タクシードライバーの一日の流れはどんな感じ?
私はタクシードライバー歴10年以上の40代男性です。
この記事は、私が実際にあった体験談やタクシードライバーの一日の流れ、タクシードライバーのメリット、デメリットなどを書いていきたいと思います。
この記事を見て、一人でも「タクシードライバーになりたい」と思って頂けたり、タクシーに興味を持っていただけたらと思います。
<目次>
タクシードライバーはどのくらい働いているの?
24時間いつも運行しているタクシー。「タクシーって休みがないんじゃ?」と思われる方も多いかもしれませんがそんなことはありません。タクシー運転手も人間ですので、休まないと倒れてしまいます。
そこで、タクシードライバーの勤務時間についてご説明させて頂きます。
- 1. 昼日勤
- 昼勤務は、一般のサラリーマンの方と勤務時間があまりかわりません。
勤務時間は朝7時~夕方16時or朝8時~夕方17時までとなっています。(休憩1時間)
勤務日数は月に22~24日ほどです。
夜勤がないので、シングルマザーや高齢の方に向いています。 - 2. 夜日勤
- 夜日勤は、昼日勤と全く逆の時間の勤務体制になります。
夜日勤の場合、深夜にお客様を乗せれば料金が割り増しになるというメリットがあり、昼日勤の方よりも稼げる可能性が上がります。
勤務時間は夕方6時~早朝2時or夕方7時~早朝3時などです。 - 3. 隔日勤務
- タクシードライバーの主流は。この隔日勤務です。
多くの会社が採用している勤務形態となっています。
隔日勤務は、「24時間働いて」「24時間休み」とざっくり説明するとこのような感じです。
もちろん勤務時間が24時間ということはありません。勤務時間は大体20時間程度で、その間に3時間ほど休憩が入ります。
月の勤務日数は11日~13日ほどで公休は月に4日程です。
しかし、勤務時間と公休は会社によって大きく違う場合もあるので入社する際にはしっかりと面接官などに聞いておくことをおすすめします。
タクシードライバーの一日
私は、今現在隔日勤務でタクシードライバーを勤めさせていただいています。
そこで、私の1日のタクシー勤務の流れを書いていくので、タクシードライバーに興味がある方は参考にしてみてください。
- 午前6時45分・出社
- 会社には明朝7時までに出社と決まっています。
出社して、まずやることはアルコール検査です。アルコール反応が少しでも出た場合はその日一日仕事をすることはできません。タクシードライバーの給料は完全出来高制なので、一日仕事が出来ないだけでもかなり給料に響きます。 - 午前7時15分・車両点検・点呼
- お客様に安心して乗車いただけるように、車両点検は入念におこないます。
また、お客様が乗車中に車がトラブルになった場合は時間に追われているお客様も多いのでクレームに発展する場合もあるため非常に大変です。
タクシードライバーには「安全×サービスの向上+努力=お客様の満足=収入UP」という方程式があるので、その方程式を忘れずに営業すれば結果はおのずとついてきます。
点検が終われば次は点呼です。「おはようございます!」「ありがとうございました!」などの声だしをして営業モードに気持ちを切り替えます。
その他にも点呼時には、注意事項や報告もおこないます。 - 午前7時30分・1日の仕事がスタート!
- 点呼が終わると出庫となり一日の仕事がスタートします。
午前中は営業マンや買い物に出かける主婦の方などをターゲットに仕事をこなしていきます。
また、無線配車などの営業もいたします。 - 午後0時・昼の一息、昼食と仮眠
- ここで一回目の休憩を取ります。ご飯は牛丼屋などで手早く済ますことが多いです。また、大体はこの時間に仮眠を取っておきます。
午後はその日のイベントなどに合わせて臨機応変に回る場所を変えるのですが、
タクシードライバーの営業力はこういうところで差が出ることが多いです。
その日何のイベントがあるのか?この時間帯はどこのエリアに人が集まるのか?など
ただ走っているだけでは営業収入は増えません。 - 午後1時~午後6時・営業
- 夕方からはタクシードライバーの稼ぎ時です。仕事帰りのサラリーマンの方や、これから出勤する夜のお仕事の方などをターゲットに回っていきます。また、夕方ぐらいからは無線配車もそこそこで出だすのでお客様を乗せている時間が多いです。
- 午後6時~午後7時・休憩、夕食
- 本格的に忙しくなる前に早めに夕食タイムです!
