運転免許を取得する際に学んだはずの乗車定員や積載量ですが、しっかり覚えていますか。
自動車の正しい乗車定員や積載量は自分の車以外は興味がなかったり、車を乗り換えたり、他人の車を借りたり、仕事用の車を使う時など曖昧になってしまうケースも少なくありません。
テキストで学んでも、積載量や積載方法は実際にやってみないとわからないことも多いです。
今一度、自動車の正しい乗車定員や積載量の基礎知識をおさらいしておきましょう。


乗車と積載の基礎知識

まず、基礎知識として、ドライバーは座席でない場所に人を乗せることや荷台や座席ではないところに荷物を積んではいけません。
たとえば、トラックの荷台に人を乗せて走ることはNGです。
ただし、貨物自動車の場合、荷台に荷物を積んだ際、その荷物が落ちることのないよう、見張りのために必要な最小限の人を乗せることは可能です。
この場合には、警察署長の許可はいりません。
また、トラックを出発する場所の警察署長の許可を得れば、荷台や座席でない場所に荷物を積むことや貨物自動車の荷台に人を乗せて運転することが特例的に認められます。
特例の2例目として、荷物が分割できず、積載制限を超えてしまった場合には、出発地の警察署長の許可を受けて積載することが可能です。
たとえば、サイズが大きすぎる、重量が重すぎる1個の荷物を運びたい場合です。
この特例を認めるにあたり、警察署長は危険防止のための条件を付けることができます。
この条件を守ることで、積載制限を超えた荷物の運送が認められるのです。
これらの例外は、あくまでも特例であり、許可が出た場合は、許可証が発行されます。
必ず許可証を車の前面の見やすい場所に掲示しましょう。
許可証がないと、道交法違反でパトカーや白バイに止められるおそれがあります。
周囲のドライバーなども違反しているのではないかと思うので、積載した荷物の見えやすい場所に、日中なら0.3m平方以上の赤色の布を付け、夜間は赤色の灯火または赤色の反射器を付けて知らせることが必要です。
積載量を超えた荷物が万が一、崩れる危険性などもありますので、案内を発することで、周囲の車が車間距離を取るなど気を付けることが可能となります。

車両ごとの乗車定員と積載量

特例の許可がない限り、乗車定員や積載の制限を超えて、人を乗せることや運んではいけません。
これは車両ごとに定められています。
まず、大型・中型・準中型・普通・大型特殊自動車の場合、自動車検査証か軽自動車届済証に記載されている乗車定員と最大積載量を守らなくてはなりません。
ドライバーも定員の1名に数えられます。
12歳未満の子供については、3人で大人2人として計算しましょう。
積載物の大きさ積載方法も定めがあります。
自動車の前後から車両の長さの10分の1の長さを超えてはみ出さないことや左右から車両の幅の10分の1の長さを超えてはみ出さないこと、地上から3.8m以下であることが原則です。
大型バイク・普通バイクは定員は1名ですが、ドライバー用以外の座席がある場合は2名まで認められます。
もちろん、乗せる人もヘルメットの装着は必須です。
荷物の最大積載量は60kgまでとなっています。
原動機付バイクは定員は1名なのでドライバーのみ、荷物の最大積載量は30kgまでです。 積載方法ですが、バイクの後方から0.3mはみ出さない、左右から0.15mを超えてはみ出さない、地上から2.0m以下を守りましょう。
一定サイズ以下のフォークリフトや一定速度以下の農耕用作業自動車など、小型特殊自動車については定員は1名、ドライバー用以外の座席がある場合は2名まで、荷物の最大積載量は700kgまでです。
積載方法は車体の前後から車両の長さの10分の1の長さを超えてはみ出さないこと、左右から車両の幅の10分の1の長さを超えてはみ出さないこと、地上から2.0m以下であることが必要です。

バイクの初心者ドライバーの注意点

ドライバーの基礎知識として、バイクにおける二人乗りのルールについても、おさらいしておきましょう。
大型二輪免許・普通二輪免許を受けて1年を経過しないドライバーは、側車が付いている場合を除き、初心運転者期間の1年間は原則として2人乗り禁止です。
バイクを買って自慢したい、どうしても送迎する必要があるなどと、違反をしないよう気を付けましょう。
例外として、普通二輪免許を受けて1年以上経過した方が大型二輪免許を受けた場合は、新たな免許取得後1年を経過しなくても、大型二輪で二人乗りをすることが可能です。

まとめ

トラックをはじめ、普通自動車でもバイクでも、車検証に定められた定員と積載量を守り、道交法などに定められたルールにもとづき、積載方法なども守らなくてはなりません。
違反すると反則切符が切られるだけでなく、ドライバーや同乗者、荷物や周囲を走っている車などにも事故などのリスクが高まりますので、ルールはしっかり守りましょう。