緑ナンバーとは？取得方法やメリット、白ナンバーとの違いについて解説

緑ナンバー(営業ナンバー)って何？

運送業において、自動車のナンバープレートはその車両の使用目的を示す重要な指標となっています。特に、「緑ナンバー」または「営業ナンバー」と呼ばれるナンバープレートは、運送業界において中心的な役割を果たしています。

緑ナンバーは、自営業や小規模事業者が所有する営業用の自動車に取り付けられるナンバープレートであり、緑地に白い文字で表記されている特徴があります。このナンバープレートは、運送業許可を得ている、あるいは運送業に使用する営業用自動車に取り付けられます。
具体的には、緑ナンバーはお客様の荷物を有償で運ぶ「営業用トラック」に取り付けられるもので、これに対して白ナンバーは自社の荷物を自社の車で運ぶ「自家用トラック」に取り付けられるものです。

法律の観点から言えば、緑ナンバーは「他人の需要に応じて貨物や旅客を輸送し、その対価として報酬を得る事業」のために必要な許可を得ている事業者の車両に取り付けられるものとされています。
トラックに関していえば、貨物自動車運送事業の許可を取得しなければ、緑ナンバーを付けることができません。逆に言えば、緑ナンバーを付けたトラックを使用している会社は、貨物自動車運送事業の許可を受けているという証明となります。
緑ナンバーは運送業を行う場合には必須のものであり、取得せずに営利目的の運送を行うと、貨物自動車運送事業法違反となり、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金または併科という罰則が科せられる可能性があります。

緑ナンバーは、運送業を正式に営むために不可欠な要素であり、その取得は運送業者にとって重要なステップとなります。運送業界における緑ナンバーの重要性とその役割を理解することは、運送業の効率的かつ法令遵守の観点から非常に重要と言えるでしょう。

以上の内容に基づき、緑ナンバー（営業ナンバー）は運送業における事業用自動車の識別および運送業の正式な営業許可を示す重要な要素であり、その取得は運送業を営む上で重要な法律遵守の一環となっています。

ナンバープレートには
種類がある

日本では、ナンバープレートは主に車両の種類や用途に基づいていくつかの異なる色とタイプが存在します。以下に主なナンバープレートの種類とその用途を示します。

緑色のナンバープレート（営業ナンバー）

緑色のナンバープレートは事業用の乗用車や貨物車に付けられます。これにはタクシーや観光バスなども含まれ、運賃をもらって人や物を運ぶ車に付けられます。

白色のナンバープレート

白色のナンバープレートは自家用の普通自動車や小型自動車に取り付けられます。これは日本で最も一般的に見られるナンバープレートの色であり、主に個人が所有する車に付けられています。

黄色のナンバープレート

黄色のナンバープレートは自家用軽自動車および軽商用車（排気量が600cc以下）に付けられます。

黒色のナンバープレート

黒色のナンバープレートは軽貨物輸送用の自動車に付けられます。この種類のナンバープレートは、小さなトラックやバンなどに見られることがあります。

青色のナンバープレート

青色のナンバープレートは外交官や領事館の車両に付けられます。これには外交官特権が適用され、日本の法律が適用されず交通違反があっても逮捕されなかったり、自動車税が免除されたり等の特徴があります。

以上のように、日本のナンバープレートは車両の種類や用途に応じて異なる色があり、それぞれが特定の目的や用途に対応しています。それぞれのナンバープレートの色が示す意味を理解することは、道路上で異なる種類の車両を識別し、適切な運転態度を取る上で非常に重要です。
次項では、緑ナンバーと白ナンバーの違いについて説明します。

緑ナンバーと白ナンバーは
どう違う？

用途

緑ナンバーは運賃をもらって人や貨物を運ぶ事業用車両に付けられます。これにはタクシーや貸切バス、トラックなどが含まれます。一方、白ナンバーは自家用車や自社の荷物を運ぶ車両に付けられます。これには消防車や救急車などが含まれます。

税金

緑ナンバーの方が、自動車税や自動車重量税が安くなります。これは、事業用車両のためのインセンティブとして提供されます。

車検と点検整備

緑ナンバーは、車両メンテナンスや点検整備のコストがかかり、自賠責保険料や消費税対象経費が白ナンバーに比べて高くなります。これは、緑ナンバー車両が商業活動を行うための準備として必要なコストであり、社会的信用度を高めることができます。

社会的信用度と営業の拡大

緑ナンバーを取得することで、社会的信用度が向上し、営業活動がしやすくなります。これに対して、白ナンバーは自家用車であり、このようなメリットは享受できません。

アルコール検査

2011年5月より、飲酒運転の撲滅を目指し、緑ナンバー車両に対してのアルコール検査が義務化され、運送事業者は点呼時にアルコール検知器を使用して酒気帯びの有無を確認することが必須となりました。
その後2022年4月の法改正により、白ナンバー事業者においてもアルコール検査が義務化されました。

以上の点から、緑ナンバーと白ナンバーは、運送業の目的と税制、車両の管理とメンテナンスにおいていくつかの重要な違いがあります。それぞれのナンバープレートは、運送業者にとって異なる利点と責任をもたらし、選択は業務のニーズと目的によって異なります。