軽く仮眠する場合もあります。また、この時間にスタンドへ行きガソリンを満タンにしておきます。 - 午後7時~午後11時・営業
- 飲みに出ているサラリーマンや無線配車などをこなしていきます。
この時間も場所によっては全然お客様を乗せることができなかったりするので、営業力の見せ所です。 - 午後11時~翌午前3時・営業(料金3割増し)
- 他の交通機関が終了する時間帯なので、ここからが一日で1番稼げる時間帯となります。特に終電がなくなってからが勝負です。遠方から来ていて終電を逃した方などを乗せることができれば、距離を稼ぐことが出来るのでラッキーです。
時間はあっという間に過ぎていき、帰る時間を考えながら仕事をこなしていきます。 - 午前3時~午前3時30分・洗車
- 一日の営業が終わり、最後に洗車をおこなっていきます。疲れのピークですが大事な車ですのでしっかりと洗車しなくてはいけません。
車内洗車もおこなうのですが、ガラスはもちろん、灰皿、ハンドル、ミッションレバー、シートなど細かいところまで掃除していきます。 - 午前3時45分・帰庫
- 車庫に戻って運転記録をICカードに、走行距離を日報に記録します。
- 午前4時~・1日の処理
- 一日の終わりにもう一度アルコールチェックをします。次におこなうのは未収書の処理です。
クレジットカードやタクシーチケットなどの未収書を処理していかなくてはいけません。数字が合わないと何度でもやり直さなくてはいけません。
処理が終わって計算が合い、乗務員証を返却すれば1日が終了です!
タクシードライバーのメリット・デメリット
タクシードライバーのメリットは、なにより自分次第でお金を稼ぐことが出来るというところです。しっかりと営業努力をかかさず、仕事をこなすことが出来れば年収600万円くらいは稼ぐことができます。もちろん努力次第ではそれ以上稼ぎ出すことも可能になります。しかも、タクシーは40代、50代といった年齢でも未経験から歓迎されるので新しいスタートを切りたい方にはもってこいの職種です。中には60代からタクシードライバーを始める方もいます。
また、会社には仮眠室のほか大浴場などもあるので疲れを取るのに便利になります。
タクシードライバーには、他にもメリットがあります。それは、仕事の自由度が高いことです。
職場には上司や先輩がいますが、ほとんどは個人行動になるので「人付き合いが苦手」という方は働きやすいと思います。
タクシードライバーのデメリットは腰を痛める方が多いということです。タクシー業務は座りっぱなしになるので、どうしても腰を痛める方が多くなってしまいます。しかも、高齢の方の場合はなおさらです。その場合の対処法としましては、腰に優しい車両を導入している会社に入社することによって対処が可能です。
タクシードライバーの美味しい体験談
私は、10年以上タクシードライバーをしているので中には美味しい体験をしたこともありました。その中で印象的だった体験談を紹介させていただきます。
『ラッキーな一日』
タクシードライバーは、長距離移動されるお客様を乗せることができれば非常にありがたいです。
もう10年程前、私が30代だった頃の話です。
私は、東京でタクシードライバーをしているのですが、ある日窓をコンコン!とされ「お兄ちゃん名古屋までいいかい?」と見た目50代くらいの夫婦のお客様が乗り込んできました。眠かった目もパッチリ覚めて名古屋まで行ったのですが、料金は、なんと約14万円。
しかも「長距離ご苦労さん!」と気さくにチップ一万円まで頂き、私のその日の売り上げはチップを含めると10万円オーバー。大興奮です。
タクシードライバーにはこういうおいしい「一発」があるので中々やめられません。
タクシードライバーはやる気次第!
タクシーに10年以上乗ってきて色々な人を見てきましたが、結局タクシードライバーはやる気次第で何色にもなります。
やる気があれば一般人の平均年収より稼げると思いますし、努力をしない人は全く稼げません。
また、勤務時間が不規則なのでそこに慣れることができるかも重要です。
しかし、タクシードライバーならではのおいしい思いも沢山してきましたし、私個人の意見としましては、タクシードライバーはやりがいのあるいい仕事です。
今後「タクシードライバーになりたい!」という方が一人でも増えていきますように心から願っています。