企業で勤務していると、労働条件や作業環境、人間関係など、様々な点で「この会社は自分には合わない」「毎日我慢しながら働くことがつらい」と思うことがあると思います。多少の不満はどんな会社で勤務しても必ず生じるものですが、つらい状況が長く続くようであれば、健康を害する前に勤務先を変えることも必要な選択肢です。心機一転新たな職場環境で働くことで、問題の解決につながることがよくあります。
また今の会社に特段の不満はないが、自分のキャリアをさらに伸ばしたいので、より高いレベルの企業に挑戦したいと前向きに考える人もいるでしょう。良い転職はキャリアアップにつながり将来の可能性が広がることがあります。転職を考え始めたら、どのように気持ちを整理し、準備を進めるとよいか、退職前にやっておくべきことについて段階別に列記してみます。
1.転職について考え始めた段階
①今の辛い状況が一過性のものか、今後も長く続く見込みなのかの見極めが必要です。特に人間関係が原因であれば、配置転換により解決する可能性もあります。また作業環境や長時間労働等の問題であれば、会社の方針に改善の兆しがあるか否かで見極めができるでしょう。
②自分がやりたいことやキャリアの棚卸が必要です。一度しかない人生で自分が本当にやりたいことは何なのかが転職を考える際の最も重要な判断基準です。自分の価値観や目標を再確認し、今の会社では到底達成できないとしたら転職に向けて具体的な準備を進める必要があります。
③転職先企業の正確な情報収集が必要です。求人情報や友人知人等からの口コミ情報など多角的に情報を集めて判断することが重要です。その際、ネットの口コミ情報には退職した1個人の会社に対する恨みなどを反映した内容も含まれるため、全てを鵜吞みにせず、冷静に分析することが大事です。業界動向や社風、労働環境、労働条件などを複数の企業と比べた上で判断する必要があります。
④転職のタイミングを検討する必要があります。退職する際に現在の会社との間で喧嘩別れをすることは望ましくありません。人手不足の時期に急に退職を申し出れば、快く思わない会社が大半です。余裕を持って退社の意思を伝え、円満に退職できるほうが良いでしょう。そのためには早めに転職先を探す活動を開始し、次の職場が内定した後に、1ヵ月程度の余裕を持って退職日を告げるほうが望ましいです。年度替わりなど人材確保の準備がしやすい時期に合わせると円満な退職がしやすくなります。
2.会社を辞める直前の段階
①転職先候補企業が決まり、応募する段階になれば、履歴書や職務経歴書などの書類を準備する必要があります。履歴書等では自分のキャリアや保有資格等をアピールする必要があり、過去の仕事で蓄積した実績を読みやすくまとめる作業が求められます。
②運転職への転職であれば、過去の違反や事故歴を確認されますので、入社時に運転記録証明書の提出を求められます。過去の違反や事故等について聞かれても回答ができるように準備しておきましょう。
③退職する前に健康状態を再確認しておくとよいでしょう。特に運転職に応募する場合には転職先で健康状態のチェックが行われます。運転業務に支障のある既往症が無いかを確認されますので、仮に既往症がある場合は、すでに治療済み又は治療中である旨が伝えられるようにして、病気を放置しないことが大事です。
④健康保険等の手続きについては退職前に確認しておくとよいでしょう。特に退職後、転職までの間に間隔が空く場合はどのような手続きが必要なのかなどを確認しておきましょう。