個人事業主として軽貨物ドライバーをする場合、税務署や運輸支局への届け出が必要です。 そのまま自家用車で仕事できないことは知っていても、具体的にどんな手続きをいつまでにしなければいけないのか分からないまま、 という人は多いのではないでしょうか。

今回は、軽貨物で開業する方法と流れについて、詳しく解説致します!


<目次>


軽貨物開業に必要な“黒ナンバー”とは

軽貨物運送業者として仕事をする場合、 “黒ナンバー”の取得が必須です。 軽貨物運送は、貨物自動車運送事業法第2条に定められている「他人の需要に応じ有償で自動車を使用して貨物を運送する事業」に当たりますので、 運輸局に対し軽貨物開業の届け出を行う際、併せて手続きしておきましょう。

営業用の車両なので自家用車と比較して自動車重量税や固定資産税などが安くなるというメリットもあります。


軽貨物の開業方法・流れ

では実際に、軽貨物開業する際の方法や流れについて解説します。


個人事業主として開業手続きをする

最寄りの税務署にて、軽貨物運送を始めてから1ヶ月以内に「個人事業主の開業・廃業等届出書」を提出します。 個人事業主として登録するための手続きですので、最初にこのステップを踏みましょう。


軽貨物運送事業者として届出をする

最寄りの運輸支局に「軽貨物自動車運送事業経営届出書」を提出します。 軽貨物運送事業者として登録するための手続きです。その際に、先ほどの“黒ナンバー”申告も併せてできますので、手続きが完了し次第新しいナンバーにつけかえましょう。


実際に仕事を始める

上記の手続きが完了したら、腫れて軽貨物運送事業者として開業したことになります。 確定申告の際には「青色申告承認申請書」を利用すれば税金の控除も受けられますので、積極的に制度を活用していきましょう。



軽貨物の開業っていくらくらいでできる?

軽貨物の開業は、最安で0円からスタートできます。 既に最低限の設備が整っている場合、新たに借入をする必要もありません。 1から揃える場合は、100~300万円程度の初期投資を見込んでおきましょう。

開業する上で欠かせないものは、「運転免許証」「車両」「車庫」「営業所」「自賠責保険」「任意保険」の5つです。 特に車両に関しては、軽バンなど車種がある程度定められている他、荷物を積み下ろしするドアの間口も細かく決められています。 規定に合った車を保有していない場合、改造したり買い直したりする必要もでてきます。


開業後にかかる費用は?

軽貨物開業して以降にかかる費用は、「ガソリン代」「車検代」「各種税金(所得税、固定資産税など)」「社会保険料」「自動車保険料」「パーキング代」などがあります。

開業したからといって、売上額の全てが手取りとして得られるわけではありません。 毎年の確定申告で税金を確定させ納付したり、国民健康保険に加入して健康保険料や年金保険料を支払ったりする必要があります。 その他、毎月かかるものではありませんが、車両メンテナンスのための費用も見込んだ上で、ある程度資金はプールしておくようにします。


知っておくべき個人事業主と法人の違い

続いて、個人事業主と法人の違いについて解説します。 人によっては個人事業主としてではなく法人を立ち上げて軽貨物運送をする場合もありますので、メリットやデメリットをチェックしておきましょう。


開業にかかる手間と費用の違い

個人事業主の方が、開業にかかる手間は少なくて済みます。開業資金0円で手続きできるなど、初期投資額が少なくて済むのも特徴です。

反対に法人の場合、定款を作成したり登記をしたりする必要がある他、法令に則って書類を作成するために行政書士や弁護士の力を借りなければいけないシーンもあります。 会計処理も複雑になりますので、毎年会計士に手続きを依頼している会社も多いため、法人として立ち上げる場合にはあらかじめ必要費用をしっかり見積もりましょう。


信用の違い

法人の方が、銀行や公的機関からの信用が高くなります。事業を継続する上で借入が必要になった場合などは法人の方が圧倒的有利です。 個人事業主を対象とした借入金制度もありますので、新しく投資したい場合には相談してみましょう。


税金の違い

法人の方が、経費として認められる項目が多いため、節税しやすくなります。 ただし、個人事業主であったとしても青色申告をすることにより、白色申告以上の給与控除額が受けられて節税を狙えますので、確定申告の際には忘れずに行いましょう。



【まとめ】

軽貨物ドライバーとして働く方法は大きく分けて3つあります。「会社員として運送会社に雇われて働く方法」、 「法人を立ち上げて代表取締役社長となって働く方法」、「個人事業主として申請し自由に働く方法」の3つなので、自分がどれに合っているか考えてみましょう。

それぞれのメリットやデメリットも理解した上で、間違いのない正式な開業手続きを行っていくことが大切です。


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