題にあった、人手不足解消の一手を選んでみてください。
<目次>
業務効率の改善を進める一手
人手が足りないと言う前に、従業員たちに無駄な業務をさせていないかを考える必要があります。
すぐに人員を増員するのではなく、仕事の無駄を減らし効率を改善する一手についてお話しします。
現状の業務を見直し無駄を削減する
業務効率を改善すると言っても、いきなり仕事を減らすわけにはいきません。まずは、現状の業務を洗い出し、無駄がないか検証するフェーズが必要です。
例えば、流通業ではどのような業務の無駄が存在するのでしょうか?
倉庫にある在庫の中から必要な商品を取り出しトラックに乗せ、運転手は予定された場所へ運んでいきます。その時の、商品を積み込む作業や作業員の作業内容、時間をできるだけ正確に洗い出しましょう。伝票を元に倉庫作業員が荷を一つ一つ運び出す、運転手もそれを手伝うなど、それぞれの作業を具体的に見ていくのです。
すると、作業内容に無駄や冗長な部分、その作業をするために最適な商品の並べ方などがあるのではないでしょうか?
作業を洗い出した結果、よく取り出される商品なのに倉庫の奥に保管されている、動線に無駄がある、運転手の無駄な待ち時間があるなど、業務の問題点が洗い出されるはずです。
その問題点を改善すれば仕事の効率がアップし、結果的に人手不足が解消されるかもしれません。
IT化を進める
業務を洗い出した結果、ここはIT化できるのではないか、ロボットを導入すれば人手不足が解消されるのではないかという部分が見つかるかもしれません。その時は導入費用や業務変更への対応ができるか、費用対効果はどれくらいかなどを見積もって、効果が高そうならば導入するのが良いでしょう。
今まで手書きで行っていた商品リストや伝票作成、従業員の給与計算や勤務時間集計などをIT化することで、業務効率は一気にアップします。もちろん、IT化に対応した社員教育や導入費用は必要になりますが、それ以上に業務効率アップの効果が高ければ導入すべきです。
そして、IT化により業務効率が上がれば少ない人員でも業務を回すことが可能となり、人手不足の解消につながるでしょう。
女性や高齢者の登用拡充の一手
近年の人手不足は、人手が足らないのであれば人員を増員すれば良いなどという、簡単な手段では解消しません。いくら求人募集しても人手が集まらないから、人手不足が慢性化しているのです。特に、働き盛りの20代~40代男性の不足は深刻です。
そこで、女性や高齢者の登用を拡充するというのも一つの方法です。
女性に関しては、育児休暇が明けた子育て中でブランクがある女性がターゲットになります。本当は、子育てが一段落した女性こそ、働きたいと強く思っています。しかし、子供が急病になったら、すぐに駆け付けなければなりません。近くに両親や親せきが住んでいればいざという時に頼れますが、頼れる人が近くにいない女性もいます。それに、保育所はどこもいっぱいですし、保育料もバカになりません。
すると、満足に働けるのは、近くに頼れる両親がいて、ある程度の収入が見込めるフルタイムの仕事ができる女性に限られてしまうのが現状です。
そこで、短時間勤務や急な有給休暇が取得できる職場環境を用意すれば、喜んで働く女性が応募してくるでしょう。
また、高齢者に関しても、体力的にそこまできつくない仕事を用意したり、休暇や休憩時間を手厚くしてあげたりすることで、応募が集まるはずです。
このように、女性や高齢者に応募枠を広げて働きやすい環境を用意してあげることで、人手不足は十分解消されるはずです。
労働条件アップの一手
足らない人手を確保するためには、やはり賃金アップや有給休暇増などの労働条件を良くする手段が必要です。
他の会社よりも待遇が良ければ、人が集まってくる可能性は高まります。
また、労働待遇の改善の条件は賃金や有休だけではありません。前払い制度の導入という改善が効果的なケースもあります。
特に、流通業や飲食業に従事する労働者の中には、今日明日の食事代が必要という人も多いようです。そんな中、給料日まで現金がない状態では働くことができません。
そこで、給料を前払いしてもらえる制度が利用できれば、すぐに働くことができるでしょう。
また、住む場所がなく漫画喫茶などで暮らしているなどという人達に関しては、借り上げのアパートや寮を提供するという方法もあります。
このように、金銭的に困窮している人たちが働きやすい環境を提供できれば人手不足解消につながるのではないでしょうか。
まとめ
2020年を迎えるにあたり、企業の人手不足はさらに進むと考えられています。ここで手を打たなければ、人手不足はさらに悪化し企業経営が立ち行かなくなる可能性もあります。 それぞれの企業の問題を見定めて、早めに有効な手段を講じるようにしましょう。