4t・10tトラックを使用する際に注意しなくてはならないのが「最大積載量」です。最大積載量以上の貨物を積んでしまうと、道路交通法違反で刑事罰の対象となります。また、キャパ以上の貨物を積んでしまうことでトラックが横転してしまい、大事故につながってしまう可能性もあります。今回は、4t・10tトラックの最大積載量の情報をまとめていき、貨物トラックの正しい積載量情報を提供していきます。
<目次>
4tトラックの最大積載量
4tトラックの最大積載量は「4t」という訳ではありません。あくまでも「4tぐらい」まで積載できるというものです。 4tトラックの車種によって、4t以上積載できるものもあれば、4t未満しか積載できないトラックもあります。 単純に4tトラックだからといって実際に4t積んでしまうと、過積載で法令違反となってしまう可能性があります。
トラックの積載量を考える際に大切なのは、
- 車両重量
- 車両総重量
の定義です。
車両重量とは、車両に燃料やオイル、バッテリー、荷台などが含まれた状態での重量です。車両総重量には乗車定員、荷物、スペアタイヤの重量は含まれません。
車両総重量とは、車両重量に乗車定員、最大積載量の重量を加えた重量です。
上記2つの定義より、最大積載量は以下の計算式で算出できます。
最大積載量=車両総重量ー(車両重量+乗車定員×55kg)
*「55kg」の数字は、乗組員の平均的な体重を示しています。55kg=0.055tで計算することもあります。
4tトラックでも、トラックに冷凍冷蔵の装備品を増やしたりすると、車両重量が増えることになり、積載できる貨物量が減っていきます。
以前の道路交通法では、4tトラックを含む中型自動車の総重量は「8t未満」とされていました。仮に車両重量が4tで、乗組定員が2人とすると、
最大積載量=8tー(4t+2人×0.055t)=3.89t
となります。最大積載量が4t未満となっていることが分かりますね。
ただし、現在の道路交通法では「11t未満まで」が中型自動車の総重量範囲となっているため、4t以上積載できる4tトラックも多いです。
10tトラックの最大積載量
10tトラックの最大積載量の計算も、4tトラックと同様
最大積載量=車両総重量ー(車両重量+乗車定員×55kg)
の計算式を用います。
10tトラックの総重量は、現行の法律で「25t未満まで」となっています。したがって、車両総重量が10tのトラックで、乗組定員が2名の場合、
最大積載量=25tー(10t+2×0.055t)=14.89t
となります。10tトラックでは10t以上の積載が可能であることが分かります。
4t・10tトラックの積載量を
超過した際の罰則
4t・10tトラックで過積載を行った場合、ドライバーへ罰則が適用されます。過積載の割合によって、罰則・罰金が変わってきます。
過積載の割合は
- 10割以上
- 5割以上
- 5割未満
に分かれています。
10割以上の過積載で「罰点6点+懲役6か月以下または罰金10万円以下」、5割以上で「罰点3点+反則金4万円」、5割未満で「罰点2点」が課せられます。また2015年からは過積載に対する罰則が強化されており、最大積載量の2倍以上の過積載があった場合、即時告発で100万円の罰金が課せられることもあります。
4t・10tトラックの才数とは?
トラックにどの程度の荷物を載せられるかは「最大積載量」で表すことが多いです。ただし、最大積載数の表記だけだと不十分であることもあります。なぜならば、荷物によっては重量が軽いのに容積が大きいものがあり、最大積載量の基準をクリアしていても、荷台の広さの関係で積めないことがあるからです。
ここで登場してくるのが「才数」という単位です。才数は容積を表す単位として用いられます。
1才=30.3×30.3×30.3の立方体
を示します。たとえば、「最大積載量5t、1000才」という表記を見れば、重量だけでなくどれくらいの容積を持っているトラックなのかすぐに分かります。日常生活で「才」を使うことはほとんどありませんが、運送・物流業界ではよく使われる単位なので、ドライバーとして働いていきたい方は覚えておいて損はないです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
4t・10tトラックの最大積載量は、単純に4t、10tではないことがお分かり頂けたかと思います。実際の最大積載量は計算して求める必要があるので、トラックを運転して荷物を運ぶ際は必ず確認するようにしましょう。近年の物流業界の人手不足の影響もあり、過積載に手を出してしまうドライバー・事業者も少なからずいます。過積載は法令違反であり、大事故につながる危険な行為です。安全を第一に積載することを忘れないようにしてくださいね。