2024年4月から、日本国内でライドシェアがスタートしました。
ライドシェアの解禁によって、タクシーの人手不足の解消にもつながるのではと期待されています。
本記事では、タクシー業界が抱えている課題に触れつつ、どのような変革が求められているのか、ライドシェアへの取り組みをご紹介していきます。


タクシー業界が抱えている課題と求められている変革

タクシー業界は、ドライバーの不足、Mobility as a Serviceの導入、タクシー料金の高さなどの課題を抱えています。
2024年から始まった日本版ライドシェアによって、こうした課題へ対応が一層求められる状況となってきました。

運転手の不足や高齢化

タクシー業界にとって深刻な課題はドライバーの人手不足です。
特に、若いドライバーが不足しており、業界の高齢化が深刻な状況となりつつあります。
一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会が令和4年4月に公表した資料「タクシー運転者賃金・労働時間の現況(令和3年 賃金構造基本統計調査)」によると、タクシー運転者の平均年齢は60.9歳でした。
ほかの業種の平均年齢は営業用大型貨物が50歳、バス運転者が53歳です。
この資料からは、タクシーの運転者の平均年齢が圧倒的に高い状況であることがわかります。
タクシー業界を維持していくため、そしてライドシェアへ対応していくためには、若いドライバーの確保と育成が必要不可欠です。
ライドシェアの解禁がきっかけで若いドライバーが集まりやすくなれば、タクシー業界の人材不足や高齢化などの課題につながっていくことでしょう。

Mobility as a Serviceの導入

Mobility as a Serviceとは、複数の交通手段を組み合わせて、検索や予約などを一括で行えるサービスのことです。
乗客にとっては非常に便利なシステムとなっており、国も推進しています。
将来的にMaasの利用者が増えていけば、それに対応できないタクシーは利用者を逃してしまうことにもなりかねません。
ライドシェア解禁でタクシーの利用率を高めていくためには、Maasへの対応や他社との連携が重要なカギとなるでしょう。

日本のタクシー料金の高さ

インバウンドが増えたことで、タクシーの利用率が高まっています。
しなしながら、日本は海外と比べて、タクシー料金が高いという声もあるようです。
Taxi2Airport.comの調査によると、日本のタクシー料金は世界2位の高さとなっています。
日本版ライドシェアはタクシー事業者によって運営されています。
そのため、ライドシェアの料金は基本的にタクシーと同等です。
タクシー業界が料金を下げることで、インバウンド客がより気軽にタクシーを利用しやすい状況となるかもしれません。

日本版ライドシェアの特徴

日本版ライドシェアは、国土交通省から営業を許可されたタクシー事業者によって提供されるのが特徴です。
タクシー事業者が運行に関する責任を負うことになっているため、ドライバーに対する安全指導や車両整備の管理を徹底することが求められています。
万が一事故が発生した場合は、その対応もタクシー事業者が行わなくてはなりません。
タクシー料金については事前確定運賃となっており、日本国内のタクシー料金と同じ基準です。
GO、Uber、S.RIDE、DiDなどのアプリを利用することで、ライドシェアの利用者はキャッシュレス決済が利用可能となります。
キャッシュレス決済ができる場面が増えている現状では、多くの方が利用しやすいでしょう。
一部の地域のみでの解禁となっている点も日本版ライドシェアの特徴です。
2024年4月時点で利用できるのは、東京都、神奈川県、愛知県、京都府などの一部地域のみです。
また、運行時間、配車可能なタクシーの台数も地域によって異なります。
今後は、大阪や福岡などのエリアでもライドシェアが拡大される予定となっています。
日本版ライドシェアが日本全国で解禁されるようになれば、参入するタクシー事業者が増えてくることでしょう。

ライドシェアに対するタクシー業界の取り組み

日本版ライドシェアの解禁で、タクシー業界が注目を浴びています。
ドライバー希望者からの問い合わせ対応、採用募集を開始するタクシー会社もあるようです。
新会社を立ち上げて、これからライドシェア事業に取り組もうとする事業者も登場しました。
メルカリ日本事業の統括者だった青柳直樹氏は、岸和田交通グループのタクシー会社との資本参画によって、大阪での事業を開始に取り組むことを発表しています。

まとめ

日本国内でライドシェアが解禁されたことで、タクシー業界は、新たな人材の確保やMobility as a Serviceなどの導入などの対応が求められています。
ライドシェアが全国に拡大していけば、タクシー業界の人材不足や高齢化などの課題にもつながり、タクシー業界の在り方が大きく変わることになるかもしれません。

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