バス運転手として働く際に、連続でどのくらい運転するのだろうと気になる方もいるのではないでしょうか。
何時間も休憩なしで運転するのは大変なのでは、と不安になる方もいるかもしれません。
そこで、本記事では、バス運転手の連続運転時間について詳しく解説していきます。


バス運転手に定められている連続運転時間とは?

最初に、連続運転時間がどのようなものなのかについて見ていきましょう。
厚生労働省では、連続運転時間を「10分以上の運転の中断をすることなく連続して運転する時間」と定義しています。

バス運転手の連続運転時間が決められている理由

連続運転時間が決まっている理由は、自動車事故を防ぐためです。
休憩を一切取らずに長時間運転を続けると、ドライバーの疲労が溜まったり、集中力が低下しやすくなったりします。
眠気を催すこともあるでしょう。
そのような状態で運転を続けたら、事故を招くリスクが高まるおそれがあります。
連続運転による過労からドライバーを守るために、連続運転時間のルールが明確に決められているのです。

バス運転手の連続運転時間は原則4時間!

旅客自動車運送事業運輸規則第21条第1項の規定に基づく事業自動車の運転者の勤務時間及び乗務時間に係る基準では、連続運転時間を「4時間以内」と定めています。
路線バスの運転手が4時間以上の連続運転をした場合は、一旦運転を中断して、必ず30分以上の休憩を確保しなければならないのです。
このように、休憩時間に関するルールが設けられていることから、バスやトラックなどの運送業界では「430(ヨンサンマル)休憩」とも呼ばれています。

高速道路の実車運行区間の連続運転時間は2時間

連続運転時間が4時間を超える場合に、30分以上の休憩が必要になるのは路線バスの場合です。
貸切バスや高速バスの運転手が高速道路を運転する場合の連続運転時間は、おおむね2時間までです。
貸切バスの夜間運行に関しては、高速道路以外を運転する場合もおおむね2時間までと定められています。
2時間を超えて運転する場合は、必ず所定の休憩時間を確保しなくてはなりません。
このように、どのようなバスを運転するかによって、連続運転時間が異なる点には注意が必要です。

連続運転時間と休憩時間の考え方

バス運転手の連続運転時間は4時間以内です。
バスの運転を開始してから4時間以内、あるいは運転開始から4時間を経過したら、運転を中断して、1回につき30分以上の休憩を取らなくてはなりません。

休憩時間は分割できる!

30分以上の休憩時間は、一度に取得するだけでなく、分割して取ることも可能です。
たとえば、連続運転時間が4時間を超える前に休憩するケースでは、15分間×2回の休憩といったように、休憩時間を複数回に分けて取得しても問題はありません。
ただし、休憩を分割する際には、1回あたりの休憩時間が10分以上ではなくてはなりません。
1回あたりの休憩時間が10分に満たない場合は休憩とは認められません。
たとえば、1回あたり5分間の休憩を6回に分けて計30分間取得した場合は、休憩とはなりませんので気を付けましょう。

連続運転時間には例外がある?

軽微な移動のために要した時間がある場合は、その時間を連続運転時間から除くことができます。
軽微な移動とは、消防車や救急車などの緊急車両、もしくはほかの車両の通行を妨げないように駐車や停車した車両を移動させることです。
軽微な移動の必要が生じたという記録がある場合は、30分までを上限として、連続運転時間から除くことができるのです。
また、バスの運転手が災害や交通事故などの予期しない事象に遭遇した場合も、連続運転時間からその対応時間を除くことができます。

連続運転時間や休憩時間を守らないとどうなる?

連続運転時間を超過した場合や所定の休憩時間のルールを守らなかった場合は、改善基準告示違反となります。
もしも違反した場合は、バスの事業者が警告や車両使用停止などの厳しいペナルティを受ける場合があります。
勤務先に迷惑をかけてしまうことになりますので、連続運転時間や休憩時間を必ず守るようにしましょう。

連続運転時間についてのまとめ

バスの運転手には、4時間までという連続運転時間が設定されています。
4時間を超えて運転した後は、必ず30分間以上の休憩を取らなくてはなりません。
ただし、この連続運転時間は、運転するバスの種類によって異なります。
路線バスは4時間以内ですが、高速バスや貸切バスの夜間運行などは、連続運転時間がおおむね2時間と設定されています。
このようなルールが設けられている理由は、長時間運転の過労からバスの運転手を守るためです。
適度な休憩を取り入れることで、バス運転手の負担を軽減して、事故を防ぐ目的があります。
連続運転時間や休憩時間のルールを守らないと違反となり、バスの事業者が厳しい罰則を受ける場合がありますので十分に注意してください。

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