緑ナンバーの取得方法

緑ナンバーの取得は運送業において重要なプロセスであり、これによって事業者は法定の要件を満たし、運送業を適法に行うことが認められます。緑ナンバーを取得するためにはいくつかの条件と手続きをクリアする必要があり、以下にその概要を説明します。

条件

• 経営者の条件: 経営者自身に関する一定の条件があります。例えば、過去に一定期間以上の懲役や禁錮を受けていないこと、過去に運送事業の許可取り消しを受けていないことなどがあります。
• 運行管理者の選任: 適切な運行管理者を選任する必要があります。
• 整備管理者の選任: 整備管理者を選任する必要があります。
• 運転者の雇い入れ: 運転者を雇うことが求められます。
• 営業所、休憩睡眠施設の確保: 営業所や休憩・睡眠施設を確保する必要があります。
• 車庫の確保: 車庫を確保する必要があります。
• 5台以上のトラックの確保: 5台以上のトラックを確保することが求められます。
• 必要資金の証明: 事業を行うための資金を証明する必要があります。

手続き

緑ナンバーの取得申請は、営業する地域の運輸支局を通じて運輸局で行います。申請には各種の書類の準備と、関連する試験のクリアが必要で、申請から許可までには4ヶ月以上の時間がかかる場合があります。また、事業用連絡書という書類を取得し、完全な申請書を作成して運輸局に提出し、その後許可をもらう必要があります。

費用

緑ナンバーの取得には、登録免許税として12万円、車両1台あたりナンバープレートの代金として1,500円程度、および印紙代が500円ほど必要となります。これは自分で手続きをした場合の費用で、行政書士事務所に依頼した場合は登録免許税に加えて約50～60万円程度が必要となります。その分書類の作成などすべてを代行してもらえるので、大幅に時間を削減できるメリットがあります。

緑ナンバーの取得は、運送業を法的に運営するために重要であり、適切な手続きと条件をクリアすることで、事業者は運送業を安全かつ効率的に行うことができます。また、緑ナンバーの取得は運送業界における社会的信用の向上にも寄与し、事業者にとって多くのメリットをもたらします。

緑ナンバーの取得は、運送業界における事業者にとって多くのメリットをもたらしますが、一方でデメリットも存在します。以下に、緑ナンバー取得のメリットとデメリットを詳しく説明します。

緑ナンバー取得の
メリット・デメリット

貨物輸送の正式な許可

緑ナンバーを取得することで、事業者は運賃をもらって貨物や人を輸送する正式な許可を得ることができます。これにより、事業者は運送業を合法的に行うことが可能となり、信頼と安心を提供することができます。

社会的信用度の向上

緑ナンバーは事業用車両であることを示し、事業者の社会的信用度を向上させます。これは、新しいクライアントやパートナーとの関係を築く際に非常に有用であり、ビジネスの拡大にも寄与します。

営業先の拡大

正式な運送業の許可を持つことで、事業者は新しい市場や地域に進出し、営業先を拡大することができます。

税制上の優遇

緑ナンバー車両は、自動車税や自動車重量税が安くなるなど、税制上の優遇を受けることができます。

車検期間の短縮

緑ナンバー車両は、一般的に車検期間が短く、より頻繁に車検を受ける必要があります。これは、車両の安全と整備状態を確保するための重要な要件ですが、事業者にとっては追加の時間とコストがかかります。

3カ月点検の必要性

緑ナンバー車両は3カ月ごとの定期点検が必要であり、これにより整備コストが増加します。

保険料の増加

緑ナンバー車両は商業活動を行うため、保険料が白ナンバー車両に比べて高くなる可能性があります。

以上のように、緑ナンバーの取得は運送業者にとって多くのメリットをもたらしますが、一方でデメリットも考慮する必要があります。運送業者は、緑ナンバーの取得に関連するコストと利益を慎重に評価し、事業のニーズと目標に基づいて適切な判断をする必要があります。

まとめ

運送業界において、緑ナンバーは非常に重要な役割を果たしています。緑ナンバー（営業ナンバー）は、事業用自動車に取り付けられるナンバープレートであり、運送業者が法定の要件を満たし、運送業を適法に行うことを証明するものです。本記事では、緑ナンバーの定義や取得方法、白ナンバーと比較した際のメリット・デメリット等について詳しく解説してきました。

特に緑ナンバーの取得は、運送業者が運送業を合法的に行い、社会的信用を得るために重要です。しかし、緑ナンバーの取得には一定の条件があり、運送業者はこれらの条件を満たす必要があります。また、緑ナンバーの取得には様々な費用がかかりますので、運送業者はこれらのコストを事前に検討し、適切な計画を立てる必要もあります。

緑ナンバーの取得は運送業者にとって重要なステップであり、適切な準備と計画によって、運送業者は運送業を効率的かつ安全に運営し、ビジネスの拡大と成功を実現することができます。

以上、緑ナンバー(営業ナンバー)に関する基本的な知識や取得方法について解説してきました。
この情報が運送業界のプロフェッショナルや関心を持つ読者にとって有益であることを願っています。