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一般的なセミトレーラーのサイズ・寸法

日本でトレーラーと言えば、ほとんどがセミトレーラーの事を指します。 一般的なセミトレーラーのサイズは

  • 連結全長16.5m以内
    (セミトラクターは12m以内、ほとんどは5~6m程度)
    (セミトレーラーはキングピンから後端までの長さが12m以内)
  • 全幅2.5m以内
  • 全高3.8m以内

一般的なフルトレーラーのサイズ・寸法

  • 連結全長18m以内
    (フルトラクターは12m以内、ほとんどは12m程度)
    (フルトレーラーは連結機構から後端までの長さが12m以内)
  • 全幅2.5m以内
  • 全高3.8m以内

ポールトレーラーのサイズ・寸法

鉄道車両など、分割不可能な長い積荷を運搬する際に使用されるのがポールトレーラーです。
積荷自体がトレーラーの一部に組み込まれるため、長さは積荷によって変わりますが、連結全長が40mになる事もあります。


大型トラックのサイズ・寸法と比べてみる

トラックのサイズは法律によって定められており、大型トラックと認められる外寸の条件は以下の通りになります。

  • 全長12m以内
  • 全幅2.5m以内
  • 全高3.8m以内

1台で可能な限り多くの積荷を運搬する事が主な目的である運搬車両は、上限いっぱいのサイズである事が一般的です。

表1 大型トラック、セミトレーラー、フルトレーラーの一般的な外寸比較
大型トラック セミトレーラー フルトレーラー
全長 12m 16.5m(連結時) 18m(連結時)
トラクター長 12m(5~6m) 12m
トレーラー長 12m 12m(5~6m)
全幅 2.5m 2.5m 2.5m
全高 3.8m 3.8m 3.8m

(※数値は全て『以内』)

比べてみると、セミ・フルトレーラーと大型トラックの違いは『連結機構の有無』と『長さ』だけなのです。(ポールトレーラーは規格外の特殊車両扱いのため、比較対象として適切でないため除外)


トレーラーのサイズと寸法は3つの法令で決まっている

トレーラーのサイズと寸法は、主に3つの法令によって制限・規定されています。

  • 道路運送車両法
  • 道路法
  • 道路交通法

以上の3つの法令では、重量、高さ、幅、長さで制限を設ける点では同一ですが、法令の目的が異なるため、判断基準が異なり、実際の制限のかけ方も異なっているのです。

一例として、『長さ』に注目した違いを紹介します。

道路運送車両法の目的は「車両自体の安全」なので、トレーラーは、トラクター部とトレーラー部をそれぞれ独立した車両とみなします。
実際に積荷を運搬する時は連結するしかないセミトレーラーであっても、別々に見るのです。
通常、どんな車両であっても「12m以下」の制限値を規定しています。(セミトレーラーの場合はキングピン中心から荷台最後部端までの長さ。互い違いで連結するためキングピンが起点となる)

道路法の目的は「道路の保全」なので、注目されるのは積荷の状態(長さ、幅、高さ、重量)になります。
運搬車両が長さ12m以下であっても、積荷を積載した状態の長さが12mを超えてはならない。と規定しているのです。

道路交通法の目的は「交通の安全」なので、長さで注目すべき点は、「リアオーバーハングの長さ」です。
荷台後端から、車両全長の10%を超える長さを後ろに出してはならない。と規定しています。

上で紹介した一般的なサイズのトレーラーだと、法令の規定内に収まっていません。
しかし、トレーラー連結車には、特例が認められているのです。

セミトレーラーは連結全長16.5mまで。
フルトレーラーは連結全長18mまで。

セミトレーラーとフルトレーラーの一般的なサイズは、この特例を前提に作られています。


条件次第で「より長く」できる

また、道路にも区別があり、通行可能な車両の長さ、重量などの制限が存在します。
しかし道路は繋がっていますので『こっちは通れるけれど、あっちは制限があるから通れない』なんて事になれば、効率的に積荷を運搬する事は出来ません。
そのため、トレーラー連結車には規制緩和措置があるのです。

トレーラーの最大サイズは?

規制緩和の条件に合致すれば

セミトレーラーは、連結全長最大18mまで運行可能。
フルトレーラーは、連結全長最大25mまで運行可能。

大型トラックは最大でも全長12mまでなので、トレーラーは約1.5倍~2倍程度の積荷を運搬できるのです。


まとめ

トレーラーと言うと「長い」という点ばかりに注目してしまいがちですが、実は大型トラックと同程度の長さのトレーラーも存在します。
効率的な運搬を重視すれば、トレーラーの長大化は避けることのできない事ですが、なにも初めから「大型トラックの2倍近い長さのトレーラーを運転しなければならない」という事もないのです。

大型トラックは構造上、積載量の増加が難しいと言えます。
しかしトレーラーであれば、被牽引車両(トレーラー)を交換する事によって、比較的簡単に積載量の増加を見込む事が可能です。

運送業者としてのステップアップを望むのであれば、「トレーラーの運転にチャレンジする」というのは、手段の一つとして有効です。

※参照ページ
公益社団法人全日本トラック協会輸送事業部
「大型・特殊車両に係わる最近の法令・通達改正状況について(荷主用抜粋版)」


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